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目次

ブドウ糖果糖液糖(異性化糖)とは?

砂糖との違い・体への影響・世界の評価と上手な付き合い方


冒頭まとめ:この記事でわかること

スーパーの飲料やお菓子の原材料名に、よく出てくる「ブドウ糖果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」。
名前は知っていても、

  • 砂糖より危険なの?
  • 肥満や糖尿病、脂肪肝の原因って本当?
  • どこまで気にすべきか、正直よくわからない…

と、モヤモヤされている方も多いと思います。

この記事では、

  • ブドウ糖果糖液糖とは何か(異性化糖の基本とJASによる定義)
  • アメリカの「高フルクトースコーンシロップ(HFCS)」との関係
  • 肥満・糖尿病・脂肪肝・心血管病などとの関連(最新の研究を含む)
  • 砂糖とブドウ糖果糖液糖の違いと「結局どちらもどれだけ減らすか」が大事な理由
  • 日本・EU・アメリカなどでの位置づけ・表示の違い
  • 日常生活での“現実的な”取り入れ方・避け方

を、できるだけわかりやすく整理していきます。

特に、

  • 清涼飲料や加工食品をよく買うご家庭の方
  • ダイエット中・糖尿病予備群で糖質が気になっている方
  • 子どものおやつやジュースをどう選べばいいか悩んでいる保護者の方
  • 商品開発・給食・外食など、メニュー設計に関わる方

に役立つ内容になるよう、少し丁寧めにまとめてみました。


1. ブドウ糖果糖液糖とは?異性化糖の基本とJASの定義

1-1. 異性化糖とは

「ブドウ糖果糖液糖」は、異性化糖と呼ばれるグループの一つです。
異性化糖は、主にとうもろこし・じゃがいも・サツマイモなどのデンプンを原料に、

  1. デンプンを酵素や酸で分解してブドウ糖(グルコース)にする
  2. その一部を「グルコースイソメラーゼ」という酵素で果糖(フルクトース)に変える

ことで作られた、ブドウ糖と果糖を主成分とする液体の糖です。

液体のまま扱いやすく、結晶化しにくい、冷たい飲料で甘味を感じやすい、といった特徴から、
清涼飲料水・スポーツドリンク・乳酸菌飲料・調味料・パン・お菓子など、幅広い加工食品に使われています。

1-2. 日本農林規格(JAS)での分類

日本では、異性化糖はJASで果糖の割合によって次のように定義されています。

  • 果糖含有率 50%未満
    ブドウ糖果糖液糖
  • 果糖含有率 50%以上 90%未満
    果糖ブドウ糖液糖
  • 果糖含有率 90%以上
    高果糖液糖

名前の「ブドウ糖」と「果糖」の順番は、
どちらが多いかを示している、というのがポイントです。

さらに、これらに10%以上の砂糖を加えたものは、
「砂糖混合ブドウ糖果糖液糖」「砂糖混合果糖ブドウ糖液糖」などと表示されます。

1-3. アメリカの「HFCS」との関係

アメリカで問題視されている「高フルクトースコーンシロップ(High Fructose Corn Syrup:HFCS)」は、
ざっくり言えば、トウモロコシ由来の異性化糖です。

  • HFCS-42:果糖42%前後(日本のブドウ糖果糖液糖に近い)
  • HFCS-55:果糖55%前後(日本の「果糖ブドウ糖液糖」に相当)

が主に使われており、特にHFCS-55がコーラなどの炭酸飲料に多く使われてきました。

日本で飲料の原材料に「果糖ブドウ糖液糖」と書いてあれば、
アメリカでいう HFCS-55 相当の甘味料が使われているとイメージすると近いです。


2. 世界での呼び方・表示の違いと、どんな食品に入っているのか

2-1. EUでの名称:「グルコース・フルクトースシロップ」

ヨーロッパでは、でん粉由来の糖シロップは、EU指令により次のように表示が決められています。

  • 果糖が 5%未満 … Glucose syrup
  • 果糖 5〜49.9% … Glucose-fructose syrup(ブドウ糖優位)
  • 果糖 50〜95% … Fructose-glucose syrup(果糖優位)

つまり、原材料表示で「glucose-fructose syrup」「fructose-glucose syrup」とあれば、
日本の「異性化液糖(ブドウ糖果糖液糖/果糖ブドウ糖液糖)」に相当するものだと考えられます。

