【授業レポート】システム開発入門 第11週目 〜“作る前に考える”アプリ設計の第一歩〜
これまでに基本的なコードの書き方、関数や繰り返し、データの扱い方などを身につけてきた1年生たち。今週からは「作る前に考える」という、開発の本質に踏み込む授業が始まりました。
テーマはズバリ、「アプリ設計と仕様書づくり」です。
■ 先生の導入:「設計せずに作るのは、地図なしで旅に出るようなもの」
田中先生:「プログラムを書く前に、“どんなアプリを作るか”を決めて、どんな画面があって、何を入力して、何が起きるかを明確にしておく必要があります。」
先生はホワイトボードに「設計なしのコード」と「設計を元にしたコード」の例を並べ、その違いを視覚的に説明。多くの生徒がうなずいていました。
■ 実習①:アプリの目的・ターゲットを考える
まずは、自分が作りたいアプリについて以下の項目をワークシートに記入しました。
記入項目:
- アプリのタイトル
- どんな人に使ってほしいか(ターゲット)
- 何ができるアプリか(目的)
- 入力するもの(例:名前、選択肢、数値など)
- 出力されるもの(例:診断結果、点数、メッセージなど)
生徒A:「好きなアーティスト診断とか面白そう!」
生徒B:「中学生向けの“進路ナビ”みたいなの作ってみたい」
■ 実習②:処理の流れを書き出してみよう(フローチャート)
次は「どういう順番でプログラムが動くか」をフローチャートや箇条書きで書き出す時間です。
例:おみくじアプリの処理の流れ
- ユーザーの名前を入力
- 運勢をランダムに選ぶ
- メッセージとして表示する
田中先生:「実はこの“流れを考える”だけで、コードの半分はもう完成したようなものです。」
生徒C:「やってみると、意外と処理が多いことに気づく…!」
生徒D:「この順番でいいかな?って考えるのが楽しい」
■ 黙々タイム:自分だけのアプリ設計を完成させる
後半は黙々と設計書づくりに集中する時間。先生が各机を回りながら、アイデアの相談に乗ったり、入力と出力の対応関係を一緒に確認したりしていました。
- 質問形式の診断アプリ
- 数当てゲーム
- 食事アドバイスアプリ
- 推し当てチャートアプリ など、個性的なアイデアが続々!
■ 先生のひとこと
「設計は“考える力”を育てる時間です。プログラムは“考えた通りにしか動かない”。だからこそ、動かす前に“考える習慣”がとても大切です。」
■ 来週の予告:設計をもとにいよいよ開発スタート!
次回からは、今回書き上げたアプリの設計をもとに本格的な開発に着手していきます。プログラムは“書くこと”ではなく“作ること”。いよいよそれを実感する時間です!
プログラミングは、「コードを書く力」だけでは完成しません。「何をどう作りたいのか」を言葉にできる力も必要です。今日の授業は、その“設計する力”に光を当てる、大切な一日となりました。