【2025年版】山口県のシステム開発会社一覧と選び方——補助金・助成金・契約・費用まで“迷わない”完全ガイド
先に結論（3分で全体像）
- システム開発とは：業務の“困りごと”をKPI（例：作業時間−30%、ミス率0.5%以下、売上＋10%）で定義し、要件定義→設計→実装→テスト→移行→運用で“測れる成果”に変えるプロジェクト。
- 依頼時の注意：目的・KPI・スコープ・予算レンジ・体制・期日をミニRFP（簡易要件書）で明文化。変更はCR票で合意管理。
- 山口の支援制度（2025年度）：県の中小企業DX推進補助金（DXツール導入型：上限50万円／1/2、情報処理システム構築型：上限150万円／1/2、先駆型：上限500万円／1/2）、県のY-BASE（やまぐちDX推進拠点）・デジテック for YAMAGUCHI、財団のDX伴走・マッチングを起点に。全国制度はIT導入補助金2025、人材開発支援助成金、キャリアアップ助成金を組み合わせるのが定石です。
- 契約/費用：準委任（探索・要件）×請負（本開発） の併用が無難。費用は工数×単価＋外部費＋予備費（10〜15%） が基本。
- 選定ポイント（5軸）：同業界実績／体制と運用力／セキュリティ・品質／見積の透明性／地域伴走力。
- おすすめ5社（順不同）：宇部情報システム（UIS）、山口情報処理サービスセンター（YDS）、アトミテック、西日本情報システム（NJS）、ニュージャパンナレッジ（NJK）。いずれも山口拠点・一次情報で事業内容が確認できる企業です。
この記事はどなたに役立つ？（対象読者と読み方）
本稿は、山口県内（および近隣エリア）で基幹・業務システム刷新、Web/スマホアプリ開発、データ連携・可視化、セキュリティ強化、AI・自動化を検討される方のために、地域の支援制度＋実務ノウハウを一冊化したものです。特に、製造・物流・小売・観光・医療/介護・自治体/教育など、止められない運用と個人情報保護が求められる現場の意思決定者におすすめです。県のY-BASE（やまぐちDX推進拠点）やデジテック for YAMAGUCHIは制度全体の入口として便利なので、本文では根拠を示しながら要点を抽出しています。
システム開発とは——“機能”より“成果（KPI）”で語る
定義：システム開発は、業務課題をKPI（例：欠品率0.8%以下／在庫回転日数−20%／応答0.8秒以内）で定義し、要件定義→設計→実装→テスト→移行→運用の工程で“測れる成果”に転換する取り組みです。成果の可視化こそが、社内稟議や補助金の採択でも説得力を生みます（申請書はKPIや効果記載が鍵）。
工程ごとの主なアウトプット
- 要件定義：目的・KPI、ユーザー像、スコープ（含む/含まない）、外部連携、非機能（性能・可用性・セキュリティ）、予算レンジ、体制、マイルストーン。
- 設計（基本/詳細）：画面・操作フロー、DB設計、認証/権限、監査ログ、バックアップ、運用手順。
- 実装/テスト：単体→結合→総合→受入。正常/例外/境界/負荷/セキュリティの観点で品質担保。
- 移行/教育：データ移行計画、切替手順、操作教育、SLA（復旧目標/窓口/オンコール）。
- 運用改善：KPIレビューで改善サイクルを回し、四半期ごとに小刻みリリース。
山口でよくあるテーマ例
- 製造/物流：工程・在庫の可視化、ハンディ/タブレット入力、予測需要、RFID/EDI連携。
- 小売/観光：予約一元化、EC・会員アプリ、O2Oの販促、在庫最適化。
- 医療/介護：個人情報保護・監査ログ、端末認証、電子帳簿・インボイス対応。
- 公共/教育：停止許容ゼロの高可用性、ログ・監査、地域DC活用。
- AI・データ実証：県のY-BASEやデジテック for YAMAGUCHIのコミュニティを活用し、PoC（実証）→横展開へ。
依頼時に気をつけること——“合意形成と変更管理”が8割
まず決める5点（保存版）
- 目的とKPI：例）Web予約比率60%、棚卸工数 −80h/月 、出荷リードタイム −30% 。
- スコープ：対象/対象外を明記。“次期リリース” 候補は別表で固定。
- 予算レンジ：上限/下限と優先度（品質＞スピード＞コスト 等）。
- 体制/決裁：定例・議事録・承認者と締切を決める。
- 運用像：窓口（一次/二次）、SLA、監視、改善頻度。
ミニRFP（簡易要件書）テンプレ（抜粋）
