OpenMCP ServerをAWSで立ち上げる手順ガイド【初心者向け】
はじめに
OpenMCP Serverは、生成AIが外部データソースやシステムと安全に連携するための重要な基盤です。この記事では、AWS(Amazon Web Services)を用いてOpenMCP Serverを構築する具体的な手順を、初心者にもわかりやすくステップバイステップでご紹介します。
このガイドは、企業の情シス部門、AI開発エンジニア、クラウドに不慣れな新任IT担当者にも役立つ内容です。
全体構成の概要
OpenMCP ServerをAWSで運用するための基本的な構成は以下の通りです。
- VPC(仮想プライベートクラウド)構築
- サブネット(EC2インスタンスを配置)
- インターネットゲートウェイ(外部アクセス用)
- セキュリティグループ(ファイアウォール設定)
- EC2インスタンス(OpenMCP Serverの実行環境)
ステップ1:VPCとサブネットの作成
- AWSマネジメントコンソールにログインし、VPCダッシュボードを開きます。
- 「VPCを作成」を選び、以下のように設定します:
- 名前タグ:
openmcp-vpc
- CIDR:
10.0.0.0/16
- 名前タグ:
- 同様にパブリックサブネットを作成します:
- 名前タグ:
openmcp-public-subnet
- CIDR:
10.0.1.0/24
- 名前タグ:
- 「インターネットゲートウェイ」を作成し、上記VPCにアタッチします。
- 新しいルートテーブルを作成し、デフォルトルート(
0.0.0.0/0
)をインターネットゲートウェイに向けます。 - ルートテーブルをサブネットに関連付けます。
ステップ2:セキュリティグループの作成
セキュリティグループはファイアウォールの役割を果たします。
- EC2ダッシュボードからセキュリティグループを作成します。
- 名前:
openmcp-sg
- インバウンドルール:
- SSH (ポート22):自分のIPのみ許可
- HTTP (ポート80)、HTTPS (ポート443):任意アクセス
- MCPサーバーが使用する任意のカスタムポート(例:5000など)
ステップ3:EC2インスタンスの立ち上げ
- EC2ダッシュボードで「インスタンスを起動」を選択。
- Amazon Linux 2 AMIを選択。
- t2.microなどの無料枠対象のインスタンスタイプを選びます。
- ネットワークとサブネットに先ほど作成したVPCとパブリックサブネットを選択。
- 「自動割り当てパブリックIP」を「有効」に。
- セキュリティグループとして
openmcp-sg
を選択。 - 新しいキーペアを作成し、秘密鍵をダウンロードしておきます。
- インスタンスを起動。
ステップ4:OpenMCP Serverのインストール
-
ローカルPCのターミナルから以下のコマンドでSSH接続します:
ssh -i "ダウンロードしたキーペア.pem" ec2-user@<パブリックIP>
-
必要な依存パッケージをインストール:
sudo yum update -y sudo yum install -y git nodejs python3
-
OpenMCP Serverのリポジトリをクローン:
git clone https://github.com/openai/openmcp-server-example.git cd openmcp-server-example
-
サーバーの設定ファイルを修正し、自社環境に合わせてエンドポイントやメソッドを定義。
-
MCP Serverを起動:
node index.js
オプション:Dockerを用いた構築
Docker環境が必要な場合、以下の手順で構築も可能です:
-
DockerとDocker Composeをインストール。
-
Dockerfile
とdocker-compose.yml
を準備。 -
MCP ServerをDockerコンテナとして起動:
docker-compose up -d
運用のポイントと確認事項
- MCPサーバーが稼働するポートがセキュリティグループで許可されているかを確認。
- Elastic IPを割り当てて、固定IPでの運用が可能。
- 独自ドメイン+SSL証明書を用いてHTTPS通信にすることでセキュリティを強化。
- ログの保存やCloudWatchによるモニタリングも推奨。
おわりに
AWS上にOpenMCP Serverを立ち上げることで、生成AIと社内システムや外部APIとの安全な統合が可能になります。本記事のフローを活用すれば、初心者でも着実に構築を進められます。
企業のITインフラを担当する方、AI導入に携わる方、クラウド構築を学びたい学生やエンジニアの皆さんにとって、本手順が安心して導入する一助となれば幸いです。