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AWS Shieldの無料版が適している場合と有料版の費用

AWS Shieldは、DDoS(分散型サービス拒否)攻撃に対する防御策を提供するAWSのセキュリティサービスで、無料で利用できるAWS Shield Standardと、高度なセキュリティ機能を提供する有料のAWS Shield Advancedが用意されています。AWS Shield Advancedには追加費用がかかるため、すべての企業が有料版を必ずしも必要とするわけではありません。ここでは、無料版でも十分な場合と、AWS Shield Advancedの費用について詳しく解説します。

無料版(AWS Shield Standard)でも良いとされる理由

AWS Shield Standardは、シンプルなDDoS攻撃からAWS環境を保護するための基本的な対策が含まれており、次のような理由から多くのケースで十分な保護効果を発揮します。

  1. 基本的なDDoS攻撃はStandardで対処可能
    AWS Shield Standardは、ネットワーク層(Layer 3・4)のDDoS攻撃をリアルタイムで自動検知し、緩和措置を講じる仕組みが含まれています。攻撃の多くはこのレベルの攻撃であるため、一般的なウェブサイトや中小規模のオンラインビジネスであれば無料のStandardで十分に対処可能です。

  2. 他のAWSサービスと連携で強化
    Shield Standardは、Amazon CloudFrontやAWS Global Acceleratorと連携することで、さらに強固な防御が可能です。これにより、追加コストをかけずにAWSインフラを利用した効果的な防御が実現できます。特に、ビジネス規模が小さく、費用対効果を重視する場合にはこの組み合わせが適しています。

  3. 比較的リスクの低いアプリケーション
    企業やサービスによっては、ターゲットとして攻撃を受けるリスクが低い場合もあります。例えば、アクセスが少ない社内システムや、リソース消費が少ないウェブサイトなどでは、重大なDDoS攻撃を受ける可能性は低く、無料のShield Standardでも十分な防御が期待できます。

  4. 運用コストを抑えたい場合
    特にスタートアップ企業や個人事業者など、セキュリティ予算が限られている場合には、無料のShield Standardが理想的です。AWS内のリソースを活用しつつ、余計な出費を抑えながら基本的なDDoS保護を実現できるため、コスト効率を重視する小規模なウェブサイトには最適です。

AWS Shield Advancedの費用

AWS Shield Advancedは、より高度なDDoS保護機能を提供しますが、以下のような費用が発生します。

  1. 基本利用料
    AWS Shield Advancedの基本料金は、月額約3,000ドルです。この料金には、サービスの基本的な利用料が含まれており、追加機能やサポート体制の利用が可能です。

  2. データ転送量に基づく追加料金
    AWS Shield Advancedでは、Amazon CloudFront、Elastic Load Balancing、Route 53、Global Acceleratorなどの各サービスごとに、転送データ量に応じた追加料金が発生します。転送量が多い場合、基本料金に加えて別途費用が加算されるため、ビジネスの運営規模に合わせた費用管理が必要です。

  3. コスト補償とインシデントサポート
    Shield Advancedでは、DDoS攻撃によって増加したAWSリソース使用料のコスト補償が含まれていますが、これもAdvanced利用料に含まれているため、攻撃による追加コストの軽減効果も期待できます。また、24時間体制のDDoS Response Team(DRT)によるインシデントサポートも利用できるため、ビジネスの継続性に重きを置く企業にとっては安心です。

AWS Shield StandardとAdvancedの選択まとめ

AWS Shield Standardは、基本的なDDoS防御が必要でコストを抑えたい企業や小規模なウェブサイトに適しています。一方で、頻繁にDDoS攻撃のターゲットとなるビジネスや、安定したサービス提供が求められる大規模な企業では、AWS Shield Advancedの導入が推奨されます。Shield Advancedを利用することで、24時間体制のサポートと高度な防御が提供され、ビジネスの安全性を強化できるため、セキュリティ投資を正当化する価値があるでしょう。

どちらのプランも、ビジネスの規模やリスクレベルに応じて慎重に選択することが重要です。AWS Shield Standardは無料ながら基本的な保護をカバーし、有料のShield Advancedは必要に応じて企業のセキュリティを包括的にサポートします。自社に最適なプランを選ぶことで、AWS上でのサービス運営をより安全かつ安定的に実現することが可能です。

投稿者 greeden

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