AWS Linux 2 (AL2) と Amazon Linux 2023 (AL2023) の比較
AWS(Amazon Web Services)は、クラウド環境で最適化された独自のLinuxディストリビューションを提供しています。AWSのLinuxディストリビューションとしては、Amazon Linux 2(AL2) とAmazon Linux 2023(AL2023) の2つが主要な選択肢となっています。これらのOSは、それぞれ異なる時期にリリースされており、性能や機能、サポートに大きな違いがあります。
この記事では、Amazon Linux 2とAmazon Linux 2023を比較し、それぞれの特徴、更新点、セキュリティ面、そしてどのようなシナリオで使うべきかを詳しく説明します。AWS環境でのサーバー運用やクラウドアプリケーション開発を行っている方にとって、どちらのLinuxディストリビューションが最適かを判断するためのガイドとして活用してください。
1. リリース概要
Amazon Linux 2 (AL2)
Amazon Linux 2は、2018年に正式にリリースされたAWS独自のLinuxディストリビューションです。Amazon Linux 2は、CentOSやRHELベースのディストリビューションとして、幅広い開発者や運用エンジニアに利用されてきました。パフォーマンスの最適化や、AWSサービスとのシームレスな統合が特徴です。
主な特徴
- 長期サポート(LTS): Amazon Linux 2は、長期サポートが提供されており、少なくとも2023年までの5年間のセキュリティパッチおよびバグ修正が約束されています。
- Kernel 4.14: 安定したLinuxカーネルバージョンを使用し、最新技術への対応と堅牢性の両立を図っています。
- Systemdサポート: initシステムにはsystemdが採用されており、現代的なサービス管理が可能です。
- コンテナサポート: Dockerなどのコンテナ技術にも対応し、コンテナベースのアプリケーション開発に最適です。
- 多くのAWSサービスに最適化: EC2、ECS、Elastic BeanstalkなどのAWSサービスで、Amazon Linux 2は公式に最適化されています。
Amazon Linux 2023 (AL2023)
**Amazon Linux 2023(AL2023)**は、2023年にリリースされたAmazonの最新のLinuxディストリビューションです。AL2023は、AWSのクラウド環境にさらに最適化され、セキュリティとパフォーマンスを強化した最新の技術が導入されています。従来のAL2と異なる点が多く、セキュリティの強化や定期的な機能アップデートが特徴です。
主な特徴
- 定期リリースモデル: AL2023は、2年間ごとに新しいバージョンがリリースされ、更新とサポートのサイクルが定期的に行われる「固定リリースモデル」を採用しています。
- 最新のカーネルとライブラリ: 最新のLinuxカーネル(カーネル5.x系)やシステムライブラリを使用しており、パフォーマンスとセキュリティの両面で強化されています。
- セキュリティ重視の設計: AL2023は、最新のセキュリティ機能が盛り込まれており、セキュリティを最重視する企業やエンタープライズ環境に適しています。
- 自動更新オプション: AL2023ではセキュリティパッチを自動的に適用するオプションが提供され、システムの安全性を常に最新に保つことが容易です。
- Fedoraベース: AL2023はFedoraのような最新技術を取り入れたディストリビューションをベースとしており、最先端の技術スタックが利用可能です。
2. バージョンアップデートとリリースモデルの違い
Amazon Linux 2 のリリースモデル
Amazon Linux 2は、ローリングリリースモデルを採用しており、長期間にわたる安定性を重視しています。バグ修正やセキュリティパッチは定期的にリリースされますが、大規模なバージョンアップデートや新機能の追加は、比較的控えめです。このリリースモデルは、安定した環境を長期間維持することが求められるプロジェクトに最適です。
Amazon Linux 2023 のリリースモデル
一方、Amazon Linux 2023は、固定リリースモデルを採用しています。このモデルでは、定期的に新しいバージョンがリリースされ、各バージョンには2年間のサポートが提供されます。これにより、新しい技術やセキュリティ強化が定期的に取り入れられ、AWS環境での最新技術に対応することが可能です。
3. セキュリティの違い
Amazon Linux 2 のセキュリティ
Amazon Linux 2は、LTSのサポート期間中、セキュリティパッチや重要な更新が提供され続けます。特に、AWSのセキュリティベストプラクティスに基づいて設計されており、主要なセキュリティリスクに対処する機能が組み込まれています。必要に応じて、手動でのパッチ適用が可能で、安定性を重視した運用に適しています。
Amazon Linux 2023 のセキュリティ
Amazon Linux 2023は、セキュリティ機能がさらに強化されています。例えば、SELinux(Security-Enhanced Linux)がデフォルトで有効化されており、システムの攻撃対象領域を減少させるセキュリティポリシーが適用されています。また、AL2023は、セキュリティアップデートを自動的に適用できるオプションを提供しており、特にセキュリティ面を重視するユーザーには適しています。
さらに、AL2023は定期的な機能更新により、脆弱性の修正や新しいセキュリティ機能の導入が迅速に行われるため、最新のセキュリティ基準に適合した運用が可能です。
4. パフォーマンスと最新技術への対応
Amazon Linux 2 のパフォーマンス
Amazon Linux 2は、AWSのインフラ上で高いパフォーマンスを発揮するように最適化されています。長年にわたって使用されているカーネル4.14は、信頼性が高く、安定した動作が期待できますが、最新の技術スタックへの対応がやや遅れる可能性があります。
Amazon Linux 2023 のパフォーマンス
Amazon Linux 2023は、最新のカーネルバージョン(5.x系)を採用しており、最新のハードウェアやソフトウェア技術に最適化されています。これにより、最新のコンピューティングリソースを活用したパフォーマンス向上が期待できます。特に、マルチスレッド処理やコンテナ化技術など、新しいワークロードに対して優れたパフォーマンスを発揮します。
5. サポート期間とエンタープライズ対応
Amazon Linux 2 のサポート
Amazon Linux 2は、LTS(Long Term Support)を提供しており、最低でも2023年までサポートが継続されます。この長期サポートにより、エンタープライズ環境での長期運用を重視するプロジェクトには最適です。
Amazon Linux 2023 のサポート
Amazon Linux 2023は、各バージョンに2年間のサポートが提供され、定期的な更新によりセキュリティとパフォーマンスが常に最新の状態に保たれます。これは、最新技術を取り入れつつも、セキュリティと安定性を維持したい企業にとって理想的な選択肢となります。
まとめ:AL2 と AL2023、どちらを選ぶべきか?
Amazon Linux 2 を選ぶべきケース
- 長期安定運用: 長期にわたり安定した環境での運用が求められるシステムや、頻繁なバージョン更新が不要な場合。
- 互換性を重視するプロジェクト: 既存のソフトウェアやインフラとの互換性が重要なプロジェクトでは、AL2の信頼性と安定性が魅力です。
- LTSの恩恵を享受したい: LTSによる長期サポートが必要な場合、AL2は最適です。
Amazon Linux 2023 を選ぶべきケース
- 最新技術を取り入れたい: 最新のハードウェアや技術スタックを最大限に活用したい場合、AL2023は理想的な選択肢です。
- セキュリティを最優先: 最新のセキュリティ機能や自動更新が提供されているため、セキュリティ面を最重要視する企業やプロジェクトに適しています。
- 定期的な機能更新を活用したい: 定期的な機能更新により、常に最新の技術や機能を取り入れたい場合はAL2023が適しています。
どちらのディストリビューションも、それぞれの強みがありますが、プロジェクトの要件に応じて適切に選択することが成功の鍵となります。AWS環境においては、両者の特徴を理解し、長期的な運用計画に沿った選択を行いましょう。
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