公認会計士×mirabonの親和性:監査とアドバイザリーを「速く・深く」するAI経営ドクターの使いどころ
- mirabon(ミラボン)は、決算書・試算表などの財務データから「財務評価レポート」「銀行評価レポート」「経営戦略提案」「キャッシュフロー可視化」「株価予測分析」を高速生成し、会計士の“判断と助言”の時間を増やせる設計です。
- 公認会計士の仕事は、数字を作るより「数字の意味を解き、リスクを見立て、説明責任を果たす」比重が大きいので、下ごしらえを自動化できるツールとは相性がよいです。
- 監査で使う場合は、AI出力を“監査証拠そのもの”にせず、計画・リスク評価・分析的手続のたたき台として活用し、人のレビューと監査調書への落とし込みを前提にすると安全です。
- アドバイザリー(経営改善、資金調達、管理会計支援、CFO代行)では、レポートを起点に面談や意思決定が前へ進みやすく、付加価値メニューの標準化にも向きます。
- 守るべきポイントは、独立性・守秘・データ管理・出力の検証です。ここを最初に“型”として作ると、チーム導入が進みます。
この記事が役に立つ会計士の方(かなり具体的に)
本稿は、とくに次のような公認会計士の方に向けて書いています。監査法人で現場を回している方はもちろん、独立開業で顧問型の支援を伸ばしたい方、企業内会計士として経営に近い立場でレポーティングや予実管理を担当する方にも、実務イメージが湧くように整理しますね。
- 監査の計画・リスク評価・分析的手続で、資料の読み込みと論点整理に時間が溶けている方
- 監査の品質は落とさずに、作業負荷(とくに繁忙期)を減らしたい方
- クライアントから「AIで早くできるよね?」と期待値だけ上がり、説明が難しくなっている方
- 月次面談や経営会議向けの資料作成が属人化し、若手育成や標準化が進まない方
- 税理士・社労士・保険代理店・金融機関など周辺専門家と連携する案件が増え、共通言語(レポート)を整えたい方
会計士の価値は、単なる資料作りではなく、数値の背景を読み解き、リスクを先回りし、意思決定の筋道を通すところにあります。mirabonは、その価値が発揮される“前段の整形”を速くしてくれるため、親和性が高いと言えます。
mirabonが提供するもの:会計士の「下ごしらえ」を短縮する5つの出力
mirabonは、財務データを基に経営レポートや提案を高速生成するAI経営ドクターとして案内されています。会計士にとって重要なのは、「何が出るのか」と「どこまで任せてよいのか」を最初に線引きすることです。mirabonの主要機能は、次の5つに整理できます。
- 財務評価レポート:収益性・安全性・成長性の分析、業界ベンチマーク比較、トレンド分析とグラフ化
- 銀行評価レポート:銀行格付けスコアリング、融資可能性分析、返済能力評価
- 経営戦略提案:売上向上施策、コスト最適化、投資優先順位の明確化などの提案
- キャッシュフロー可視化:月次資金繰り予測、季節変動の考慮、リスクアラート機能
- 株価予測分析:企業価値評価、バリュエーション分析、シナリオ別予測
導入フローも明確で、決算書・試算表などをアップロード(PDF/Excel対応)→AI分析→レポート受領、という流れです。料金体系も、Standard(月額5,500円、10社まで、7日無料)とPro(月額27,500円、50社まで、7日無料)が提示されています。会計士にとっては「まず数社で試して型を作る」導入がしやすい設計だと感じられるはずです。
また、守秘の観点で気になるセキュリティについても、サイト上ではSSL暗号化通信、データ暗号化保存、アクセス権限管理、日本国内サーバー管理、第三者提供なしと説明されています。さらに「OpenAI APIに送信されたデータは学習に使われない」旨への言及もあり、会計士がクライアントへ説明する際の材料になります(ただし最終的には自社・自法人の情報管理規程に合わせた確認が必要です)。
