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最新Claude 4.6を徹底比較:GPT-5.2・Gemini 3 Proと「コーディング力」を機能別にレビュー

生成AIでのコーディングは、単にコードを“書く”だけではなく、既存リポジトリの理解、複数ファイル変更、テスト実行と修正ループ、レビュー観点の提示、そして長いタスクを粘り強く完了まで運ぶ力が問われます。ここが強いモデルほど「人が考えるべき部分」に集中でき、逆に弱いとレビューや手直しが増えてしまいがちです。

本記事では、**最新のClaude(Claude Sonnet 4.6 / Claude Opus 4.6)**を中心に、GPT-5.2Gemini 3 Proなど主要モデルと、コーディング用途で“何が違うのか”を機能別に整理します。結論を急ぎすぎず、実務で判断に役立つ観点(修正力・長文文脈・エージェント適性・コスト)を丁寧に掘りますね。


この記事が役に立つ方(具体的に)

まず、CursorやVS CodeなどのAIエディタを使っていて「モデルをどれにするか」で迷っている開発者の方です。補完が速いだけでなく、バグ修正やリファクタまで任せるほど、モデル差が体感として出やすくなります。

次に、TypeScriptやPythonを中心に、PR単位で日々修正が積み重なるチームの方です。ここでは“単発の生成”よりも、リポジトリ全体の整合性を保ちながら直し切る力が重要で、SWE-bench系のような評価が効いてきます。

そして、設計レビューや品質担保(テスト、Lint、セキュリティスキャン)を重視する現場の方です。Claude 4.6のように長い文脈やエージェント計画を売りにするモデルは、うまく当たると保守性と説明責任が一段上がりますが、使い方の型が必要です。


まず押さえる「最新Claude」とは(2026年2月時点)

ClaudeはClaude 4世代の中で、2026年2月にClaude Opus 4.6(2月5日)、続いて**Claude Sonnet 4.6(2月17日)**が発表されています。いずれも「コーディング」「エージェント計画」「長文文脈(1Mトークン、ベータ)」を強化し、特にSonnet 4.6は“日常運用で回しやすい価格帯”として注目されやすい位置づけです。

ここから先は、Claude 4.6を「最新Claude」として、他モデルと比較していきます。


比較の軸:コーディング用途で差が出る6つの機能

コーディング用途でモデルを選ぶとき、私は次の6軸で見るのが一番迷いが減ると思っています。

  1. リポジトリ修正力:既存コードにパッチを当て、テストが通るまで直し切れるか
  2. エージェント適性:計画→実行→検証→再実行のループを回しやすいか
  3. 長文文脈:大きなコードベースや仕様書を丸ごと扱えるか
  4. 多言語対応:Python以外(TS/Java/C#など)でも安定して直せるか
  5. レビュー力:設計の筋、影響範囲、リスク、代替案を説明できるか
  6. コストとスループット:速度・価格・安定稼働のバランス

以下、この順でClaude 4.6を中心に比較します。


1) リポジトリ修正力:SWE-bench系で見る「直し切る力」

Claude 4.6(Sonnet/Opus)

Claude 4世代はSWE-bench Verifiedの文脈で強みを打ち出しており、モデル更新ごとに“修正力”を前面に出しています。Sonnet 4.6はコーディングやエージェント能力のアップグレードとして紹介され、Opus 4.6も「大きなコードベースでより信頼性高く動く」「レビュー・デバッグで自分の誤りを見つけやすい」方向が強調されています。
実務の体感としては、Claudeは「問題の読み取り→原因仮説→修正方針→影響範囲」まで文章で組み立ててから手を動かす傾向があり、コードレビューを通しやすい形になりやすいのが良さです。

GPT-5.2

GPT-5.2は“実リポジトリの修正”という枠組みに対して、SWE-bench Verifiedだけでなく、4言語を対象にしたSWE-Bench Proの達成を明示しています。多言語の現場では、この「Python限定ではない」評価軸は安心材料になりやすいです。
また、SWE-bench Verifiedでも高いスコアが示されており、特に「短い介入でエンドツーエンド修正」の方向が強く打ち出されています。