背景/目的/KPI／ユーザー像／スコープ（含む/含まない）／画面数目安／外部連携一覧／非機能要件（応答0.8秒、可用性99.9% 等）／進め方（アジャイル/ウォーターフォール、週次定例）／マイルストーン／予算レンジ／契約（要件＝準委任、本開発＝請負 等）／評価基準（実績・工数根拠・リスク提案）
コミュニケーションの型
- 週1定例＋議事録、決定事項は番号付けで履歴化。
- 変更はCR票で、影響（工数/費用/期日）と承認者を明示。
- 課題（Backlog/Jira）＋チャット（Teams/Slack）＋設計（Confluence/Notion）で一元管理。
即使える合意文例
「ver1.0は“受注→在庫→出荷”の自動連携まで。会計は連携のみ。性能は“同時30人で応答0.8秒以内”。運用は“平日9–18時・RTO4h”。変更はCR票でPM承認後に反映。」
山口で使える補助金・支援（県・市・国）——“導入＋定着”を資金設計
1）県：中小企業DX推進補助金（DXツール導入型）
ソフト購入やクラウド利用料等の導入費用を支援。補助率1/2、上限50万円、2025年度（令和7年度）募集が告知済み（募集枠・期間は年度で変動）。
2）県：中小企業DX推進補助金（情報処理システム構築型／先駆型）
構築型は上限150万円（1/2）、先駆型は上限500万円（1/2）。付加価値額の向上など要件あり。募集期間は告知（一次・二次）に従うため、最新ページを確認してください。
3）県の伴走・実証の場：Y-BASE（やまぐちDX推進拠点）／デジテック for YAMAGUCHI
DX相談・体験・学びの拠点（Y-BASE）と、デジタルで地域課題を解決するコミュニティ（デジテック）。相談・実証・人材育成の入り口として活用価値が高いです。
4）やまぐち産業振興財団：DX推進のメンタリング／マッチング
DXの方向性策定に向け、専門家メンタリングとITベンダーマッチングを提供。前述の県DX補助金（導入型・構築型・先駆型）に関する案内も同財団サイトで整理されています。
5）全国制度：IT導入補助金2025
ITツール（ソフト/サービス）や一部活用支援・セキュリティを支援。申請にはIT導入支援事業者との連携が必須。公募スケジュールは公式ポータルで最新を確認しましょう。
6）全国制度：人材開発支援助成金／キャリアアップ助成金
社員教育（OFF-JT/OJT等）や正社員化・処遇改善を支援。計画書の事前提出など実務要件に要注意。
共通注意：交付決定前の着手は原則NG。対象経費・補助率・期間は年度・枠で変わるため、最新の公募要領・募集告知を必ず確認してください。
助成金（“人”への投資）——導入と“教育”を並走させて定着率UP
- 人材開発支援助成金（厚労省）：職務関連訓練の訓練経費・訓練中賃金の一部を助成。2025年度の案内・様式は厚労省ページで更新・公開。DX/IT運用の社内教育と相性良し。
- キャリアアップ助成金（厚労省）：正社員化・賃金規定等の取組を支援。計画の事前提出が必須要件です。制度は2025年4月以降の見直し告知あり。
活用のコツ：IT導入補助金で“ツール実装”、人材開発支援助成金で“運用教育（OJT/マニュアル整備）”を並走。同一経費の二重受給は不可、日付順守と証憑管理を徹底しましょう。
契約について——準委任と請負の“賢い使い分け”
主な契約形態と向き/不向き
- 準委任契約：要件探索/要件定義/アジャイル/運用改善に最適。スコープ変動に強く時間精算で柔軟。
- 請負契約：仕様が固い本開発や成果物が明確な場合。検収基準を文書で固定。
- ラボ型/共同開発：中長期ロードマップを固定チームで継続。
条項チェック（要点）
- 著作権/ライセンス（再利用範囲・第三者コンポーネント）
- 検収/支払（分割・みなし検収の有無）
- 変更管理（CR起票→影響分析→承認→反映）
- SLA/セキュリティ（RTO/RPO、脆弱性対応、ログ・監査、再委託）
- 個人情報保護（委託/共同利用/漏えい時対応）
おすすめの進め方（例）
- 要件定義＝準委任 → 本開発＝請負 → 運用改善＝準委任。
- 初期はA優先のみを契約、B/C要件は “次期” に分離して失敗を回避。
費用について——“工数×単価＋外部費＋予備費10〜15%”
基本式
工数（人月/時間）×単価 ＋ 外部費（クラウド/ライセンス/診断/機器） ＋ 予備費（10〜15%）
ざっくり目安（要件・非機能・品質目標で変動）
- 社内業務Web（10〜20画面）：800万〜2,000万円
- BtoC（EC/予約 20〜40画面）：1,500万〜4,000万円