2-2. 日本でよく見かける表示例

日本の食品表示では、原材料名の欄に次のような形で出てきます。

  • ぶどう糖果糖液糖
  • 果糖ぶどう糖液糖
  • 高果糖液糖
  • 砂糖混合ぶどう糖果糖液糖 など

特に清涼飲料水のラベルを見ると、

原材料名:果糖ぶどう糖液糖(国内製造)、砂糖、◯◯果汁/酸味料、香料…

のように、一番最初に書かれていることが少なくありません。
これは「使用量が多い原料から順に書く」というルールによるもので、
つまり「この飲料の中で一番多い原料が果糖ブドウ糖液糖」というケースも普通にある、ということです。

2-3. どんな食品・飲料で多い?

代表的なものを挙げると…

  • 炭酸飲料・スポーツドリンク・乳酸菌飲料
  • 風味付きのミネラルウォーター・ビタミンドリンク
  • 市販のコーヒー飲料・紅茶飲料
  • 菓子パン・菓子類・シリアル
  • たれ・ドレッシング・めんつゆなどの調味料
  • 漬物・加工惣菜 など

液体で扱いやすく、コストも比較的安いことから、
「甘くて・安くて・大量生産される加工食品」の多くに使われています。


3. なぜ「体に悪い」と言われるのか:3つのポイント

ブドウ糖果糖液糖(HFCSを含む)が問題視される主な理由は、大きく3つです。

  1. 甘くて飲みやすく、「カロリーのとりすぎ」につながりやすい
  2. 果糖のとりすぎが、肝臓・脂肪代謝に悪影響を与える可能性
  3. 砂糖を同じカロリーだけとるのと比べて、**あまりメリットがないのでは?**という疑問

順番に見ていきますね。

3-1. 液体の糖はカロリーを「飲みすぎ」やすい

ブドウ糖果糖液糖は主に飲料や液状の食品に使われます。
液体の糖は、

  • よく噛まずに短時間で大量に摂取してしまう
  • 満腹感が得られにくく、食事の量を減らしにくい

という特徴があり、砂糖でもHFCSでも、「飲み物としてとる糖」は太りやすいことが、多くの研究で指摘されています。

WHOも、砂糖の種類を問わず「フリーシュガー(食品や飲料に加えられた糖+ジュースなどの糖)」を、1日の総エネルギーの10%未満(できれば5%未満)にするよう勧告しています。

3-2. 果糖の「肝臓直行」ルートと脂肪肝

ブドウ糖(グルコース)は、全身の細胞に運ばれてエネルギーとして使われますが、
果糖(フルクトース)は主に肝臓で処理されるという特徴があります。

果糖をとりすぎると、肝臓で

  • 中性脂肪の合成(de novo lipogenesis)が増える
  • 脂肪が肝臓にたまりやすくなる(非アルコール性脂肪肝:NAFLD)
  • 中性脂肪や尿酸が上がり、メタボや痛風リスクが上がる

などのメカニズムが、動物実験やヒトの研究で示されています。

特に、HFCSを多く含む砂糖入り飲料を長期的に飲むと、肝臓の脂肪と炎症が増えるという報告が、2023〜2025年のシステマティックレビューでも改めて指摘されています。

3-3. 砂糖と比べて「特別に悪い」かは議論中

よく言われるのが、

「HFCSは砂糖より危険。砂糖ならまだマシ」

というフレーズですが、
化学的な構成を見ると、両者はかなり似ています。

  • 砂糖(ショ糖):
    ブドウ糖50%+果糖50%が「1対1で結合」した二糖類
  • 代表的な異性化糖(HFCS-55や果糖ブドウ糖液糖):
    ブドウ糖45%+果糖55%程度が「バラバラの単糖として混ざっている」

つまり、ブドウ糖と果糖の比率はほぼ同じで、
体内に入ってしまえば、あまり違いはないだろう、というのが多くの専門家の見解です。

アメリカでも、HFCSからサトウキビ糖に切り替える飲料が話題になりましたが、
栄養学の専門家は「どちらも“加糖飲料”であること自体が問題で、健康への影響はほぼ同じ」とコメントしています。

ですので、

  • 「ブドウ糖果糖液糖だけが悪者で、砂糖は安全」というわけではなく
  • “どの種類の砂糖であれ、とりすぎれば良くない”

という捉え方が、より現実的だと思います。


4. ブドウ糖果糖液糖と病気:何がどこまで分かっている?

