もう迷わない「PDF/オフィス文書/EPUB」のアクセシビリティ完全ガイド:タグ付け・読み上げ順・代替テキスト・書き出しまで
概要サマリー(先に要点)
- PDF・Word・PowerPoint・EPUBを「読む人」と「支援技術」が同じ理解に到達できるよう、構造化(タグ付け)・読み上げ順・テキスト代替を整えることが第一歩です。
- 画像・図表・数式・脚注・注釈は、目的に応じて沈黙させる/説明するの判断が重要。
- 目次・見出し・ランドマーク(EPUB)を正しく付ければ、スクリーンリーダー利用者は一瞬で目的地へ移動できます。
- PDFはタグ付きPDF、Word/PowerPointはスタイルとアウトライン、EPUBはセマンティックHTMLとnav要素が要です。
- 書き出しワークフロー(原稿→テンプレ→検証→書き出し→再検証)とチェックリストをチームで共有し、再現性を高めましょう。
対象読者(具体):広報・人事・総務で資料を配布するご担当者、教育機関の教材作成者、研究・学会事務局、自治体・公共機関のWeb担当者、出版社・編集者・デザイナー、プロダクトのドキュメント担当(PM/テクニカルライター/CS)
アクセシビリティレベル:WCAG 2.1 AA準拠を基本に、可能な箇所はAAA(コントラスト強化・読みやすさ向上)を志向
1. なぜ“文書アクセシビリティ”が必要なの?:Webだけ整えても届かない人がいるから
Webページのアクセシビリティに注力していても、PDF・Word・PowerPoint・EPUBなどの配布物が読みづらければ、申請書・講義資料・仕様書・リリースノートは結局誰かを遠ざける壁になってしまいますの。
とくに公共調達・教育・医療・研究・法務・金融の分野では、文書の正確な理解が意思決定に直結します。支援技術(スクリーンリーダー、点字ディスプレイ、拡大鏡など)が文書構造を正しく取得できれば、読み手は「目的の章」「必要な表」「該当する注釈」に迷いなく到達できます。逆に構造が無ければ、すべてを最初から線形に読む苦行が発生してしまい、情報格差を広げます。
このガイドでは、ソフト依存を最小限にして、どのツールでも通用する“原理”と“ワークフロー”を丁寧にご案内します。テンプレートやチェックリストまで整えて、明日からの制作にそのまま使えるように仕立てていますね。
2. 大原則:意味を先に、見た目はあとから——「セマンティクス優先」の設計
- 見出しは見出しの要素で:大きい太字の段落ではなく、**見出しスタイル(Word)/見出しプレースホルダー(PowerPoint)/
<h1>〜<h6>
(EPUB/HTML)**を使用します。 - 段落は段落、リストはリスト:インデントで見た目を揃えるのではなく、**番号付きリスト/箇条書き(Word/PPTのリスト機能・HTMLの
<ol>
/<ul>
)**を使います。 - 表は本当の表で:タブやスペースでレイアウトせず、表ツール(Word/PPT)/
<table>
(HTML)を用います。見出し行・列は見出しとして宣言します。 - 強調は意味で:フォント色やサイズだけで強調せず、太字/強調スタイルを使用。色の変更は意味の補助に留め、色だけで差を付けないのが理想です。
- 読み上げ順は論理順:見た目の配置やカラムが複雑でも、**読み上げ順(順序パネル/アウトライン/DOM順)**を正しく設定します。
これらを守るだけで、書き出し先がPDFでもEPUBでも、支援技術に露出される情報が増え、誤読が激減しますの。
3. 画像・図・アイコン・数式:説明するもの/黙らせるものを仕分ける
3.1 代替テキスト(alt)の設計
- 情報価値:高(図解・結果グラフ・手順図)→ 簡潔な要約を。例:「オンライン申請の5ステップを示すフローチャート。本人確認→入力→確認→決済→完了」。
- 機能アイコン(ボタン)→ ボタン自体のラベルで説明(画像側を沈黙)。
- 装飾画像→ 空の代替テキスト(PDFタグでアーティファクト化、Word/PPTは「装飾としてマーク」)で読み上げを黙らせる。
3.2 図のキャプションと本文の“二重化”
図の要点は本文側にも明記し、図の下にキャプションを付けます。「図のみで重要な結論が消えてしまう」事態を避けましょう。
3.3 数式・化学式
- EPUB/HTML:MathML(理想)やLaTeX → MathJax等でレンダリングし、読み上げ可能な構造を保ちます。