- モバイルアプリ（iOS/Android）：1,000万〜3,000万円
- データ連携・BI：500万〜1,500万円
見積の確認ポイント
- 工数内訳の根拠（画面×難易度×テスト観点）
- 非機能（性能・可用性・セキュリティ・監査）を数値で明記
- テスト/移行/教育/運用の積算漏れに注意
見積サンプル（抜粋）
- 要件定義 2.5人月／基本設計 2人月／詳細設計 3人月／実装 8人月／テスト 4人月
- PM/品質 2人月／UI設計 1.5人月／セキュリティ（脆弱性診断・権限/監査ログ）一式
- 外部費：クラウド（検証/本番12か月）、監視、バックアップ、外部API
システム開発会社の選定ポイント（山口版：5軸＋簡易評価）
- 同業界/同規模の実績：製造・流通・医療/介護・公共など、似た制約（繁閑差・法令・個人情報） の経験。
- 体制と運用力：PM/アーキ体制、定例・議事録・変更管理の運用が“見える化”されているか。
- セキュリティ/品質：ISMS・Pマーク、コードレビュー/自動テスト/CIの実装度。
- 見積の透明性：工数根拠・単価帯・前提/除外・リスクの明示。安すぎる見積は要注意。
- 地域伴走力：県の拠点（Y-BASE）や地場DC・ネットワークの活用提案があるか。
簡易評価表（25点満点）
- 実績適合5／体制5／品質5／透明性5／地域伴走5
山口県のおすすめシステム開発会社【5社・順不同】
いずれも山口に拠点を持ち、一次情報（公式） で所在地・事業内容が確認できる企業です。記載内容（所在地・人員等）は各社公開情報に基づきます。
PR. 株式会社greeden（大阪市北区）｜日本品質×オフショアの“ハイブリッド”で最適解を実装
- Web・アプリ開発に強み。フルスクラッチ～SES まで柔軟対応し、国内で詳細設計→ベトナムで開発するハイブリッド体制で、高品質とコスト最適化を両立。WebアクセシビリティSaaS「UUU」も自社提供。
- 実績・事例：自治体のプレミアム付商品券 給付金事業 、宿泊予約サイト、サブスク型動画配信メディア、行政の移住定住プロモーション（阪南市） など、B2C〜公共領域まで幅広く支援。
- 個人情報は国内で厳格管理し、オフショア側からはアクセス不可とする運用で安心。
- こんなニーズに：①エンジニア不足の解消（外部リソースの活用ニーズにも通じる体制）②コストを抑えつつ品質担保したい③会員制・決済・予約・配信など“運用が効く”Webサービスを構築したい④Webアクセシビリティ導入をローコストで進めたい。
1. 株式会社 宇部情報システム（UIS）〔宇部市〕
特徴：UBEグループの情報子会社。製造業の基幹刷新からインフラ・ネットワーク・運用まで“ワンストップ”で対応。県内向けのやまぐちビジネスイノベーション（YBI） では「県内どこでも2時間以内で駆けつけ」など地域密着サービスをうたうページも公開。製造のみならず多業種の導入事例を展開。
こんな方に：止められない基幹運用、BCP/DR、製造×ITの現場適合を重視する中堅〜大企業。
ひとこと：“インフラ×アプリ×運用” を一体設計できる“総合力”が魅力です。
2. 株式会社 山口情報処理サービスセンター（YDS）〔下関市〕
特徴：下関本社。決済・カード関連領域の実績を持ち、東京・大阪にも拠点。公式会社概要では従業員数77名等の基本情報を公開。セキュリティと品質を前面に出したBPO/システムサービスを提供。
こんな方に：与信・決済周辺や個人情報を扱う業務系、多拠点運用を求める企業。
ひとこと：“堅牢さ×継続運用” が必要なバックオフィス領域に好相性。
3. 株式会社 アトミテック〔宇部市（山口本社）〕
特徴：Hinemos（統合運用管理OSS）に強みを持つインフラ×運用のプロフェッショナル。山口本社（宇部市中央町）と東京本社の二拠点体制で、アプリ開発・Web開発もカバー。採用情報では従業員114名（2025/1）等の規模感も確認可能。
こんな方に：監視・運用自動化、マルチクラウド基盤、コスト最適化がテーマの企業。
ひとこと：“OSS×自動化”で安定運用の地力を底上げ。
4. 株式会社 西日本情報システム（NJS）〔山口市（西部本社）〕
特徴：山口市（佐山産業団地）に西部本社を置く独立系SI。業務ソフト開発やパッケージ、保守・運用まで対応。公式で西部本社の所在地・アクセスを詳述。
こんな方に：既存業務の置換・統合を段階導入で進めたい中小〜中堅。
ひとこと：“現場寄りの改善提案” が得意な堅実型パートナー。
