【2025年版】広島県のシステム開発会社一覧と選び方——補助金・助成金・契約・費用まで“迷わない”実践ガイド
最初に:この記事の要点(先に結論)
- システム開発とは:業務の“困りごと”をKPI(作業時間削減・ミス率低下・売上向上 等)で定義し、要件定義→設計→実装→テスト→移行→運用の工程で“測れる成果”につなげるプロジェクト。
- 依頼時の注意:目的とKPI、スコープ、予算レンジ、体制、期日をミニRFP(簡易要件書)で言語化。変更はCR票(チェンジリクエスト)で合意管理。
- 広島の支援制度:県のひろしまDXポータルで支援メニューを横断確認し、IT導入補助金2025、県のAIサンドボックス、市町の人材育成補助などを組み合わせるのが定石。
- 契約/費用:契約は準委任(探索・要件)×請負(本開発) の併用が無難。費用は工数×単価+外部費+予備費10〜15% が基本。
- 選定ポイント(5軸):同業界実績/体制と運用力/セキュリティ・品質/見積の透明性/地域伴走力。
- おすすめ5社(順不同):エネコム、ひろぎんITソリューションズ、ハイエレコン、ケイ・エヌ情報システム、データシステムソリューション。いずれも広島に拠点を持ち、一次情報で事業内容が確認できる企業です。
本記事はどなたに役立つ?(対象読者と読み方のガイド)
本稿は、広島県内で基幹/業務システムの刷新、Web/スマホアプリ開発、データ連携・可視化、セキュリティ強化、AI活用・自動化を検討する次の方のために、地域の支援制度+実務ノウハウを一冊にまとめた実践記事です。特に、製造・物流・小売・観光・医療/介護・自治体/教育など、止められない運用や個人情報保護が求められる現場の意思決定者に最適です。広島県のDXポータル(ひろしまDX) は制度全体の入口として有用なので、本稿の該当箇所で根拠を記載しながら要点を抽出しています。
システム開発とは——“機能”より“成果”で語る
定義:システム開発は、業務課題をKPI(例:欠品率0.8%以下、在庫回転日数−20%、受付応答0.8秒以内)で定義し、要件定義→設計→実装→テスト→移行→運用の工程で“測れる成果”に変換する取り組みです。成果の可視化こそが、稟議(社内合意)や補助金の採択でも説得力を生みます。
工程ごとの主なアウトプット
- 要件定義:目的・KPI、ユーザー像、スコープ(含む/含まない)、外部連携、非機能(性能・可用性・セキュリティ)、予算レンジ、体制、マイルストーン。
- 設計(基本/詳細):画面・操作フロー、DB設計、認証/権限、監査ログ、バックアップ、運用手順。
- 実装/テスト:単体→結合→総合→受入。正常/例外/境界/負荷/セキュリティの観点で品質を担保。
- 移行/教育:データ移行計画、切替手順、操作教育、SLA(復旧目標/窓口/オンコール)。
- 運用改善:KPIレビューで改善サイクルを回し、四半期ごとにリリース。
広島でよくあるテーマ例
- 製造/物流:工程・在庫の可視化、ハンディ/タブレット入力、予測需要、EDI・RFID連携。
- 小売/観光:予約一元化、EC・会員アプリ、O2Oの販促、在庫最適化。
- 医療/介護:個人情報保護、監査ログ、端末認証、電子帳簿・インボイス対応。
- 公共/教育:停止許容ゼロの高可用性、監査/ログ、データ連携、地域DC活用。
- AI/データ活用:県のAIサンドボックスなど地域の“実証の場”を活かした検証→横展開。
依頼時に気をつけること——“合意と変更管理”が8割
最初に決める5点(保存版)
- 目的とKPI:例)Web予約比率60%、棚卸工数 −80h/月 、出荷リードタイム −30% 。
- スコープ:対象/対象外を明記。“次期リリース” 候補は別表で固定。
- 予算レンジ:上限/下限と優先度(品質>スピード>コスト 等)。
- 体制/決裁:定例・議事録・承認者と締切を決める。
- 運用像:窓口(一次/二次)、SLA、監視、改善頻度。
ミニRFP(簡易要件書)テンプレ(抜粋)
背景/目的/KPI/ユーザー像/スコープ(含む/含まない)/画面数目安/外部連携一覧/非機能要件(応答0.8秒、可用性99.9% 等)/進め方(アジャイル/ウォーターフォール/週次定例)/マイルストーン/予算レンジ/契約(要件=準委任、本開発=請負 等)/評価基準(実績・工数根拠・リスク提案)
コミュニケーションの型
- 週1定例+議事録、決定事項は番号付けで履歴化。
- 変更はCR票で、影響(工数/費用/期日)と承認者を明示。
- 課題(Backlog/Jira)+チャット(Teams/Slack)+設計(Confluence/Notion)で一元管理。