- PDF:可能ならアクセシブルな数式エクスポート(MathML埋め込み対応ツール)を活用。それが難しい場合は、少なくともテキスト版の表現や解説文を併記します。
4. 表(テーブル):関係性が命——見出しセル・スコープ・要約
- 見出し行(列)を宣言:表の先頭行は列見出し、先頭列は行見出しとして指定します。
- 複雑表は分割:見出しの結合・多段は別の表に分けるか、説明文で補う。
scope
の考え方(EPUB/HTML):列見出しにscope="col"
、行見出しにscope="row"
。複雑ならheaders
属性でID参照を。- テーブルタイトル/キャプション:表の目的と含意を短く明示し、本文でも**要点(最大・最小・傾向)**を書きます。
- 単位を明記:セル内、もしくは列見出しに**[件] [円] [%]**など単位を入れます。
5. 見出し・目次・しおり:素早い移動の“地図”を作る
- 見出しレベルの厳守:
H1
は文書の題名に1つだけ。章はH2
、節はH3
…と降順で。見た目のサイズ変更はスタイルで行い、階層は論理で。 - 自動目次:見出しスタイルから自動生成します(Word/EPUB)。PDFは「しおり(ブックマーク)」を見出しから作成し、順序・階層を確認します。
- ページ番号だけの目次は不親切:支援技術利用者はページ番号で移動しません。目次項目はリンクにして、該当箇所にジャンプできるようにします。
6. 読み上げ順・タブ順:視覚レイアウトと“音の順番”を一致させる
- PowerPoint:スライドごとに**読み上げ順(選択ウィンドウの並び)**を確認し、タイトル→本文→図→注記のように並べ替えます。
- PDF:タグツリーと読み上げ順パネルを揃え、不規則なフレーム・カラムがあっても論理順にします。
- EPUB/HTML:DOM順=読み上げ順。CSSの視覚順序変更(
order
やposition
)は慎重に。
目で追うと自然でも、音声で聞くと**「タイトルのあとに図注が先、本文が後」**のような混乱が起きがち。順番の点検が仕上げの品質を分けますの。
7. コントラスト・フォント・行間:読みやすさの基本設計
- テキストコントラスト:通常文字は4.5:1以上、大きな文字は3:1以上。背景に写真を置く場合は下地の板やシャドウで対策。
- フォント:本文は可読性の高い書体を。見出しだけ装飾的にする場合も、太さ・サイズ・行間を十分に。
- 行長・行間:1行は40〜80字程度を目安に、行間は1.5前後。段落間は十分な余白でブロックを分けます。
- 情報を色だけで伝えない:手順や注意は記号・テキスト・形を併用。「赤字で重要」はNG。
8. 注釈・脚注・参考文献:飛び先と戻り先を用意する
- 双方向リンク:本文→注釈、注釈→本文へ戻るリンクを付ける(PDFのしおりやリンク、EPUBのアンカー)。
- 短文で要旨:脚注に長文を入れる場合も、先頭に要旨を短く。
- 参考文献:引用箇所への内リンク、全体の文末一覧を提供。出典はテキストとして残し、画像にしない。
9. フォームを含むPDF(申請書・記入用シート):入力支援とエラーの伝え方
- フォームフィールドにラベル:視覚ラベルとプログラム上のラベル名を一致させます。
- タブ順:左上から右下ではなく、論理的な入力順(氏名→連絡先→住所→確認→送信)に。
- 必須/任意:テキストで明示(例「*必須」)。色だけに頼らず、注意書きを近接させます。
- エラーメッセージ:検証後に画面上部の要約と各フィールド付近の個別メッセージを併用。
- 署名欄:電子署名フィールドは説明テキストを併記し、紙への出力前提なら署名方法の選択肢を明確に。
10. EPUB固有のポイント:セマンティックHTMLとナビゲーション
- 文書の骨格:
<main>
・<section>
・<article>
・<nav>
を適切に。 - 見出しの連続性:章先頭は**
<h1>
または<h2>
で揃え、章内の節は等級を一定**に。 - 目次(nav):
<nav epub:type="toc">
で構造化された目次を提供。 - 画像の代替:
alt
だけでなく、必要に応じて本文で解説し、図表の理解を補強。 - メタデータ:タイトル、著者、言語、識別子を正確に。
<html lang="ja">
を忘れずに。
11. ワークフロー:原稿 → テンプレ → 構造化 → 検証 → 出力 → 再検証
- 原稿作成