ここからは、特に関係が深いとされる病気との関連を、少し詳しく見ていきます。

4-1. 肥満・メタボリックシンドローム

多くの研究で一貫しているのは、

  • ブドウ糖果糖液糖/HFCSを多く含む清涼飲料を、日常的にたくさん飲む人ほど、肥満・メタボが多い

という傾向です。

原因としては、

  • 液体なので満腹感を得にくく、総カロリーが増えやすい
  • 果糖が肝臓で中性脂肪に変わりやすく、内臓脂肪や脂肪肝につながる
  • 高甘味の飲料に慣れてしまい、甘い物への欲求が増す

などが挙げられています。

4-2. 2型糖尿病・インスリン抵抗性

高フルクトースの飲料をたくさん飲む人は、

  • 2型糖尿病の発症リスクが高い
  • インスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)が進みやすい

という結果を示す観察研究も多く報告されています。

ただし、「ブドウ糖果糖液糖だから」「砂糖だから」という違いより、

  • とっている総カロリー
  • 他の食事(脂質・食物繊維)のバランス
  • 運動不足・睡眠不足 など

生活全体の影響も大きいので、「HFCSだけが糖尿病の原因」とまでは言えません。

4-3. 非アルコール性脂肪肝(NAFLD)

最近特に注目されているのが脂肪肝との関係です。

  • HFCSなどを多く含む飲み物の摂取は、
    肝臓の脂肪蓄積・炎症・線維化を進める可能性があるとする、2023〜2025年のレビュー論文が複数出ています。
  • 肥満や2型糖尿病の人では、脂肪肝がさらに進行しやすく、肝硬変や肝がんリスクにも関わるため、
    甘い飲み物を減らすことは、肝臓を守る意味でも重要」と考えられています。

4-4. 心血管疾患(動脈硬化・心筋梗塞など)

砂糖入り飲料・HFCSを多くとる人ほど、

  • 中性脂肪が高い
  • HDLコレステロール(善玉)が低い
  • 高血圧が多い
  • 心筋梗塞や脳卒中のリスクが高い

という関連が報告されています。

2024〜2025年には、HFCSが心臓の炎症や心筋ダメージに関わる可能性を示した動物実験も出ており、
まだ研究段階ではあるものの「心血管の面からも、砂糖入り飲料のとりすぎは控えよう」という流れが強まっています。

4-5. 炎症・痛風・その他

  • 炎症
    砂糖(HFCSを含む)をたくさんとる食事は、慢性的な炎症マーカー(CRPなど)を高め、
    さまざまな生活習慣病の土台になることが指摘されています。

  • 高尿酸血症・痛風
    果糖が分解される際に尿酸が産生されるため、
    果糖のとりすぎは高尿酸血症・痛風リスクを高める可能性があります。

  • 虫歯
    砂糖と同様、口の中で酸を作り出し、歯を溶かしやすくします。
    特にダラダラ飲みは要注意です。


5. 砂糖 vs ブドウ糖果糖液糖:結局どちらがマシなの?

よくある疑問に、少しはっきりお答えしますね。

5-1. カロリーも血糖への影響も「ほぼ同レベル」

  • カロリー:
    砂糖も異性化糖も、1gあたり約4 kcal でほぼ同じです。
  • 血糖値:
    果糖の割合がやや違う分、血糖上昇パターンに微妙な差はありますが、
    「たくさん飲めば太る・血糖に悪い」という意味ではどちらも変わりません。

アメリカの専門家も、

HFCSからサトウキビ糖に変えても、健康上のメリットはほとんどない。
大事なのは“どれだけ砂糖入り飲料自体を減らせるか”である。

というスタンスを示しています。

5-2. 味やコスト・扱いやすさの違い

  • ブドウ糖果糖液糖

    • 液体で扱いやすい
    • 冷たいときに甘味が強く感じられる(果糖の特徴)
    • 結晶化しにくいので、飲料やソースに向く
    • 大量生産でコストが低め
  • 砂糖

    • 家庭では使いやすく、味になじみがある
    • 固形で運びやすいが、工業的には溶解などの手間もある

健康の観点から見れば、どちらも「フリーシュガー」としてまとめて減らしていきたい存在で、
「どちらがいいか?」よりも「総量を減らせる選び方をするか」がポイントになります。


