韓国では、すべての国民が公平にインターネットを利用できるよう、ウェブアクセシビリティ基準が整備されています。韓国は日本と同様、ウェブアクセシビリティに関するガイドラインや法的義務を設け、視覚障害者や高齢者を含むすべての人々がウェブサイトを利用できる環境の整備を目指しています。本記事では、韓国のウェブアクセシビリティ基準とその特徴について解説します。
韓国のウェブアクセシビリティ基準「KWCAG」
韓国では、**KWCAG(Korean Web Content Accessibility Guidelines)という基準が策定されています。この基準は、世界的なウェブアクセシビリティ基準であるWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)**に準拠しつつ、韓国国内のユーザーにも配慮した仕様を取り入れています。KWCAGは韓国情報通信振興協会(KISA)によって制定され、主に公共機関や民間企業に適用されるガイドラインとなっています。
KWCAGの主な原則
KWCAGは、以下の4つの原則に基づいて策定されています。
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知覚可能性
すべてのコンテンツがユーザーに認識されることを保証します。例えば、画像に代替テキストを設定し、視覚障害者にも情報が伝わるようにします。 -
操作可能性
ユーザーがすべての操作を行いやすいことを保証します。例えば、キーボード操作に対応することで、マウスを使わないユーザーでもウェブサイトを利用できるようにします。 -
理解可能性
コンテンツがすべてのユーザーに理解できるようにすることを目指します。専門用語を避け、読みやすい言葉で表現することや、文字のサイズや行間隔を調整して視認性を向上させることが含まれます。 -
堅牢性
支援技術と互換性があることを保証します。スクリーンリーダーなどの支援技術と互換性があるように、適切なマークアップを使用することが推奨されています。
法的義務と適用範囲
韓国では、公共機関や特定の民間企業に対し、ウェブアクセシビリティ基準に従うことが義務付けられています。具体的には、以下のような法律や規制が存在します。
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障害者差別禁止及び権利救済に関する法律(DPA)
障害者が差別されずに情報にアクセスできる権利を保障するための法律であり、公共機関に対してウェブアクセシビリティ基準の遵守を義務付けています。 -
情報通信基盤法
この法律は、ウェブアクセシビリティ基準を満たさないウェブサイトに対し、改善命令を出すことが可能であり、違反が続く場合は罰則も設けられています。これにより、企業や団体がアクセシビリティ対応に積極的に取り組むことを促しています。
KWCAGの適用レベル
KWCAGは、主に3段階の適用レベルに分かれています。
- Aレベル:最も基本的なアクセシビリティ対応がなされている状態です。最低限の要件を満たすため、コンテンツの知覚性や操作性を確保します。
- AAレベル:より高度なアクセシビリティ対応が施されている状態です。公共機関や一般企業は、このレベルの対応が推奨されています。
- AAAレベル:最も高いアクセシビリティ基準です。障害のあるすべてのユーザーが、完全に等しくアクセスできるような対応がなされています。厳しい基準であり、必須ではないものの、積極的に目指すべきレベルとされています。
KWCAGに基づく具体的な対策例
KWCAGの基準に準拠するためには、以下のような具体的な対策が必要です。
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画像に代替テキスト(alt属性)を追加する
画像に対して意味のある説明を追加することで、視覚障害者にも内容が伝わりやすくなります。 -
色のコントラストを調整する
色覚障害のあるユーザーも見やすいよう、背景色と文字色のコントラストを確保します。特にAAレベルでは、一定のコントラスト比を満たすことが求められます。 -
キーボード操作に対応する
すべての操作がキーボードのみで可能であるように設定し、マウス操作が難しいユーザーにも配慮します。 -
ページ構造を論理的に整理する
H1からH6までの見出しタグを適切に使用し、ページの構造を明確にすることで、スクリーンリーダーを使用しているユーザーが理解しやすくします。
日本との違い
韓国と日本のウェブアクセシビリティ基準には類似点が多いものの、いくつかの違いも見られます。韓国のKWCAGは、法律によって遵守が義務付けられている点が特徴的で、特に公共機関に対する厳しい監督が行われています。日本でも「JIS X 8341-3」などの基準がありますが、遵守が義務ではなく、民間企業の自主的な取り組みが中心となっています。
まとめ
韓国のウェブアクセシビリティ基準「KWCAG」は、すべてのユーザーが公平にウェブを利用できるよう、包括的なガイドラインを提供しています。特に公共機関や特定の企業に対しては、法的な義務を課すことで、ウェブアクセシビリティの改善を促進しています。日本でも、韓国のような取り組みを参考に、ウェブアクセシビリティをさらに普及させることが期待されています。
アクセシビリティは単なる技術的な対応だけでなく、すべてのユーザーに配慮した社会的な責任でもあります。ウェブサイト制作や運営に携わる人々にとって、アクセシビリティの確保はますます重要な課題となるでしょう。
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