- 章立て・見出しレベル・表と図の位置・脚注の設計を紙に描く。ストーリーボードのつもりで。
- テンプレート整備
- Word:見出し1〜3、本文、引用、図表キャプションのスタイルガイド。
- PowerPoint:タイトル+本文/タイトル+2段/図+キャプションなどアクセシブルなレイアウトマスター。
- EPUB/HTML:セマンティック要素の雛形、共通CSS(コントラスト・行間・フォントサイズ)。
- 構造化(オーサリング)
- スタイルで意味付けしつつ、代替テキスト・表の見出し・リンクテキストの明確化を実施。
- 一次検証
- 自動チェック(スタイル未使用・見出し飛び・代替テキスト欠落)と目視(読み上げ順)を実施。
- 出力
- PDFはタグ付きPDFで書き出し。EPUBは**検証(バリデータ)**を通す。
- 再検証(アクセシビリティ視点)
- スクリーンリーダー(NVDA/VoiceOver)で目次→章→表→脚注の移動をテスト。
- 拡大表示(150%〜200%)でリフロー性・読みやすさを確認。
- 公開・差し替え運用
- バージョン番号・更新日をファイル名と文書内に表記。差し替え時は旧版のアーカイブ先を明記。
12. ケーススタディ:自治体の「要綱PDF」を“読む文書”に変える
Before
- 体裁を整えたPDFだが、テキストが画像化され、検索不可。
- 見出しは大きな太字段落、しおり無し。
- 表はタブ区切りで版面揃え。読み上げ順はバラバラ。
After
- 原稿をWordの見出しスタイルへ移植、目次を自動生成。
- 表は表ツールで再作成。列見出しに「区分/金額/条件」。
- 注釈は本文に要旨を併記。
- 書き出しはタグ付きPDF。しおりは見出しから自動作成。
- NVDAで見出しジャンプ、表の見出し読み上げ、脚注ジャンプ・復帰を確認。
- 結果:問い合わせの誤解が激減、検索流入から必要箇所への到達時間が半分に。
13. よくある落とし穴と回避策
落とし穴 | 何が起きる? | 回避策 |
---|---|---|
見出しの代わりに大きい太字段落 | 目次・しおり・ジャンプが効かない | 見出しスタイルで意味付け |
画像の文字(スキャンPDF) | 検索不可・読み上げ不可 | テキスト化(OCR)し、図はキャプションで補強 |
表をタブ・スペースで整形 | セル関係が失われる | 表ツール、見出し宣言・キャプション |
代替テキストの過不足 | 騒がしい/要点不明 | 目的で仕分け(情報→要約、装飾→沈黙) |
読み上げ順が視覚と不一致 | 迷子・再読の負担 | 順序パネル/タグツリーで並べ替え |
色だけで強調 | 伝わらない | テキスト+記号/形の二重化 |
PDF書き出し時にタグ未付与 | すべてがただの絵 | タグ付きPDFオプションで出力 |
リンクテキストが「こちら」 | 文脈が切れる | 目的語で書く(例:「申請手順(PDF)」) |
14. サンプル:Word → タグ付きPDFの“最短”テンプレ
Wordスタイル(例)
- 見出し1:文書タイトル(1ページ目のみ)
- 見出し2:章タイトル(番号付き)
- 見出し3:節タイトル
- 本文:游ゴシック/明朝など読みやすい書体、12pt、行間1.5
- キャプション:図n/表n(自動番号)
- 箇条書き/番号付き:デフォルト(インデント幅は短めに調整)
作成手順(要点)
- タイトル→見出し2→本文の順で入力。
- 図は図キャプション、表は表タイトルを付けてから本文中に参照。
- 画像を挿入したら代替テキストを付ける(装飾は「装飾としてマーク」)。
- 自動目次を挿入。
- アクセシビリティチェック(内蔵機能があれば利用)で警告を解消。
- 保存→PDFとしてエクスポート(タグ付きにチェック)。
- PDFでしおり・読み上げ順を確認(必要に応じて微修正)。
15. サンプル:PowerPointの「読み上げ順」整備
- スライドマスターで、タイトル・本文・図版・キャプションの順序とプレースホルダーを定義。
- 各スライドで選択ウィンドウを開き、上から下が読み上げ順になるように並べ替え。
- 図には代替テキスト、装飾は**非表示(読み上げ対象外)**にマーク。
- 余白のテキストボックス乱立は避け、箇条書きと表で論理を表現。
- スライド内リンク(目次スライド→章スライド)で素早く移動できるように。
16. サンプル:EPUB/HTMLの骨格(最小セマンティクス)