監査領域での親和性:mirabonは「監査の前工程」を整えるのに向く
監査では、AIを“ショートカット”として使うほど危険になります。一方で、計画・リスク評価・分析的手続など、もともと「全体像を掴み、違和感を見つけ、深掘りの当たりを付ける」工程は、AIが得意な形に分解できます。日本公認会計士協会も、監査におけるAI利用について理解を更新し、活用方法や課題を整理する研究文書を公表しています。金融庁のディスカッションペーパーでも、異常検知や不正リスク識別など、監査の各フェーズで技術活用が進む可能性が議論されています。
ここでのmirabonの使いどころは、主に次の3つです。
1)計画フェーズ:分析的手続の“たたき台”を先に作る
監査の初期は、前年との差異、業界平均との差、構造的な弱点(粗利・固定費・運転資金のクセ)などを押さえます。mirabonの財務評価レポートを起点にすると、論点候補が早く出ます。会計士は、そこから「監査上の重要性」「リスク評価」「監査手続の設計」に落とし込むことに集中できます。
2)リスク評価:違和感の“種類”を整理して、深掘り順を決める
AIが示すのはあくまで“違和感候補”です。会計士は、その違和感が「会計方針」「見積り」「内部統制」「不正リスク」「単なる季節性」など、どのカテゴリに属するかを判断し、監査の筋道を作ります。mirabonの出力があると、若手にも「どの論点を、なぜ追うのか」を言語化しやすく、教育にも寄与します。
3)コミュニケーション:経営者・監査役等へ“短い説明”に変換しやすい
監査では、経営者や監査役等へ、数値の背景とリスクを簡潔に伝える場面が多いです。mirabonのレポートを素材に、会計士が監査視点の言葉へ翻訳し直すと、説明の品質が揃いやすくなります。
サンプル(監査チーム内で回せる最小手順)
- 入力:決算書・試算表(科目内訳も可能なら添付)
- mirabon出力:財務評価レポート(前年差異・業界比較・トレンド)
- 会計士レビュー:
- “違和感上位5つ”を監査リスクの観点で分類
- 監査手続へ落とし込み(何を、どの証拠で、どの深さまで)
- 監査調書に「AI出力を参考にしたが、判断は監査人が行った」旨と、検討過程を明記
監査におけるAI活用は、海外でも監査監督当局が関心を寄せています。たとえば米国では、監査領域で生成AIを含む技術活用が拡大している点が検査の優先事項に盛り込まれ、監査・開示における生成AIの統合に関するアウトリーチ(関係者からの意見収集)も公表されています。こうした流れを踏まえると、会計士が“使わない”より、“使い方を定義して管理する”ほうが現実的です。
アドバイザリーでの親和性:mirabonは「付加価値サービスの標準化」に強い
会計士が独立開業したり、監査以外のサービスを伸ばすとき、最大の壁は「毎回ゼロから資料を作る負荷」と「品質のばらつき」です。mirabonの強みは、財務評価、銀行評価、資金繰り、改善提案といった“経営者が知りたいパッケージ”を、短時間で一定の形に整えられる点にあります。
会計士のアドバイザリーでよくあるテーマを、mirabonの出力に当てはめると、次のように整理できます。
1)月次の経営レビュー(CFO的支援)
- mirabon:トレンドと差異、資金繰り予測、改善案のたたき台
- 会計士:
- 数値の定義と前提の確認(会計方針、特殊要因、見積り)
- 改善案の“実行順”を決める(優先順位・リスク・社内事情)
- 経営会議で通る説明へ整形(KPIとアクションに落とす)
2)資金調達・金融機関対応
- mirabon:銀行評価レポート、返済能力評価、資金繰りの谷の可視化
- 会計士:
- 銀行に説明するストーリー作成(目的、返済原資、感応度、代替策)
- 会計処理や開示の論点整理(誤解が起きない説明)
- “借りられる会社”の体質改善(運転資金の設計、収益構造の改善)
3)事業計画・予算・KPI設計
- mirabon:現状分析と改善方向の候補提示
- 会計士:
