ウェブアクセシビリティ基準である「JIS X 8341-3」では、ユーザーがウェブコンテンツを操作しやすいよう、特に「フォーカス」に関する配慮が求められています。フォーカスとは、キーボードや他の支援技術を利用してウェブサイトの要素を選択(またはアクティブ)した状態を指し、視覚的にも分かりやすく表示される必要があります。
本記事では、「フォーカス時」におけるJIS X 8341-3の基準と、そのポイントについて解説します。
フォーカス時におけるアクセシビリティの重要性
「フォーカス」は、キーボード操作やスクリーンリーダーなどを使用するユーザーがサイトを操作する際に、現在どの要素にいるのかを把握するための重要な役割を果たします。特に、以下のユーザーにとって「フォーカス時」の配慮は必須です:
- 視覚障害を持つユーザー:スクリーンリーダーを使用する際、フォーカスによって現在の位置が認識されます。
- 運動機能に制限があるユーザー:キーボードのみで操作するため、視覚的にどの要素にフォーカスがあるかが確認できることが必要です。
- 高齢者や初心者:直感的な操作が難しいため、フォーカス表示があれば操作がわかりやすくなります。
JIS X 8341-3における「フォーカス時」の基準
「JIS X 8341-3」では、キーボード操作などによるフォーカスが視覚的にわかりやすくなるようにすることが求められます。具体的には、次のような点に留意します。
1. フォーカス表示の明確さ
フォーカス時に、どの要素がアクティブかを視覚的に明確にするために、枠線の色変更や太字の枠、背景色の変更などを行い、見えやすくすることが推奨されます。
良い例
- ボタンやリンクがフォーカスされると、青い枠線が表示される。
- フォーカスが当たった要素の背景色が変わり、目立つようになっている。
悪い例
- フォーカスがわかりにくく、どの要素が選択されているかが視覚的に確認できない。
2. キーボード操作でのアクセス可能性
キーボードでタブキーを使ってウェブページを移動したときに、各リンクやボタンが順番にフォーカスされることが重要です。フォーカスが飛んだり、どの要素にも移動できないといった動作は、アクセシビリティを損なうため避けましょう。
3. フォーカスの順序の論理性
フォーカスの移動が論理的な順序であることが求められます。画面上での表示順や利用者の期待に沿ったフォーカス順序にすることで、操作がスムーズになり、混乱を避けられます。
フォーカス時の具体的な実装方法
フォーカス時の視覚的な変化は、HTMLやCSSで比較的簡単に実装できます。以下に基本的な例を紹介します。
CSSでのフォーカス表示の例
button:focus,
a:focus {
outline: 2px solid #007acc; /* 青い枠線でフォーカスを視覚的に示す */
background-color: #e0f7ff; /* 背景色を変えてさらにわかりやすく */
}
このように指定することで、キーボード操作でボタンやリンクにフォーカスが当たったとき、枠線や背景色が変わり、視覚的に確認しやすくなります。
フォーカス表示における注意点
フォーカス表示にはいくつかの注意点もあります。適切に対応しない場合、フォーカスの見えやすさや操作性が低下し、アクセシビリティの基準を満たさないことになります。
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色覚に配慮する フォーカスの色を指定する際には、色覚障害がある方でも見やすい色を選びましょう。例えば、赤と緑の組み合わせは避ける、明度差の大きい色にするなどが有効です。
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コンテンツの表示が崩れないように フォーカス時に枠線や背景色を変えると、コンテンツのレイアウトがずれる場合があります。レイアウトが崩れないように工夫しましょう。
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フォーカスが消えないように フォーカスが突然消えたり、どこにあるかわからなくならないように、すべてのインタラクティブ要素に対して適切に設定することが必要です。
まとめ
ウェブアクセシビリティにおいて「JIS X 8341-3」が求める「フォーカス時」の基準に対応することで、キーボード操作や支援技術を使用するすべてのユーザーが、より使いやすく操作しやすいウェブコンテンツを利用できるようになります。
フォーカス時の表示はシンプルな設定で改善可能であり、アクセシビリティ向上においても非常に効果的です。ユーザーに配慮したフォーカス表示を導入し、すべての人にとって使いやすいウェブサイトを目指しましょう。
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