<!doctype html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="utf-8">
<title>アクセシブルEPUBの基本</title>
<meta name="viewport" content="width=device-width,initial-scale=1">
</head>
<body>
<header>
<h1>アクセシブルEPUBの基本</h1>
<nav aria-label="目次">
<ol>
<li><a href="#ch1">第1章 はじめに</a></li>
<li><a href="#ch2">第2章 画像と代替</a></li>
<li><a href="#ch3">第3章 表と見出し</a></li>
</ol>
</nav>
</header>
<main id="main">
<article id="ch1">
<h2>第1章 はじめに</h2>
<p>この章では…</p>
</article>
<article id="ch2">
<h2>第2章 画像と代替</h2>
<figure>
<img src="flow.png" alt="申請の流れ:登録→入力→確認→送信→完了">
<figcaption>図1 申請の流れ</figcaption>
</figure>
</article>
<article id="ch3">
<h2>第3章 表と見出し</h2>
<table>
<caption>手当の一覧</caption>
<thead><tr><th scope="col">区分</th><th scope="col">金額</th></tr></thead>
<tbody><tr><th scope="row">A</th><td>10,000円</td></tr></tbody>
</table>
</article>
</main>
<footer>© 2025 Example</footer>
</body>
</html>
17. 検証のすすめ:自動チェック+短時間の手動検証で“確かに読める”を担保
自動チェック例(共通観点)
- 代替テキストの有無(装飾の沈黙を含む)
- 見出しの飛び(H1→H3のような欠落)
- リンクテキストの明確性(「こちら」回避)
- 色依存(色情報のみで意味を伝えていないか)
- PDFタグの存在/読み上げ順の異常パターン
手動検証(5分ルーティン)
- 目次→章へのジャンプが即時にできるか。
- スクリーンリーダーで見出し一覧・リンク一覧が意味を成しているか。
- 表内移動時に見出しが読まれるか。
- 図が適切に黙る/要約されるか。
- 150%拡大でも行の重なり・欠落がないか。
- PDFのしおり・読み上げ順が論理順か。
18. 組織導入のコツ:テンプレ・教育・監査で“続けられる仕組み”に
- テンプレート配布:Wordのスタイル入りテンプレ、PPTのアクセシブル・レイアウト、EPUBの骨格を共有ドライブに置きます。
- 教育:15分のミニ研修(代替テキストの考え方/見出しレベル/読み上げ順)を定期開催。
- 監査:四半期に1回、ランダムに5本の資料を抜き取りレビュー。改善点をナレッジ化して次のテンプレへ反映。
- 外部配布前のDoD(Doneの定義):
- [ ] 見出しレベルと目次が整っている
- [ ] 画像に適切な代替テキスト(装飾は沈黙)
- [ ] 表に見出しセルとキャプション
- [ ] 読み上げ順が論理順
- [ ] コントラスト基準を満たす
- [ ] PDFはタグ付き、EPUBは検証済み
- [ ] バージョン・更新日が明記
19. 誰がどう助かる?(具体的なインパクト)
- 支援技術ユーザー:見出しジャンプ・目次・しおりで必要箇所へ直行でき、代替テキストで図の要点が把握できます。
- 高齢者・低視力の方:拡大時も崩れないレイアウトと良好なコントラストで、疲れにくく。
- 認知・学習特性の多様な方:見出し/箇条書き/要約が整理され、理解と記憶の負荷が軽減します。
- 翻訳・再利用チーム:セマンティクスがあると、機械翻訳・再組版・検索に強く、内製効率が上がります。
- 法令・コンプライアンス:合理的配慮の提供や「色のみで意味を伝えない」などの要件に沿いやすく、リスク低減につながります。
20. ミニQ&A
Q1. 画像が多い広報誌はどうすれば?
