WCAG 2.2 ガイドライン「1.4.5 画像テキスト」Level AA について
はじめに
WCAG 2.2の「1.4.5 画像テキスト」では、テキストを画像として表示する代わりに、可能な限り実際のテキストを使用することを求めています。これにより、支援技術を利用するユーザーや、テキストの拡大、カスタマイズを必要とするユーザーがコンテンツを利用しやすくなります。
この記事では、HTML、CSS、JavaScriptを学び始めた方でも理解しやすいように、このガイドラインを満たすための具体的な方法を解説します。
1. 画像テキストとは?
画像テキストとは、文字が画像として埋め込まれているものです。たとえば、ロゴやバナーに含まれる文字が該当します。
例
<img src="text-image.png" alt="ウェルカム">
このような画像内のテキストは、拡大、スタイル変更、検索、翻訳が困難であり、アクセシビリティが低下します。
2. 基準を満たす実装方法
a. テキストで情報を提供
画像テキストを使用する代わりに、HTMLとCSSでテキストをスタイリングします。
改善例
HTMLとCSSの例
<p class="styled-text">ウェルカム</p>
.styled-text {
font-family: 'Arial', sans-serif;
font-size: 2em;
font-weight: bold;
color: #333;
text-shadow: 1px 1px 2px #aaa;
}
メリット
- スクリーンリーダーがテキストを正しく読み上げます。
- ユーザーがフォントサイズや色を変更できます。
b. 例外的に画像テキストを使用する場合
画像テキストの使用が避けられない場合(例: ロゴ)、適切な代替テキストを提供します。
例外適用の例
<img src="logo.png" alt="会社名のロゴ">
注意
alt
属性で内容を明確に記述します。- 画像の意味や役割を伝えることが重要です。
c. CSSを使用してプレゼンテーションを制御
CSSを使用してテキストを装飾することで、画像テキストを使用せずにデザインを実現します。
実装例
HTML
<h1 class="fancy-heading">特別セール</h1>
CSS
.fancy-heading {
font-family: 'Georgia', serif;
font-size: 3em;
color: #e74c3c;
text-transform: uppercase;
background: linear-gradient(to right, #e74c3c, #f39c12);
-webkit-background-clip: text;
-webkit-text-fill-color: transparent;
}
ポイント
- CSSでデザインを自由にカスタマイズできるため、画像テキストを不要にします。
d. スキャンしたPDFのテキストを変換
スキャンされたPDFのテキストを活用する場合、OCR(光学文字認識)を使用して実際のテキストとして提供します。
例
- Adobe AcrobatのOCR機能を使ってスキャンPDFを編集可能なテキストに変換。
3. 失敗例とその対策
a. 画像テキストのみを使用
失敗例
<img src="banner.png" alt="">
alt
属性が不適切で、スクリーンリーダーがテキストを認識できません。
改善策
<img src="banner.png" alt="サマーセール開催中!">
b. スタイルが固定されたテキスト画像
失敗例
- フォントサイズや色をユーザーが変更できない画像。
改善策
- HTMLとCSSを使用して柔軟に対応可能なスタイルを実装。
4. 実装時の注意点
a. アクセシビリティの向上
- 実際のテキストを使用し、画像テキストを最小限に抑えます。
- 画像テキストを使う場合は、明確な代替テキストを提供します。
b. レスポンシブ対応
- CSSでスタイルを適用し、デバイスや画面サイズに応じてテキストのデザインを調整します。
5. アクセシビリティのメリット
a. ユーザーがテキストをカスタマイズ可能
フォントサイズ、色、背景をユーザーが変更できるため、読みやすさが向上します。
b. 検索エンジンに最適化
実際のテキストはSEOに有利であり、検索エンジンがコンテンツを正確にインデックス化できます。
まとめ
WCAG 2.2の「1.4.5 画像テキスト」は、実際のテキストを使用して情報を提供することを推奨しています。
実装のポイント
- HTMLとCSSでスタイルを調整し、画像テキストを回避する。
- 例外的に画像テキストを使用する場合は、代替テキストを必ず提供する。
- スキャンPDFなどの場合はOCRを使用してテキスト化する。
これらを実践することで、視覚障害や環境に制約のあるユーザーにも利用しやすいウェブコンテンツを提供できます。
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