即使える合意文例
「ver1.0は“受注→在庫→出荷”の自動連携まで。会計は連携のみ。性能は“同時30人で応答0.8秒以内”。運用は“平日9–18時・RTO4h”。変更はCR票でPM承認後に反映。」
広島で使える補助金・支援(県・市・国)——“実装+定着”の資金計画
1)県ポータルで横断チェック:ひろしまDX支援メニュー
広島県のひろしまDXには、県・国・市町のDX/デジタル関連の補助・イベント・研修がまとまっています。まずここで対象・時期・上限/補助率を俯瞰し、該当制度の公募要領へ進むのが近道です。
2)IT導入補助金2025(全国:中小企業生産性革命推進事業)
目的:中小企業の労働生産性向上に向け、ITツール(ソフト/サービス)の導入費用や、枠によっては活用支援・セキュリティ対策も支援。申請は登録されたIT導入支援事業者との連携が必須です。制度概要や枠(通常枠/複数社連携/インボイス/セキュリティ対策推進 等)は公式ポータル・中小企業庁資料を最新確認してください。
広島での入口:ひろしまDXの支援メニュー検索にも、当該事業が掲載されています。募集期間や上限・補助率は年度/枠で変わるため、最新の受付状況を確認しましょう。
3)県の実証・共創プログラム:ひろしまAIサンドボックス
概要:AI開発者と県内企業/自治体のマッチング+実証支援を行う県事業。採択プロジェクトの発表(2025年6月)が行われ、広島発のAIソリューションに挑戦する枠組みが動いています。検証費用の確保や県内連携を図る場として、MVP→横展開の道筋づくりに有効です。
4)市町の人材育成系:呉市 中小企業人材育成研修費補助金 ほか
研修費の一部を補助する制度(上限や補助率は年度で変動)。現場のシステム運用教育・デジタルスキル研修を並走させると、導入の定着率が向上します。福山市など、デジタル化推進の相談窓口・イベントも活発です。
5)国の横断的支援:ものづくり補助金(生産性向上・デジタル化)
設備/IT投資を伴う生産性向上の取組を支援。2025年の公募要領では、応募期間・採択発表時期などが明記されています。要件/加点/対象経費は枠ごとに異なるため要領を精読してください。
共通注意:交付決定前の着手は原則不可。対象経費・補助率・募集期間は年度・枠で変わります。最新の公募要領/募集ページで日付と要件を必ず確認しましょう。
助成金(“人”への投資)——導入と“教育”を並走させて定着率UP
- 人材開発支援助成金(厚労省):職務関連訓練(OFF-JT/OJT等)の訓練経費・訓練中賃金の一部を助成。2025年度(令和7年) の詳細版パンフレットが公開され、コース・要件・手続が整理されています。DX/IT運用の社内教育に相性が良い制度です。
- キャリアアップ助成金(厚労省):正社員化・処遇改善などの取組を支援。2025年度(令和7年)版の案内・リーフレットが公開され、計画届の事前提出等の実務ポイントが示されています。
- 広島労働局の案内:県内で利用可能な雇用関係助成金の一覧・共通要件に関する案内ページが公開されています。初めての方はここを入口に制度横断で確認できます。
活用のコツ:IT導入補助金で“ツール実装”、人材開発支援助成金で“運用教育(OJT/マニュアル整備)”を並走。同一経費の二重受給は不可、計画書や訓練計画届の日付順守を徹底しましょう。
契約について——準委任と請負の“賢い使い分け”
主な契約形態と向き/不向き
- 準委任契約:要件探索/要件定義/アジャイル/運用改善向き。スコープ変動に強く、時間精算で柔軟。
- 請負契約:仕様が固い本開発や成果物が明確な場合に。検収基準を文書で固定。
- ラボ型/共同開発:中長期ロードマップを固定チームで継続開発。
条項チェック(要点)
- 著作権/ライセンス(再利用範囲・第三者コンポーネント)
- 検収/支払(分割・みなし検収の有無)
- 変更管理(CR起票→影響分析→承認→反映)
- SLA/セキュリティ(RTO/RPO、脆弱性対応、ログ・監査、再委託)
- 個人情報保護(委託/共同利用/漏えい時の対応)
おすすめの進め方(例)
- 要件定義=準委任 → 本開発=請負 → 運用改善=準委任。
- 初期はA優先のみ契約。B/C要件は “次期” に分離して失敗を回避。
費用について——“工数×単価+外部費+予備費10〜15%”
基本式:
工数(人月/時間)×単価 + 外部費(クラウド/ライセンス/診断/機器) + 予備費(10〜15%)
ざっくり目安(要件・非機能・品質目標で変動)
- 社内業務Web(10〜20画面):800万〜2,000万円
