【授業レポート】システム開発入門 第10週目 〜人のコードを読む力・伝える力〜
10週目の授業では、「コードレビュー」に挑戦しました。コードレビューとは、他の人が書いたプログラムを読んで、気づいたことを伝え合う作業。プロの現場では日常的に行われている、“チーム開発の基本” です。
■ 先生の導入:「コードレビューは“やさしいツッコミ”」
田中先生:「レビューの目的は、“ダメ出し”ではなく“より良くするための気づき”を伝えることです。」
- 誤字脱字やバグの発見
- もっとわかりやすくできる書き方
- 関数名・変数名に意味があるか
- 説明コメントが足りているか
など、技術だけでなく相手への配慮・伝え方の工夫も問われる内容です。
■ 実習①:コードを読む練習
まずは先生が用意した、簡単なPythonコードを読んで、以下の点を確認するワークを行いました。
チェックポイント:
- このコードは何をするものか?
- わかりにくいところはどこか?
- 改善できそうな箇所はあるか?
例:シンプルなおみくじコード
import random
def omikuji():
result = random.choice(["大吉", "中吉", "吉", "凶"])
print("結果は:" + result)
omikuji()
生徒A:「関数名はいいけど、結果の表示をもう少し説明的にした方がいいかも」
生徒B:「ランダムの中身をリストに分けてもいいかも」
田中先生:「“理由を伝えるレビュー”が大事。意見の背景に“なぜ”があると、相手にも伝わりやすくなりますよ。」
■ 実習②:ペアでお互いのコードをレビューし合おう
次に、生徒はペアになって先週作ったミニアプリのコードを交換し、お互いにレビューを行いました。
レビューの流れ:
- 相手のコードを読む
- よかった点、工夫されている点をコメント
- 気になった点や改善案をやさしく伝える
- 最後に「ありがとう」と返す
生徒C:「この関数名わかりやすかったです!」
生徒D:「繰り返しの部分、for
で書くともっとシンプルになるかも」
■ 生徒のふり返りコメント
- 「人のコードを見るのって、こんなに学びがあるとは思わなかった」
- 「書くときに“読まれる”ことを意識するようになった」
- 「いいところも伝えるって大事。ちょっと照れるけど嬉しい」
■ 先生のひとこと
「プログラムは“書く力”と“読む力”が両方大切です。そして何より、“伝える力”があると、開発はもっとスムーズになります。今日はその第一歩を踏み出しました。」
■ 来週の予告:簡単なテキストアプリを設計しよう!
来週からは、**“何を作るかを考える”**フェーズに入ります。まずは「自分で考えたアプリの設計図」を作り、仕様書をもとに開発に入っていく準備です。アイデアを形にするステージがいよいよ始まります!
技術だけじゃない、「伝える力」を育てた10週目。仲間と一緒に“より良くする”という姿勢が、プログラミングにおける大切なマインドを育んでいました。