- 予算の粒度設計(部門別、チャネル別、変動費/固定費の分解)
- KPIの定義と測定可能性(現場が追える指標に落とす)
- 実績管理の運用設計(報告頻度、責任者、意思決定ルール)
ここで効いてくるのが、AIが“資料作り”を短縮し、会計士が“意思決定支援”へ時間を寄せられる点です。海外の会計業界レポートでも、AIは会計専門職を置き換えるというより、業務を増幅するものとして捉えられ、競争力の源泉になるという整理がなされています。現場感としても、提案の質を上げるほど、価格競争から抜けやすくなります。
「AIで安くして」と言われる時代の会計士価値:mirabonは“説明責任”を支える材料になる
最近は、監査や会計業務でも「AIがあるなら早いよね」「費用を下げられるよね」という圧が増えています。海外では、AIによる効率化を理由に監査報酬の引き下げを求める動きが報じられ、監査の価格モデルが揺れていることが見えてきました。こうなると、会計士は「時間が短い=安い」だけの土俵に乗るほど苦しくなります。
そのとき守るべきは、会計士の価値を“成果物”で示すことです。たとえば、次のような成果は、AIがあっても、会計士の判断が入らないと成立しません。
- リスクの特定と優先順位付け(どれが重大で、どれが軽微か)
- 説明の筋道(なぜそう判断したか、根拠は何か)
- 例外と責任の扱い(判断の境界、残余リスク、開示の考え方)
mirabonは、財務データの整理や見える化の部分を素早く整えられるので、会計士がこの“説明責任”にリソースを振りやすくなります。結果として、値下げ圧力に対しても「私たちは時間ではなく、判断と品質で提供しています」と言いやすくなります。
導入時の注意点:会計士が安心して使うためのガバナンス設計
親和性が高い一方で、会計士がAIを扱うときは、最初に決めておくべきことがあります。ここを曖昧にすると、守秘・品質・独立性で後から苦しくなります。
1)守秘とデータ管理:社内規程とクライアント説明をセットにする
mirabonの説明では、日本国内サーバー管理、第三者提供なし、暗号化やアクセス権限管理などが示されています。加えて、OpenAI APIのデータが“原則として学習に使われない(明示的なオプトインがない限り)”という説明も参照されています。ただし、API利用では不正利用防止のためのログ保持が一定期間発生し得る旨も公式に説明されています。会計士としては、以下を“最初に文章化”しておくと安心です。
- どの資料をアップロードしてよいか(匿名化・マスキング方針含む)
- アクセス権限(誰が見られるか、退職者の扱い)
- 保存期間と削除(案件終了後の運用)
- クライアントへの説明と同意(契約書・覚書レベル)
2)品質:AI出力は「叩き台」、最終判断は会計士
mirabon側も、最終判断は利用者が行うよう注意を促しています。会計士の現場では、これを“手順”に落とします。たとえば、出力の数値・前提・用語(粗利の定義、運転資金の計算、業界平均の母集団)をチェックし、クライアントごとの事情を反映してから提示する、という流れです。
3)独立性:監査と非監査サービスの境界を明確に
監査業務で使うなら、監査人の独立性を損なわないよう、サービス提供の範囲と関与の仕方を整理しておく必要があります。mirabonを“監査の補助ツール”として使うのか、クライアントに提供する付加価値サービスとして使うのかで、説明も手続も変わります。ここは監査法人・事務所の品質管理・独立性方針に合わせて設計してください。
実務サンプル:会計士がmirabonを使って「面談が前に進む」資料の作り方
ここでは、数字や社名は仮の設定で、会計士がクライアント支援を回すときの“型”をサンプルとして置きます。社内研修にも使えるように、短い手順にしていますね。
サンプルA:月次経営レビュー(60分面談)を標準化する
-
mirabon出力(事前10分)
- 財務評価レポート:前年差異とトレンドを確認
