【授業レポート】システム開発入門 第32週目 〜学期最終回:成果展示と個別フィードバック〜
第32週目は今学期の締めくくり。本日はポートフォリオの最終提出確認・短時間デモ・個別フィードバックを中心に行い、生徒一人ひとりの学びを確かなものにする時間となりました。
■ 先生の導入:「小さな成長を確かめる日」
田中先生:「今日は ‘成果を見せる’ と同時に ‘次に何を伸ばすか’ を明確にする時間です。完璧である必要はありません。成長の跡を言葉にできることが大切です。」
先生は最初に、評価の観点(機能実装・コードの読みやすさ・テストと改善の履歴・ドキュメントの完成度・チームでの貢献)を簡潔に説明しました。
■ 実習①:ポートフォリオ最終チェック(提出確認)
提出されたポートフォリオを受け取り、フォーマットや必須項目(プロジェクト概要、実装ポイント、テスト結果、改善履歴、学びの振り返り)が揃っているかを一つずつ確認しました。未完の生徒にはその場で軽い指導と補足のヒントが渡され、短時間で修正して再提出する流れで進行。
チェックでよく見られた改善点
- 実行手順(動かし方)が簡潔に書かれていない → コマンド例や必須ファイル名を追加
- テスト結果の数値が抜けている → ログの抜粋やスクリーンショットを添付するよう指導
- 改善履歴が曖昧 → 「いつ/何を/なぜ変えたか」を箇条書きで追記
■ 実習②:ショートデモ(1人あたり90秒)
各自、ポートフォリオに沿って短いデモを実施。時間を制限することで「要点を端的に伝える力」を鍛えました。デモ後は先生とクラスメイトから1点ずつ“良かった点”と“改善提案”を受け取ります。
よく挙がった良かった点
- ユーザビリティ改善(入力ガイド・エラーメッセージ)が丁寧
- テストで数値的に改善した証拠を提示している班が説得力あり
- モジュール分割やドキュメントのまとまりが良い
よく挙がった改善提案
- 発表の導入に「課題(Problem)」を一言入れると分かりやすい
- 実行例(サンプル入力→期待出力)をデモの冒頭に示すと伝わりやすい
■ 実習③:個別フィードバックと目標設定
各生徒と短い個別面談(5〜7分)を実施。先生は以下を中心にフィードバックを行い、次学期に向けた個人目標を一緒に設定しました。
- 技術面:今学期の強み(例:デバッグ力、テスト設計)と改善したい点(例:設計の深掘り)
- 表現面:ポートフォリオの見せ方、コードコメントやREADMEの充実
- 進路/学びプラン:2年で学びたいテーマ(DB設計、UML、チーム開発等)の希望確認
生徒のコメント例:「デバッグで諦めずに直した経験が自信になった」「来期は設計をもっと学んでチームで大きなものを作りたい」
■ 総合評価の共有(クラス全体の傾向)
授業全体の振り返りとして、田中先生がクラス全体の強みと今後の課題を共有しました。
強み
- 小さな改善を継続して回せるチームになったこと
- テスト・ログを用いた定量的な改善サイクルが身についてきたこと
課題
- 設計段階の要件整理が浅く、実装で迷走したケースがあったこと
- ドキュメントを運用に耐える形で残す習慣をさらに定着させる必要があること
■ 先生のひとこと(学期の締め)
「皆さん、この学期は ‘作る・確かめる・改善する・伝える’ を繰り返してきました。それがソフトウェア開発の本質です。来期は ‘どう作るか(設計)’ を深めて、より大きなものに挑戦しましょう。良い準備ができていますよ。」
■ 最後に:次学期への案内と準備事項
- 提出物の最終締切(ポートフォリオ未提出者向け)の日付を告知。
- 推奨読書・予習:UML入門、データベース基礎、簡単な設計パターンの入門書を紹介(タイトル例と章指定)。
- 希望調査:来期のプロジェクトでやりたいテーマ(図書館拡張・API連携強化・生成AI応用など)をアンケートで回収。
第32週目は「学びを整理して次に繋げる」最終確認の週になりました。生徒たちは成長の手応えを胸に、来期の「システム設計」学習へ向けて期待を高めています。お疲れさまでした!