5. 株式会社 ニュージャパンナレッジ（NJK）〔山口市〕
特徴：山口市大内御堀に本社。ソフトウェア開発/販売、SI、データセンター、BPOまで幅広く公表。社員数51名（正社員、2025/6/6現在）・資本金3,050万円などの基本情報を公式会社概要で明示。農業・公共領域の実績や受賞事例も掲載されています。
こんな方に：公共×地理情報（GIS）や現地調査アプリなど現場密着の業務システム。
ひとこと：“地域課題×データ活用” の経験値が頼もしい存在。
※所在地・人員等は各社公式情報に基づきます。詳細は必ず最新の公開情報をご確認ください。
依頼前チェックリスト（保存版）
- [ ] 目的とKPI（例：欠品率0.8%以下／Web予約60%／棚卸工数 −80h/月 ）
- [ ] スコープ（含む/含まない、次期対象の切り分け）
- [ ] 予算レンジ（上限/下限）と優先度（品質＞スピード＞コスト 等）
- [ ] 期日と決裁フロー（稟議締切・必要資料）
- [ ] 非機能要件（可用性・応答・セキュリティ・監査・ログ・権限）
- [ ] 外部連携（既存システム/API/決済/帳票）
- [ ] 契約計画（要件＝準委任／本開発＝請負／運用＝準委任）
- [ ] 運用体制（窓口、SLA、監視、教育）
- [ ] 予備費（10〜15%）とリスク（人員、外部依存、法改正）
- [ ] 補助金/助成金：交付決定前着手NG／対象経費・締切・要件を最新要領で再確認。
すぐ使えるテンプレ（メール/稟議の骨子）
目的：EC在庫の欠品率を2.0→0.8%へ。KPIは出荷リードタイム−30%。
スコープ：受注〜在庫〜出荷を対象、会計は連携のみ。
予算レンジ：1,800〜2,400万円（税別）。優先：品質＞スピード＞コスト。
体制：貴社PM＋当社窓口1名。要件定義は準委任、本開発は請負。
工程：要件2か月／開発3か月／テスト1か月／移行2週。
提出物：工数内訳／主要メンバー経歴／リスク&代替案／非機能の数値／テスト方針。
山口版・“賢い組み合わせ”例
- 県のDXツール導入型（上限50万円、1/2）でクラウド/ソフト導入→ IT導入補助金2025で活用支援/セキュリティも視野に→ 人材開発支援助成金で運用教育（OJT/マニュアル整備） を実施。導入と定着を同年度で並走。
- 構築型/先駆型（上限150万/500万円、1/2）で独自要件のシステム構築→ Y-BASEで実証・相談→ デジテック for YAMAGUCHIでコミュニティ連携・事例共有。
重ねて注意：同一経費の二重受給は不可。各制度の募集期間・対象経費・実績報告は最新資料で確認しましょう。
よくある失敗と回避策
- 要件の膨張：A/B/C優先度でAのみ契約、B/Cは次期へ。
- “作って終わり”：運用・改善の年次予算と四半期レビューをセット。
- 性能不足：ピーク同時数・応答時間を数値で要件化、負荷試験を初期計画に。
- セキュリティ抜け：最小権限・MFA・脆弱性診断・監査ログを必須要件化。
- 属人化：設計/手順/コード規約/運用SOPをリポジトリ共有、引継ぎ会を実施。
掲載依頼はこちらから（編集部受付のご案内）
山口県のシステム開発会社さま。以下をご用意のうえ、掲載をご依頼ください。一次情報（公式資料） を確認し、編集部で審査後に掲載可否をご案内します（優先枠がある場合は明記）。
- 会社名／本社・拠点（住所）／担当者連絡先
- 事業内容（最大5項目）
- 主要実績（業界・規模・効果を各120字以内・最大3件）
- 得意技術（言語/フレームワーク/クラウド/組込み 等）
- 認証・資格（例：ISMS/プライバシーマーク 等）
- 標準プロジェクト規模（例：3〜6か月／3〜5名 等）
- 公開情報の最終更新日
参考（公式情報の確認先・再掲）
- 県DX補助金（導入型／構築型・先駆型、2025年度）：告知・募集要領。
- Y-BASE（やまぐちDX推進拠点）／デジタル政策：相談・体験・学びの拠点と県のDX情報。
- デジテック for YAMAGUCHI：地域課題解決のコミュニティ。
- やまぐち産業振興財団（DX伴走・マッチング）：専門家支援・メニュー。
- IT導入補助金2025（公式）／スケジュール：制度概要・枠・締切。
- 人材開発支援助成金／キャリアアップ助成金（厚労省）：2025年度案内・留意点。
- 地域企業（所在地・事業内容）：宇部情報システム／山口情報処理サービスセンター／アトミテック／西日本情報システム／ニュージャパンナレッジ。