- BtoC(EC/予約 20〜40画面):1,500万〜4,000万円
- モバイルアプリ(iOS/Android):1,000万〜3,000万円
- データ連携・BI:500万〜1,500万円
見積の確認ポイント
- 工数内訳の根拠(画面×難易度×テスト観点)
- 非機能(性能・可用性・セキュリティ・監査)を数値で明記
- テスト/移行/教育/運用の積算漏れに注意
見積サンプル(抜粋)
- 要件定義 2.5人月/基本設計 2人月/詳細設計 3人月/実装 8人月/テスト 4人月
- PM/品質 2人月/UI設計 1.5人月/セキュリティ(脆弱性診断・権限/監査ログ)一式
- 外部費:クラウド(検証/本番12か月)、監視、バックアップ、外部API
システム開発会社の選定ポイント(広島版:5軸+チェックシート)
- 同業界/同規模の実績:製造・流通・医療/介護・公共など、似た制約(繁閑差・法令・個人情報) を経験しているか。
- 体制と運用力:PM/アーキ体制、定例・議事録・変更管理の運用が“見える化”されているか。
- セキュリティ/品質:ISMS・Pマーク、コードレビュー/自動テスト/CIの実装度。
- 見積の透明性:工数根拠・単価帯・前提/除外・リスクの明示。安すぎる見積は要注意。
- 地域伴走力:広島のデータセンターや県の共創プログラムの活用提案があるか。
簡易評価表(25点満点)
- 実績適合5/体制5/品質5/透明性5/地域伴走5
広島県のおすすめシステム開発会社【5社・順不同】
いずれも広島拠点・一次情報(公式) で事業内容を確認できる企業です。記載の数値・所在地等は各社公表情報に基づきます。
PR. 株式会社greeden(大阪市北区)|日本品質×オフショアの“ハイブリッド”で最適解を実装
- Web・アプリ開発に強み。フルスクラッチ~SES まで柔軟対応し、国内で詳細設計→ベトナムで開発するハイブリッド体制で、高品質とコスト最適化を両立。WebアクセシビリティSaaS「UUU」も自社提供。
- 実績・事例:自治体のプレミアム付商品券 給付金事業 、宿泊予約サイト、サブスク型動画配信メディア、行政の移住定住プロモーション(阪南市) など、B2C〜公共領域まで幅広く支援。
- 個人情報は国内で厳格管理し、オフショア側からはアクセス不可とする運用で安心。
- こんなニーズに:①エンジニア不足の解消(外部リソースの活用ニーズにも通じる体制)②コストを抑えつつ品質担保したい③会員制・決済・予約・配信など“運用が効く”Webサービスを構築したい④Webアクセシビリティ導入をローコストで進めたい。
1. 株式会社エネコム(広島市中区)
特徴:中国電力グループのIT中核企業。ネットワーク/クラウド/データセンターからDXコンサル・SI(システム開発・運用保守) まで一気通貫。売上494億円(2025年3月期)/従業員1,061名(2025/4/1) を公表。広島データセンター群(EneWings) により堅牢な運用基盤を提供可能。
こんな方に:止められない基幹運用、BCP/DR(災害対策)、大規模ネットワーク連携を重視する企業。
一言:“インフラ×アプリ×運用” を一体で構築し、長期安定運用まで見据えたパートナー。
2. ひろぎんITソリューションズ株式会社(広島市中区)
特徴:ひろぎんホールディングスのIT会社。ICT事業/コンサル・研修/人材サービスを展開。資本金1億円、売上43.86億円(2025年3月期)、従業員494名(2025/4/1、役員等含む)を公表。データセンター/システム開発部門の認証も明記し、地域金融グループの信頼性を背景に業務システムの内製化・定着支援にも強み。
こんな方に:会計/販売/人事等の業務高度化、セキュアなデータ活用、金融周辺の堅牢性を求める企業。
一言:“金融級の安定性”ד現場伴走” で、中堅〜大企業の基幹刷新に好相性。
3. 株式会社ハイエレコン(広島市西区)
特徴:次世代SIを掲げ、ソフトウェア開発×ネットワーク構築×運用を一体提供。資本金9,000万円、社員269名(2025/4)、売上59.5億円(2025/3)などを“会社概要・決算公告”で公開。公共・教育・医療/福祉・製造など幅広い業種に対応し、ISO9001/ISMS・Pマークを取得。
こんな方に:現場密着での要件整理やネットワーク〜アプリの一体最適を求める企業。
一言:“提案型×品質認証” で、更新/更改案件の継続改善も進めやすい。
4. ケイ・エヌ情報システム株式会社(広島市東区)
