WCAG 2.2 ガイドライン「3.1.3 非常用語」Level AAA について
はじめに
WCAG 2.2の「3.1.3 非常用語」は、特定の文脈で制限された意味や、慣用表現、専門用語が使用されている場合、それらの意味を特定する仕組みを提供することを求めています。この基準は、読者が正確に内容を理解できるようにし、特に慣用句や専門用語に馴染みのないユーザーへの配慮を目的としています。
1. 基準の概要
要件
- 特殊な意味や制限的な使い方をされている語句(例: 慣用句、業界用語)について、意味を理解できる仕組みを提供する必要があります。
- この仕組みは以下の方法で提供されることが望ましいです:
- 定義の提示
- グロッサリー(用語集)へのリンク
- ページ内の文脈に応じた説明
2. 実装方法
a. 語句にインラインで定義を追加
語句やフレーズの直後に説明を追加する方法です。
例: インライン定義
<p>このツールはユーザーが「シングルサインオン(<span title="一度のログインで複数のサービスにアクセスできる機能">Single Sign-On</span>)」を簡単に利用できるように設計されています。</p>
title
属性を使用することで、語句の簡単な説明を提供します。
b. dfn
要素を使用して語句を定義
HTMLのdfn
要素を使用して、定義されている語句を明示します。
例: dfn
による定義
<p>このシステムは、<dfn title="一度の認証で複数のサービスを利用できる機能">シングルサインオン</dfn>をサポートしています。</p>
c. グロッサリー(用語集)を作成
ページ内に用語集を設けるか、外部のグロッサリーにリンクを提供します。
例: 用語集のリンク
<p>詳細な説明については、<a href="#glossary">用語集</a>をご覧ください。</p>
例: 用語集のリスト
<dl>
<dt>シングルサインオン</dt>
<dd>一度のログインで複数のサービスにアクセスできる機能。</dd>
<dt>アクセシビリティ</dt>
<dd>すべての人が利用可能であることを保証する設計。</dd>
</dl>
d. 外部辞書やリソースへのリンクを提供
オンライン辞書や専門的なリソースへのリンクを追加します。
例: 外部リソースへのリンク
<p>「シングルサインオン」の詳細は、<a href="https://example.com/glossary/sso" target="_blank">こちら</a>をご覧ください。</p>
3. よくある失敗例とその改善策
a. 語句が説明されていない
失敗例
<p>このツールは、シングルサインオンをサポートしています。</p>
問題点
- 「シングルサインオン」の意味が説明されておらず、専門用語に不慣れなユーザーにとって分かりにくい。
改善策
<p>このツールは、シングルサインオン(<span title="一度のログインで複数のサービスにアクセスできる機能">Single Sign-On</span>)をサポートしています。</p>
b. 説明が文脈に合わない
失敗例
- 1つのページ内で異なる意味を持つ語句が同一の定義で説明されている。
改善策
- それぞれの文脈に合わせて定義を変える。
4. アクセシビリティのメリット
a. 誤解を防ぐ
- 特殊な用語や慣用句を説明することで、ユーザーが正確に内容を理解できます。
b. 学習の支援
- 特に専門用語に不慣れなユーザーにとって、コンテンツが親しみやすくなります。
c. 包括的な体験
- 用語が明確に定義されることで、すべてのユーザーに平等なアクセスを提供します。
5. テスト方法
a. 手動テスト
- コンテンツに含まれる慣用句や専門用語を確認。
- それらが適切に定義されているか、またはリンクで補足されているかチェック。
b. 自動テストツール
- AxeやWAVEなどのツールを使用して、適切な要素(例:
dfn
,title
属性)が利用されているか確認。
まとめ
WCAG 2.2の「3.1.3 非常用語」は、特殊な語句や専門用語の意味を明確にする仕組みを提供することで、すべてのユーザーがコンテンツを正確に理解できるようにすることを目的としています。
実装ポイント
- 特殊な語句にインライン定義を追加する。
- グロッサリーや外部辞書へのリンクを提供する。
dfn
要素や説明リストを活用して語句を明確にする。
これにより、専門用語や慣用句がわかりやすくなり、誰にとっても利用しやすいウェブコンテンツを提供できます。
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