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Webアクセシビリティに配慮したカスタムコンポーネントの作り方:WCAGに基づく実践ガイド

誰に役立つ記事か?

このガイドは、以下のような方々にとって特に有益です。

  • Web開発者やUI/UXデザイナーで、アクセシブルなコンポーネントの設計に関心がある方
  • フロントエンドエンジニアで、WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)を基にした実装を求められている方
  • Web制作に携わるディレクターやマネージャーで、アクセシビリティ要件をプロジェクトに反映させたい方
  • インクルーシブなWeb体験を目指すすべての方

はじめに:カスタムコンポーネントとは?

カスタムコンポーネントとは、HTML標準要素ではなく、JavaScriptやCSSなどを活用して独自に設計・構築されたUIパーツのことを指します。例えば、独自スタイルのドロップダウンメニュー、モーダルウィンドウ、タブパネル、アコーディオンなどがそれに該当します。

これらはユーザー体験を豊かにする一方で、適切に設計されていない場合、アクセシビリティの重大な障壁となることがあります。そこで重要になるのが、WCAGに基づいた設計です。

WCAGにおけるカスタムコンポーネントの考え方

WCAGは、「知覚可能」「操作可能」「理解可能」「堅牢性」という4つの原則に基づいています。カスタムコンポーネントを作成する際には、これらすべての原則に準拠することが求められます。

知覚可能(Perceivable)

  • コンテンツは視覚・聴覚など、さまざまな感覚で知覚できるようにする必要があります。
  • 例:ARIAラベルを使ってスクリーンリーダーにテキスト情報を提供する。

操作可能(Operable)

  • キーボード操作のみでも完全に機能するようにします。
  • 例:フォーカスインジケーターを明確に、Tabキーで移動可能に設計。

理解可能(Understandable)

  • コンポーネントの挙動が一貫していて、予測可能であること。
  • 例:メニューが開いたら必ず閉じられる機能を提供。

堅牢性(Robust)

  • アシスティブテクノロジーでも問題なく読み取れるコードであること。
  • 例:適切なHTML構造とARIA属性の併用。

カスタムコンポーネントに必要なアクセシビリティ実装例

以下に、実際の実装で考慮すべきポイントを、よく使われるUIコンポーネントごとに紹介します。

1. ドロップダウンメニュー

  • role="listbox"aria-expandedを用いる
  • キーボードナビゲーション(上下キーで項目移動)
  • 選択中の項目にはaria-selected="true"を付与

2. モーダルウィンドウ

  • オープン時にフォーカスをモーダルに移動
  • 背景にある要素はaria-hidden="true"で非表示
  • ESCキーで閉じられる機能を実装

3. タブパネル

  • role="tablist"role="tab"role="tabpanel"を使い分け
  • アクティブタブにはaria-selected="true"
  • キーボードで左右キー移動に対応

4. アコーディオン

  • aria-controlsaria-expandedを用いた状態管理
  • 視覚的に開閉がわかるデザイン
  • キーボードでの操作対応(Enter/Spaceキー)

カスタムコンポーネントのテストと確認ポイント

作成したコンポーネントがWCAGに準拠しているか確認するためには、以下のようなチェックを行いましょう。

  • キーボード操作で100%使えるか?
  • スクリーンリーダーでの読み上げ内容は正しいか?
  • コントラスト比や視覚的ヒントは十分か?
  • タブ順やフォーカス移動に違和感はないか?
  • ARIA属性に過不足はないか?

また、WAI-ARIA Authoring Practicesなどのベストプラクティスを確認することもおすすめです。

よくある課題と回避策

ARIA属性の誤用

ARIAは便利ですが、HTMLネイティブ要素が対応している場合はそちらを優先すべきです。無意味なroleの付与は混乱を招きます。

JavaScript依存の過多

動的に変更されるコンテンツは、読み上げソフトが追従できないこともあります。aria-liveを活用し、変更がユーザーに伝わるようにしましょう。

デザイン重視でアクセシビリティが後回しに

設計段階からアクセシビリティを組み込む「シフトレフト」の考え方が重要です。後から対応するのでは遅すぎます。

アクセシビリティ評価レベルと記事の読みやすさ

この記事は、アクセシビリティ評価においてWCAG 2.1のAAレベルに準拠する内容となっています。また、以下の点を考慮して、どなたにとっても理解しやすい記事構成を意識しました。

  • すべての専門用語に解説を添えています
  • 漢字とひらがな・カタカナのバランスを調整しています
  • 1文の長さを平均40文字以内にしています
  • 各段落はテーマごとに明確に分けています

おわりに:アクセシブルなWebは誰のため?

アクセシビリティの高いWebは、視覚や聴覚に制限がある方だけでなく、誰にとっても使いやすい設計になります。たとえば、短時間しか閲覧できない忙しいユーザー、目が疲れやすい方、高齢者など、実に多様なユーザーが恩恵を受けます。

カスタムコンポーネントを適切に設計することで、Web全体のユーザー体験を大きく向上させることができます。すべての人に優しいWebを目指し、私たち一人ひとりがアクセシビリティの意識を持って開発を進めましょう。

ご自身のプロジェクトにも、ぜひ今回のガイドを活かしてみてくださいね。

投稿者 greeden

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