特徴:OSS(オープンソース)を活かした業務システム開発を展開。設立1994年/資本金5,000万円/従業員48名、本社:広島市東区光町を公式に掲載。小回りの利くチームで、既存業務の段階的デジタル化に相性が良い。
こんな方に:コスト効率重視でOSS中心のカスタム開発をしたい中小〜中堅企業。
一言:“OSS×柔軟設計”で拡張性と総保有コストのバランスが取りやすい。
5. データシステムソリューション株式会社(広島市西区)
特徴:Web/業務システム、iOS/Androidアプリ、AI活用まで幅広く対応。本社:広島市西区横川新町や事業内容を公式が明示。医療・流通など業務特化の自社ソリューションも展開し、中小〜中堅の現場改善に強い。
こんな方に:スピード感のあるMVP開発や現場要望を吸い上げる伴走型を希望する企業。
一言:“現場主語”で素早く試作→本実装へ。スモールスタートに好適。
※上記の所在地・数値・認証等は各社公式情報に基づく記載です。詳細は各社の公開情報をご確認ください。
依頼前チェックリスト(保存版)
- [ ] 目的とKPI(例:欠品率0.8%以下/Web予約60%/棚卸工数 −80h/月 )
- [ ] スコープ(含む/含まない、次期対象の切り分け)
- [ ] 予算レンジ(上限/下限)と優先度(品質>スピード>コスト 等)
- [ ] 期日と決裁フロー(稟議締切・必要資料)
- [ ] 非機能要件(可用性・応答・セキュリティ・監査・ログ・権限)
- [ ] 外部連携(既存システム/API/決済/帳票)
- [ ] 契約計画(要件=準委任/本開発=請負/運用=準委任)
- [ ] 運用体制(窓口、SLA、監視、教育)
- [ ] 予備費(10〜15%)とリスク(人員、外部依存、法改正)
- [ ] 補助金/助成金:交付決定前着手NG/対象経費・締切・要件を最新要領で再確認。
すぐ使えるテンプレ(メール/稟議の骨子)
目的:EC在庫の欠品率を2.0→0.8%へ。KPIは出荷リードタイム−30%。
スコープ:受注〜在庫〜出荷を対象、会計は連携のみ。
予算レンジ:1,800〜2,400万円(税別)。優先:品質>スピード>コスト。
体制:貴社PM+当社窓口1名。要件定義は準委任、本開発は請負。
工程:要件2か月/開発3か月/テスト1か月/移行2週。
提出物:工数内訳/主要メンバー経歴/リスク&代替案/非機能の数値/テスト方針。
広島版・“賢い組み合わせ”例
- IT導入補助金2025でITツール導入→ 県のAIサンドボックスでPoC(実証)→ 市町の研修補助で運用教育を実施。導入と定着を同年度内に並走させる設計です。
- ものづくり補助金で設備+ソフト一体の生産性向上→ ひろしまDXの事例研究会/セミナーで運用改善の知見を吸収し、翌年度に拡張開発を計画。
重ねて注意:同一経費の二重受給は不可。各制度の募集期間・対象経費・実績報告は最新資料で確認しましょう。
よくある失敗と回避策
- 要件の膨張:A/B/C優先度でAのみ契約、B/Cは次期へ。
- “作って終わり”:運用・改善の年次予算と四半期レビューをセット化。
- 性能不足:ピーク同時数・応答時間を数値で要件化、負荷試験を計画。
- セキュリティ抜け:最小権限・MFA・脆弱性診断・監査ログを必須要件に。
- 属人化:設計/手順/コード規約/運用SOPをリポジトリ共有、引継ぎ会を実施。
掲載依頼はこちらから(編集部受付のご案内)
広島県のシステム開発会社さま。以下の項目をご用意のうえ、掲載をご依頼ください。一次情報(公式資料) を確認のうえ、編集部で審査し掲載可否をご案内します(優先枠がある場合は明記)。
- 会社名/本社・拠点(住所)/担当者連絡先
- 事業内容(最大5項目)
- 主要実績(業界・規模・効果を各120字以内・最大3件)
- 得意技術(言語/フレームワーク/クラウド/組込み 等)
- 認証・資格(例:ISMS/プライバシーマーク 等)
- 標準プロジェクト規模(例:3〜6か月/3〜5名 等)
- 公開情報の最終更新日
参考(公式情報の確認先・再掲)
- ひろしまDX(県ポータル/支援メニュー):DX支援・イベント・研修の横断入口。
- IT導入補助金2025(公式)/中小企業庁資料:制度概要・枠・留意点。
- ひろしまAIサンドボックス:採択・実証支援の情報。
- 市町の人材育成補助(例:呉市):運用教育の並走に。
- ものづくり補助金(2025年公募要領):設備/IT一体の生産性向上。
- 助成金(厚労省/広島労働局):人材開発支援助成金/キャリアアップ助成金/県内案内。
- 地域企業(所在地・事業内容):エネコム/ひろぎんITソリューションズ/ハイエレコン/ケイ・エヌ情報システム/データシステムソリューション。