ウェブアクセシビリティは、すべてのユーザーが情報に平等にアクセスできるようにするための重要な取り組みです。ウェブサイトやデジタルサービスの開発・改修において、アクセシビリティ対応を依頼する際には、明確なガイドラインを持って発注することが重要です。本記事では、ウェブアクセシビリティ対応の発注ガイドラインについて、その基本的な考え方と具体的な進め方を解説します。

対応発注の重要性

アクセシビリティ対応の発注が適切に行われることで、以下のようなメリットがあります。

  • ユーザーの多様性に対応: 障害のある方や高齢者、異なる技術環境を使用しているユーザーなど、幅広いニーズに対応したウェブサイトの実現が可能です。
  • 法的リスクの軽減: 国内外のアクセシビリティ基準や法律(例:日本の障害者差別解消法、米国のADAなど)に準拠することで、法的リスクを低減します。
  • ブランドイメージの向上: アクセシブルなウェブサイトは、社会的責任を果たす企業や団体としての評価を高めます。

発注前の準備

1. アクセシビリティの目標設定

まず、アクセシビリティの目標を明確に設定しましょう。たとえば、WCAG 2.1のレベルAA準拠を目指すといった具体的な基準を定めることが重要です。目標設定により、開発者やデザイナーに対して明確な方向性を示すことができます。

2. 現状のアクセシビリティ評価

現状のウェブサイトのアクセシビリティ状況を評価し、改善が必要なポイントを特定します。アクセシビリティの診断ツールや専門家による監査を利用して、現状の問題点を洗い出すことが有効です。この評価は、発注内容を具体的にするための重要なステップです。

3. 関係者との合意形成

アクセシビリティ対応には、ウェブサイトの運営者だけでなく、経営層やマーケティング部門、IT部門など多くの関係者の協力が必要です。プロジェクトの目的と目標を共有し、全員が同じゴールを目指すことを確認しましょう。

発注ガイドラインの作成

1. 要件の具体化

発注する際には、アクセシビリティの要件を具体的に記述します。例えば、「画像には必ず代替テキストを付与する」「フォームのラベルを適切に関連付ける」「すべてのインタラクティブ要素がキーボード操作に対応していること」など、具体的な実装項目をリスト化しましょう。

2. 対応レベルの明記

どのレベルのアクセシビリティ対応を求めるのかを明記します。一般的には、WCAG 2.1のレベルAA準拠を求めることが多いですが、対象ユーザーやプロジェクトの目的に応じて、レベルAやAAAの対応を求める場合もあります。

3. テストと検証の方法の指定

アクセシビリティ対応後の検証方法も発注時に明示しておくことが重要です。たとえば、アクセシビリティ診断ツールを使用した自動テストに加え、実際の支援技術(スクリーンリーダーや拡大鏡など)を使った手動テストも行うよう依頼します。また、ユーザーテストを含めることも推奨されます。

4. 納期とフィードバックのスケジュール設定

納期やフィードバックのスケジュールを明確に設定しましょう。アクセシビリティ対応は一度で完璧に仕上がるとは限らないため、複数回のフィードバックと修正を行う前提でスケジュールを組むと効果的です。

5. 責任の明確化

発注時には、アクセシビリティ対応に関する責任の範囲を明確にしておきます。具体的には、アクセシビリティ対応の実装、テスト、改善提案の各フェーズでの担当者を明確にし、責任の所在をはっきりさせることが重要です。

発注後の進行管理

1. 進捗確認とレビュー

発注後は、定期的に進捗を確認し、レビューを行います。アクセシビリティ対応が計画通りに進んでいるかをチェックし、問題があれば早期に修正を依頼しましょう。特に、実装がWCAG基準に準拠しているかを確認するためのレビューを重点的に行います。

2. フィードバックと修正

テスト結果や関係者からのフィードバックを受けて、必要な修正を依頼します。アクセシビリティは細かい部分の調整が重要ですので、小さな修正でもユーザー体験に大きく影響することを認識し、丁寧に対応しましょう。

3. 最終確認と検証

すべての対応が完了したら、最終的な確認と検証を行います。ここでは、発注時に設定した要件がすべて満たされているか、テスト結果が良好であるかを確認します。ユーザビリティテストを実施することで、実際のユーザーの視点から最終確認を行うことも推奨されます。

まとめ

ウェブアクセシビリティ対応の発注は、明確なガイドラインに基づいて行うことが成功の鍵です。適切な発注と進行管理を通じて、すべてのユーザーが利用しやすいウェブサイトを構築することが可能となります。アクセシビリティは単なる要件ではなく、すべての人にとっての使いやすさを追求する姿勢の表れです。このガイドラインを参考に、より良いウェブアクセシビリティ対応を目指して発注を行いましょう。


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投稿者 greeden

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