2025年7月18日|原油急騰と地政学リスクが浮上した世界市場動向
本記事では2025年7月18日に報じられた世界の主要ニュースを要約し、情勢および経済への影響を踏まえた今後の予想を解説します。
1. イラク北部の産油停止で原油価格が上昇
ドローン攻撃を受けたイラク北部クルド自治地域で産油量が半減し、需給ひっ迫感からブレント原油は69.81ドル、WTIは67.81ドルまで上昇しました。
今後の予想
- OPECプラスが追加減産を協議し、市場をさらに引き締める可能性。
- 米国の在庫減少が続けば短期的な価格変動が大きくなる見込み。
2. 世界株高に対し日本市場だけが軟調
米欧など主要市場は企業業績の好調で上昇した一方、日本株は参院選を控えた政局不安から日経平均が0.3%下落、円も2カ月ぶりの安値圏に沈みました。
今後の予想
- 選挙結果次第で経済政策の不透明感が高まり、売買の乱高下が続く可能性。
- 政府と日銀による為替介入や追加金融緩和策が検討される場面が増えるでしょう。
3. 台湾副大統領「対立は望まない」と発言
台湾副大統領が中国との衝突を意図せず平和的解決を強調。防空・サイバー防衛への予算拡大を示唆しました。
今後の予想
- 防衛関連投資が増加し、関連企業の業績にプラス影響。
- 中国側の反発が続けば海運や半導体サプライチェーンにリスクが波及。
4. 韓国で豪雨被害拡大、5千人超が避難
ソウル近郊を含む地域で連日400ミリ以上の豪雨が続き、避難者は5千人を超え、鉄道や道路の寸断で物流網にも影響が出ています。
今後の予想
- 都市排水やインフラ耐水化への投資が急務となるでしょう。
- 保険・再保険市場では災害コストを織り込んだ商品開発が進む見込み。
5. TSMCが過去最高の四半期利益を記録
AIチップ需要拡大を受け、第2四半期の純利益は135億ドルで前年同期比60%増となりました。
今後の予想
- 次世代プロセスへの巨額投資を継続し、技術競争で優位を維持する見通し。
- サプライチェーン強靭化と米中関税動向への対応が注目テーマ。
6. 米上院が対外援助と公共放送予算を削減可決
対外援助と公共放送予算の大幅削減法案が可決され、外交影響力やメディア運営への影響が懸念されています。
今後の予想
- 発展途上国支援の削減で中国やEUの影響力が強まる恐れ。
- 国内では公共放送予算削減に対する反発と議論が激化する可能性。
7. 中国のレアアース戦略に西側が警戒強化
西側諸国は中国依存からの脱却を急ぎ、豪州やアフリカでの鉱山開発やリサイクル技術投資を加速しています。
今後の予想
- 素材安全保障が主要政策課題となり、関連市場で投資需要が増大。
- 技術覇権争いの一環としてサプライチェーン多元化がさらに進むでしょう。
総括と展望
- 地政学リスク:イラクや台湾を巡る緊張がエネルギーとハイテク市場に影響。
- 金融市場:企業業績と政治・選挙の動向が株価と為替の方向性を左右。
- 気候対応:極端気象対策がインフラ投資と保険市場の今後を決定。
- 企業戦略:半導体、素材、防衛関連での多元化と安全保障重視が長期テーマ。
各国政府と企業は政策判断と投資のタイミングを慎重に見極め、世界経済の安定と成長を支える行動が求められます。