ウェブアクセシビリティにおける「珍しい単語」の基準は、ユーザーが分かりにくい単語や専門用語を理解しやすくするために設けられています。特に、医療や法律、技術系のウェブサイトでは専門用語が多くなるため、この基準に従うことで幅広いユーザーにとって分かりやすいコンテンツが提供できます。
本記事では、アクセシビリティ基準「珍しい単語」の意義と、ユーザーにとって分かりやすい情報提供の具体的な方法について解説します。
「珍しい単語」の基準とは?
「珍しい単語」の基準は、WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)で定義されており、次のような場合に該当します:
- 専門用語や難しい言葉が使用されている場合
- 略語や略称が使われている場合
- 特定の業界や分野でのみ通じる業界用語
これらの単語は、多くのユーザーにとって理解が難しいことがあるため、適切なサポートが必要です。
珍しい単語を分かりやすくするための実装方法
1. ルビ(ふりがな)を使う
難しい漢字や外来語には、ふりがなを表示することで、読み方が分かりやすくなります。特に高齢者や日本語学習者にとって有効です。
例:
<p>この症状は<ruby>高血圧<rt>こうけつあつ</rt></ruby>に関連しています。</p>
- ポップアップでの説明表示 専門用語や難しい言葉に対して、ポップアップで意味を表示させることも有効です。これにより、ユーザーが必要なときに情報を確認しやすくなります。
例:
<p>この薬は、<span class="tooltip" aria-label="炎症を抑える薬のこと">NSAID</span>の一種です。</p>
3. 用語集へのリンクを設置する
ウェブサイト内で特定の用語が頻出する場合、その用語に対する説明ページや用語集へのリンクを提供することで、ユーザーが詳細を理解しやすくなります。
**例:**
```html
<p>このプログラムはオープンソースで提供されています。詳しくは<a href="/glossary#opensource" aria-label="オープンソースの定義について説明するページに移動します">オープンソースとは?</a>をご覧ください。</p>
4. 略語には「abbr」タグを使用する
略語や頭字語には<abbr>
タグを使用し、完全な意味を示すことで、スクリーンリーダーが正しく読み上げられるようにします。
例:
<p>当社の主力商品は<abbr title="コンテンツ管理システム">CMS</abbr>です。</p>
珍しい単語のガイドラインにおける注意点
-
ユーザーの理解度に配慮する 読み手にとって馴染みがない言葉や略語が多用されている場合、事前に簡単な説明や注釈を付けることで、内容の理解をサポートします。
-
ARIA属性の活用 視覚的に見えない説明が必要な場合には、
aria-label
やaria-describedby
などのARIA属性を使用して、支援技術にも情報が伝わるようにします。 -
インラインの説明を簡潔にする ページ内の説明は簡潔にし、長すぎる解説が必要な場合にはリンクを活用することで、読みやすさを保ちましょう。
まとめ
「珍しい単語」の基準に従うことで、専門用語や略語を含むコンテンツが、より多くのユーザーにとって理解しやすくなります。ふりがな、ポップアップ、用語集リンクなどの工夫を取り入れることで、アクセシビリティを向上させ、ユーザーの快適なウェブ体験をサポートしましょう。
正しいサポートを行うことで、知識や専門用語に依存しない、誰にとってもわかりやすいコンテンツを提供することが可能になります。
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