Gemini 3 Pro

Gemini 3 ProもSWE-bench Verifiedを含むエージェント系評価を掲載しており、ターミナル操作やツール利用の評価も合わせて提示されています。実務では「手順化と実行(テスト、ビルド、Lint)」をセットで回したいことが多いので、この方向性は相性が良いです。

この軸のまとめ(現場の解釈)

  • Claude 4.6:修正理由や計画を文章化しやすく、PRレビューに乗せやすい
  • GPT-5.2:多言語の修正評価(SWE-Bench Pro)まで含めた“総合力”で安心しやすい
  • Gemini 3 Pro:ツール利用まで含めたエージェント評価が見え、実行前提の運用と相性が良い

2) エージェント適性:長いタスクを「計画して完了」できるか

Claude 4.6の特徴

Claude Opus 4.6は「より慎重に計画し、長いエージェントタスクを持続しやすい」方向が明確です。Sonnet 4.6も同様に、エージェント計画やコンピュータ利用(computer use)を含むアップグレードとして説明されています。
ここが強いと、たとえば次のような“まとまった作業”を任せやすくなります。

  • 失敗するテストの原因を追って、最小変更で修正
  • リファクタ(命名整理、責務分割)+テスト更新まで一気通貫
  • 仕様の文章を読み、変更点をタスクに分解して段階的に実装

GPT-5.2の特徴

GPT-5.2は、エンドツーエンド修正やリファクタを少ない介入で進める文脈が強いです。実務では「速い→検証→直す」のサイクルが短いほど勝ちやすいので、エージェント運用でもテンポが出ます。
一方で、チームに説明責任が必要な場面では、後述の「レビュー文章の型」を決めると、より安心して任せやすいです。

Gemini 3 Proの特徴

Gemini 3 Proは、ターミナル系ベンチやツール利用系の指標も一緒に出しており、モデルとして「動かして確かめる」運用を想定している印象があります。
CI前提・実行前提の開発フローでは、修正案の提示だけで終わらず、テスト・ビルド・コマンドの提案まで含めて運びやすいのが魅力になりやすいです。


3) 長文文脈:1Mトークンで何が変わる?

Claude Opus 4.6とSonnet 4.6は、いずれも**1Mトークン文脈(ベータ)**が言及されています。これが効くのは、次のようなケースです。

  • 単一リポジトリが大きく、フォルダ横断での整合性が必要
  • 仕様書・議事録・既存設計ドキュメントをまとめて参照したい
  • 既存コードの“暗黙ルール”を壊さずに変更したい

ただし、長文文脈は「入れれば入れるほど賢くなる」ではなく、混ぜ方の技術が要ります。私は次の順で入れるのが安全だと思います。

  • 最初に「不変のルール」(命名、例外方針、ログ方針、禁止事項)
  • 次に「変更対象のファイル群」
  • 最後に「テスト・実行ログ」や「失敗の再現手順」

一方で、GPT-5.2やGemini 3 Proも長文文脈を強化してきていますが、本記事では“コーディングに効く”という観点で、Claude 4.6の「巨大文脈を前提にした設計」を特徴として整理しておきます。


4) 多言語対応:Python以外の現場での選び方

SWE-bench VerifiedはPython中心で語られやすいので、実務で多いTypeScript、Java、C#、Go、Rustなどに広げるときは注意が必要です。
この点で、GPT-5.2がSWE-Bench Pro(4言語)を明示しているのは、現場にとって分かりやすい材料です。一方、ClaudeやGeminiも「エージェント能力」「大きなコードベース」を打ち出しているため、言語ごとの相性は最終的に“実プロジェクトでの検証”が大切になります。