- キャッシュフロー:資金の谷と季節変動、リスクアラートを確認
- 経営戦略提案:提案を“候補”として拾う
-
会計士の整形(事前15分)
- 論点を2つに絞る(例:粗利率低下、在庫増)
- “原因の仮説”を3つに分解(価格/数量/原価、滞留在庫、仕入条件)
- 次月の意思決定を1つ決める(例:値上げ対象の選定)
-
面談(60分)
- 10分:現状共有(グラフ中心、説明は短く)
- 30分:論点深掘り(仮説→追加データ→結論)
- 15分:打ち手決定(誰が、いつまでに、何をする)
- 5分:次回までの宿題と、モニタリング指標を合意
サンプルB:融資相談の前に「銀行向け説明」を整える
- mirabon:銀行評価レポート、返済能力評価、資金繰り予測
- 会計士が作る1枚メモ(例)
- 資金使途:運転資金の季節要因の平準化
- 返済原資:粗利率の回復策(単価改定+原価交渉)
- 感応度:売上▲10%でも資金ショートしない前提
- 代替策:投資延期・在庫圧縮・短期借入枠の確保
会計士がこの“説明の筋道”を作れると、保険代理店や税理士、金融機関とも連携しやすくなり、案件が前に進みます。mirabonは、その筋道作りに必要な材料(グラフと論点候補)を速く揃えられる点で、相性が良いです。
よくある質問(会計士視点)
Q1. 監査で使っても大丈夫ですか?
使い方次第です。AI出力を監査証拠そのものにせず、計画・リスク評価・分析的手続の叩き台として使い、人のレビューと監査調書への落とし込みを徹底する運用が基本になります。独立性や品質管理は、所属先の方針に合わせてください。
Q2. クライアントにそのまま渡してもいいですか?
おすすめは“そのまま”ではなく、会計士の言葉で整えてからです。用語の定義、前提、特殊要因(大型案件・補助金・一過性費用)などを反映させることで、誤解とトラブルが減ります。
Q3. 税理士と役割が被りませんか?
むしろ補完関係にしやすいです。税務判断は税理士、経営・会計・資金調達の設計は会計士、という分担が自然に作れます。共通の財務レポートがあると、連携の速度が上がります。
Q4. 若手育成に使えますか?
使えます。mirabonの出力を教材にして「この違和感をどう解釈するか」「監査・助言として何を確認するか」を議論すると、思考の型が揃いやすいです。逆に、丸写し運用にすると育成が止まるので、レビュー工程は必須です。
まとめ:mirabonは会計士の時間を「判断」と「対話」に戻してくれる
公認会計士の仕事は、数字を作るだけではなく、リスクを見立て、説明責任を果たし、意思決定を支えることに価値があります。mirabonは、財務評価、銀行評価、資金繰り、提案のたたき台を高速に整えられるため、会計士が本来の価値領域へ時間を戻しやすく、監査・アドバイザリーの双方で親和性が高いサービスです。
一方で、AI活用は“使うかどうか”より“どう管理するか”が要点です。守秘・品質・独立性・検証の手順を最初に決め、叩き台を起点に会計士が最終判断する運用にすると、安心して効果を出せます。会計士がAIを味方にできたとき、クライアントの相談は「過去の数字」から「次の一手」へ自然に移っていきますよ。
参考リンク
- mirabon(ミラボン)AI経営ドクター 公式サイト
- 日本公認会計士協会:テクノロジー委員会研究文書第11号「監査におけるAIの利用に関する研究文書」公表(2024-08-13)
- 金融庁金融研究センター:監査業界における生成AI利活用と監査品質上の課題(DP2025-3, 2025年7月)
- CPA.com:2025 AI in Accounting Report(PDF)
- PCAOB:2025 Inspection Priorities(生成AIを含むテクノロジー利用に言及)
- OpenAI:APIのData controls(API送信データの学習利用、保持ログの説明)
- OpenAI:Enterprise privacy(ビジネスデータは既定で学習に使わない等)