6. 日本・EU・アメリカ・中国での位置づけ

6-1. 日本:JASで厳密に定義、使用自体は禁止されていない

先ほど触れたように、日本ではJASで異性化糖の定義が詳しく定められています。

  • ブドウ糖果糖液糖・果糖ブドウ糖液糖・高果糖液糖
  • それぞれの果糖含有率の基準
  • 糖分70%以上、灰分0.05%以下など品質基準
  • 原材料はでん粉のみ、添加物は使用不可

など、品質の面ではかなり細かく管理されています。
一方で、「健康への悪影響があるから禁止」という扱いではなく
砂糖と同じく「とり過ぎないよう食生活全体で調整してね」という位置づけです。

6-2. EU・アメリカ:原料としては許可、税や政策で「量」を抑える方向

  • EU

    • Glucose-fructose syrup / fructose-glucose syrup として、砂糖類の一種として扱われています。
    • 以前は生産割当量が厳しく、砂糖より少ないシェアでしたが、近年は規制緩和もあり使用量は増加。
    • ただし、多くの国が砂糖税・ソフトドリンク税を導入し、砂糖かHFCSかを問わず、「加糖飲料全体」の消費を減らす方向に政策が動いています。
  • アメリカ

    • HFCSはFDAにより安全な食品成分とみなされており、使用禁止にはなっていません。
    • 一方で、州や都市レベルで砂糖入り飲料への税金を課すなど、「量を抑える」施策が広がっています。

6-3. 中国を含む他地域

  • 中国でも、でん粉由来の糖シロップは広く使われており、
    規格や表示は国家標準(GB)で管理されています。
  • 東南アジアでも、「High fructose glucose syrup」などの名称で、各国の規格に位置づけられています。

いずれの地域でも、

「異性化糖そのもの」を禁止しているというより、
「フリーシュガー全体」を減らしましょう

という方向性が共通していると言えます。


7. 日常生活での“上手な付き合い方”:実践編

ここからは、特に一般の方向けに、
ブドウ糖果糖液糖とほどよく距離をとるための具体的なコツをまとめますね。

7-1. ラベルで「異性化糖」を見つけるコツ

原材料名に、次のような言葉があれば、異性化糖系の甘味料が使われています。

  • ぶどう糖果糖液糖
  • 果糖ぶどう糖液糖
  • 高果糖液糖
  • 砂糖混合ぶどう糖果糖液糖 など

輸入品では、

  • High fructose corn syrup
  • Corn syrup
  • Glucose-fructose syrup
  • Fructose-glucose syrup

と書かれていることも多いです。

ラベルを見て、

  • 1番目・2番目にこれらが来ているか
  • 「砂糖」「異性化糖」「果汁」のどれが多いのか

をざっくり把握するだけでも、「今日は甘い飲み物が多かったな」「明日は控えめにしよう」といった調整がしやすくなります。

7-2. 飲み物から減らすのが一番効率的

WHOや各国の専門家も、**砂糖を減らすときに最初に手をつけるべきは「砂糖入り飲料」**だとしています。

簡単なステップ例を挙げると…

  • ステップ1:毎日飲んでいる炭酸飲料・スポーツドリンクを「1日1本まで」にする
  • ステップ2:のどが渇いたときは、水・麦茶・無糖炭酸水を“基本”にする
  • ステップ3:味付きが欲しいときは、
    • 100%果汁を水や炭酸で2〜3倍に薄める
    • 無糖炭酸水+レモン汁で代用してみる

など、「ゼロにする」よりも少し減らす・置き換える感覚の方が続きやすいと思います。

7-3. 子どもの場合の目安

お子さんの場合は、大人より体重が軽い分、同じ量でも「体重あたりの糖の量」が多くなります。

一つの目安として、

  • 毎日:水・麦茶・牛乳・薄めた果汁をメインに
  • 甘いジュース・スポーツドリンク:
    → 週に数回、1回コップ1杯(150〜200mL)程度まで
  • 甘い炭酸飲料:
    → 「イベントの日のお楽しみ」にする