私のおすすめは、モデルを言語で固定するより、タスクで分けることです。

  • TypeScript/ReactのUI改修:要件の読み取りと影響範囲が大事 → Claude/GPTでレビュー強めに
  • Java/C#の既存サービス修正:ビルドとテストが勝負 → Gemini/GPTで実行ループ重視
  • SQL最適化:方言と実データが支配 → どれでも良いが「スキーマとEXPLAIN」を渡すのが必須
  • Rust/C++:コンパイルと安全性が支配 → ログ貼り付けで反復、モデルは“修正ループの強さ”で選ぶ

5) レビュー力:Claudeが刺さりやすい場面

Claudeは、コーディングの生成そのものより、「なぜそう直すか」「どこに影響するか」「代替案は何か」を文章で整える場面で評価されやすい傾向があります。
チーム開発だと、PRで求められるのは“正しいコード”だけでなく、“説明可能な変更”です。ここが弱いと、結局人が説明を書き直すことになってしまいます。

Claude 4.6で期待しやすいのは、次のようなアウトプットです。

  • 変更理由(根本原因)と修正方針の要約
  • 影響範囲(どのモジュールに波及しうるか)
  • リスク(互換性、性能、境界条件)
  • 受け入れ条件(テスト観点)をチェックリスト化

6) コストとスループット:Sonnet 4.6の位置づけ

運用で最後に効くのは、やはりコストと速度です。Sonnetは「現場で回しやすい価格帯」の代表格として語られることが多く、Sonnet 4.6も“日常のコーディングや大規模運用に向けた”性格として紹介されています。
一方、最難関の調査や長い推論が必要な作業は、Opusのような上位モデルが刺さることがあります。このあたりは「普段はSonnet、難しい局面はOpus」という二段構えが現実的です。


実務で使い分けるための「依頼テンプレ」(そのまま使える例)

モデル差より効くことが多いのが、依頼文の型です。Claude 4.6を含め、どのモデルでも成功率を上げやすいテンプレを置きますね。

例1:バグ修正(最小変更)

  • 目的:決済の二重送信を防ぐ
  • 範囲:CheckoutForm.tsxuseCheckout.ts のみ変更可
  • 受け入れ条件:型エラーなし、送信中はボタン無効、成功時のみ遷移、既存テスト更新、E2Eは既存ケースを維持
  • 追加情報:再現手順、エラーログ、該当PRの差分

例2:リファクタ(責務分離+テスト)

  • 目的:OrderServiceの責務を分割し、テスト容易性を上げる
  • 範囲:OrderService、関連DTO、テストのみ
  • 受け入れ条件:公開APIのシグネチャ維持、テスト追加、既存テスト全通、パフォーマンス劣化なし
  • 追加情報:現状の依存関係図、境界(外部API、DB)の扱い

例3:SQL改善(方言指定)

  • 目的:日次集計クエリを30秒以内にする
  • DB:PostgreSQL 16
  • 受け入れ条件:結果一致、EXPLAINで主要コスト減、インデックス追加は1本まで
  • 追加情報:スキーマ、件数規模、EXPLAIN(現状)と改善後の比較

まとめ:最新Claude 4.6は「長文×計画×説明」で強く、競合は「多言語×実行」で迫る

Claude Sonnet 4.6 / Opus 4.6は、コーディング能力の強化に加え、長い文脈(1M)やエージェント計画を前面に出しているのが特徴です。PRレビューに耐える“説明可能な変更”を作りやすく、仕様や設計資料を抱えたまま実装を進めたい現場で刺さりやすいです。

一方で、GPT-5.2はSWE-Bench Pro(多言語)まで含めた評価軸が見えやすく、現場の言語が多いほど安心感が増えます。Gemini 3 Proはターミナルやツール利用の評価をセットで示していて、「実行して確かめる」ループが中心のチームで相性が出やすいです。

最終的には、モデルを1つに決め打ちするよりも、**普段回す作業(修正・補完・小改修)**と、**難しい局面(大規模改修・長い調査・複雑な設計判断)**を分けて、モデルを切り替えるのが実務的です。特にClaude 4.6は“文脈を抱えて計画し、説明しながら完了まで運ぶ”ところで光りやすいので、そこを狙って導入すると満足度が上がりやすいと思います。


参考リンク

投稿者 greeden

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