A. まずテキスト版の要約ページを用意し、記事ごとに主要情報・日程・連絡先をテキストでも提供します。画像キャプションに情報の補足を入れ、装飾は沈黙させます。
Q2. スキャンしか残っていない古いPDFは?
A. OCRでテキスト化し、重要ページだけでも再構成を。すぐに難しければ、問い合わせ先や代替フォーマットの提供方法を併記します。
Q3. 数式だらけの論文PDFは?
A. 可能ならMathML埋め込みを検討し、それが難しい場合はテキストによる定義・記述や章末での要点整理を強化します。
21. まとめ:文書を「画像」から「言葉」に戻す
- セマンティクス優先:見出し・段落・リスト・表を“意味の道具”で表現しましょう。
- 代替テキストの仕分け:説明すべきものと沈黙すべきものを見極め、うるさくしすぎず要点を。
- 読み上げ順=論理順:視覚の配置に惑わされず、音で読んでも自然な順番に。
- 目次・しおり・ナビ:一跳びで目的地へ。長文ほど“地図”が命です。
- ワークフローとテンプレ:個人技にせず、再現できる仕組みに。
- 短時間検証の習慣化:自動+5分の手動検証で、配布のたびに安定品質を。
文書は、読む人の時間と体調と状況に寄り添う「ことば」の器です。少しの工夫で、たくさんの人にやさしい器に変えられます。あなたの次の資料が、誰にとっても迷わず・疲れず・同じ理解に届きますように、心から応援していますね。
22. アクセシビリティレベルの評価と到達点
- 本ガイドの到達目標:WCAG 2.1 AA準拠
- 1.1.1 非テキストコンテンツ(画像の代替)
- 1.3.1 情報及び関係性(見出し・表・リストの構造)
- 1.3.2 意味のある順序(読み上げ順)
- 1.4.1 色の使用(色のみ依存の回避)
- 1.4.3/1.4.11 コントラスト(テキスト/非テキスト)
- 2.1.1 キーボード(PDFフォーム)
- 2.4.1 ブロック回避(目次・しおり)
- 2.4.6 見出し及びラベル(明確な命名)
- 3.3.x 入力支援(必須表示・エラーの特定と提案)
- 4.1.2 名前・役割・値(EPUB/HTMLのセマンティクス)
対象読者への影響(詳細)
- 自治体・公共機関:告知・募集・申請書が同じ理解に届くことで、問い合わせや窓口負担が減ります。
- 教育機関・研究:教材と論文が検索・読み上げ・再編集に耐える資産となり、学習機会が広がります。
- 企業の広報・総務:社内外の配布物が持続的に改善され、ブランドの信頼が高まります。
- 出版社・編集者:EPUB/紙/Webのマルチ出力がしやすく、制作コストが下がります。
23. 付録:制作前に壁に貼る“クイックチェックリスト”
- [ ] スタイル(見出し・本文・箇条書き・キャプション)を必ず使用
- [ ] 表は表ツール、見出しセルとキャプションあり
- [ ] 画像の代替:情報→要約/装飾→沈黙
- [ ] 目次/しおり/リンクテキストが目的語で書かれている
- [ ] 読み上げ順がタイトル→本文→図→注記の順で論理的
- [ ] コントラスト・フォント・行間が読みやすさ基準を満たす
- [ ] PDFはタグ付きで書き出し、EPUBは検証済み
- [ ] 5分の手動検証(SRの見出し一覧、表読み、拡大表示)を実施
- [ ] バージョン・更新日・連絡先の明記
これだけでも、読み手の体験は驚くほど変わりますの。小さく始めて、確実に続けていきましょう。