といったゆるいルールを、ご家庭で決めてみるのも良いと思います。

7-4. 加工食品の「ちょっとだけマシな選び方」

甘い物を完全になくすのは現実的ではないので、
同じカテゴリの中で「少しだけシンプルなもの」を選んでみてください。

  • 菓子パン

    • クリーム・チョコ・ジャム+異性化糖たっぷりのパン →
      あんぱん・ロールパン・フランスパンなど、材料が少ないものへ
  • おやつ

    • カラフルなグミ・キャンディ+異性化糖 →
      素焼きナッツ・無糖ヨーグルト+少量の蜂蜜・果物 など
  • 調味料

    • 甘いたれ・ドレッシング(最初の原料が果糖ブドウ糖液糖) →
      醤油+みりん+少量の砂糖で簡単に手作り、または「糖質オフ」「砂糖不使用」のものを選ぶ

こうした「ちょっとしたスイッチ」を積み重ねることで、
気づいたときにはブドウ糖果糖液糖の摂取量がかなり減っている、という形が理想です。


8. 特に気をつけたい人と、その理由

8-1. 肥満・メタボ・脂肪肝のある方

  • すでに内臓脂肪や脂肪肝がある場合、
    果糖を多く含む甘味料(異性化糖含む)のとりすぎは、病状を悪化させる可能性があります。
  • とくに、毎日砂糖入り飲料を飲む習慣がある方は、
    「飲み物だけでも見直す」ことが、肝臓や血管を守るうえでとても重要です。

8-2. 糖尿病・糖尿病予備軍の方

  • ブドウ糖は血糖値を直接上げ、果糖は肝臓を通じて脂肪や中性脂肪を増やします。
  • ブドウ糖果糖液糖を多く含む飲料は、血糖値スパイク(急上昇と急降下)を起こしやすいため、
    糖尿病の方には特に注意が必要です。

主治医や管理栄養士と相談しながら、

  • 「甘い飲料は基本避ける」
  • 「どうしても飲みたいときは量と頻度を決める」

といった現実的なルールを一緒に作っていくと安心です。

8-3. 子ども・ティーン世代

  • 成長期はエネルギーも必要ですが、味覚が作られる時期でもあります
  • 小さいころから甘い飲み物・お菓子が当たり前になると、
    将来の肥満・虫歯・生活習慣病リスクが上がることが多くの研究で示されています。

「甘いもの=楽しい時間のアクセント」「毎日ではなく特別なもの」
という位置づけにしてあげることが、長い目で見ると一番のプレゼントになるかもしれません。


9. まとめ:ブドウ糖果糖液糖をどう捉えればいい?

最後に、この記事のポイントを整理します。

  1. ブドウ糖果糖液糖は「異性化糖」の一種で、
    デンプンから作られたブドウ糖と果糖の液状の糖。
    果糖の割合により、「ブドウ糖果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」「高果糖液糖」に分けられます。

  2. アメリカで問題視されている「高フルクトースコーンシロップ(HFCS)」は、
    日本の果糖ブドウ糖液糖などに相当し、主に飲料や加工食品で使われています

  3. 肥満・2型糖尿病・脂肪肝・心血管病との関連は多くの研究で指摘されており、
    特に「砂糖入り飲料を日常的にたくさん飲む」習慣は、健康リスクを高めると考えられています。

  4. とはいえ、**砂糖とブドウ糖果糖液糖の健康影響は“ほぼ同レベル”**で、
    「どちらか一方だけが極端に危険」というより、
    「フリーシュガー全体をどれだけ減らせるか」が大切だと、WHOや専門家は考えています。

  5. 日本・EU・アメリカ・中国など、どの地域でも「異性化糖そのもの」は禁止されていませんが、
    砂糖税や飲料への課税などを通じて、砂糖入り飲料全体の摂取を減らす方向に政策が動いています。

  6. 私たちが今日からできることは、

    • 原材料で「ブドウ糖果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」などを見つける習慣をつける
    • のどが渇いたときは、水・お茶・無糖炭酸水を“基本”にする
    • 子どもの甘い飲み物・おやつは「毎日」ではなく「たまにのお楽しみ」にする
      という、小さな選択の積み重ねです。

ブドウ糖果糖液糖は、毒そのものでも、完全に無害でもなく、
「便利だけれど、とりすぎると体に負担をかける甘味料」です。

怖がりすぎて何も食べられなくなる必要はまったくありませんが、
ラベルをちょっと気にしてみたり、飲み物を1本だけ減らしてみたり…。
そんな小さな工夫から、無理のない範囲で“甘さとの付き合い方”を整えていけたら素敵だなと思います。


参考文献・情報源(日本語・英語混在)

投稿者 greeden

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