【2025年版】Pixelの“新しいカメラ機能”ぜんぶ見せ:Add Me/Zoom Enhance/Night Sight Video/Video Boost/Magic Editorの実力と使いどころ
※上の写真はPixel端末のイメージです(商用利用可・CC0)。出典:Wikimedia Commons(撮影:Syced)。
最初に要点(1分でサクッと把握)
- いまのPixelが新しくしたのは“撮った後”までの実用域。 グループ写真で自分を後から合成するAdd Me、撮影後でも画質を補って拡大できるZoom Enhance、暗所動画を底上げするNight Sight VideoとVideo Boostが柱です。
- プロ寄りの構成ならPixel 9 Pro系(Pro / Pro XL / Pro Fold)。望遠×動画処理の組合せでSuper Res Zoom Video(〜20x)や8K相当の強化処理まで視野に。マクロ動画や音のノイズ除去(Audio Magic Eraser)も。
- 編集は“会話で指示”へ。 Google Photosの「Help me edit」はPixel 10初出の会話型編集で、対応端末が拡大中。指示文で補正・修復が行え、定型作業の負担が減ります。
- アクセシビリティは基礎力が高い。 肌の色表現Real Tone、音声と振動で自撮りをガイドするGuided Frameなど、“だれでも撮れる”を正面から支援。
- 対応端末の線引きは要チェック。 たとえばVideo Boost/Night Sight VideoはPixel 8 Pro以降の上位機で展開(Foldは8K/60fps非対応の注記あり)。導入前に対応と制約を確認するのが安全です。
この記事が刺さる人(具体像)
- SNS・広報担当:イベントや飲食店照明でも暗所動画を“見せられる品質”にしたい。1枚の集合写真を全員のベスト表情に整えたい。
- EC運用・クリエイター:マクロ動画や背景処理で小物/質感を伝えたい。後処理の会話編集で修正の往復を減らしたい。
- 教育・公共機関:Guided Frameで視覚支援、Real Toneで多様な肌色を正確に収めたい。説明責任の面でも“自然な見え方”を担保したい。
- 旅行・育児の個人記録:Add Meで撮影者が写れない問題を解消し、Zoom Enhanceで“撮り直せない距離”をあとから救う。
まず押さえる“新顔”と“進化組”
本章は機能→できること→対応の目安を短く。詳細は次章で深掘りします。
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Add Me(集合写真に自分を合成)
できること:撮ったグループ写真に“自分が写っている別カット”を自然に合成。撮影者が写真に入れます。
端末目安:Pixel 9系(無印/Pro)やPro Foldなどで訴求。 -
Zoom Enhance(撮影後の超解像)
できること:撮影済み写真をあとから拡大。AIがピクセル間を補い細部を推定。
端末目安:Pixel 9 Pro / Pro XL / Pro Foldで先行、8 Proにも展開。 -
Night Sight Video+Video Boost(暗所の“見える化”)
できること:暗所動画の色/ノイズ/ブレを補正。Video Boostはクラウド処理で色・安定・解像感を底上げ。
端末目安:Pixel 8 Pro、9 Pro、9 Pro XL、9 Pro Fold、10 Pro系で対応(Foldは8K/60fps対象外)。 -
Super Res Zoom Video(〜20x)
できること:望遠×動画処理で遠景動画の破綻を抑える。コンサート後方席などでも“寄れる”。
端末目安:Pixel 9 Pro系が中心。 -
Macro Focus(静止画/動画)
できること:超広角×オートフォーカスで近接の質感や小物の立体感を描写。
端末目安:Pixel 9/9 Pro/Pro Foldで強化。 -
Audio Magic Eraser
できること:動画音声から風切り音や雑音を軽減。
端末目安:Pro Fold仕様で明記(Pro系中心に展開)。 -
会話編集(Help me edit)
できること:Google Photos内で**“声/文章で”編集指示**。色調整から修復まで対話的に。Pixel 10初出→対応拡大中。
端末目安:Pixel優先の新機能だが、現状は一部Androidにも拡大。 -
Real Tone/Guided Frame
できること:多様な肌色を正確に再現、音声と振動で自撮りをガイド。アクセシビリティの核。
端末目安:Pixel 9系でも明記。Guided Frameは7世代から続く注目機能。
使ってわかる:主要機能の“実力と勘どころ”
Add Me:撮影者も“その場にいた”1枚に
どんなときに効く?
- 旅先の記念写真で三脚なしでも撮影者が参加。
- 記者発表や社内集合で人手が足りないときの“保険”。
実力のポイント
- 似た構図の別カットをAIが見比べ、自然な合成を行います。表情の違いはBest Takeのように“各人のベスト”に入れ替え可能な場合も。
- 屋外逆光・強い照明などで影の方向が大きく違うと違和感が出やすいので、撮影時は露出と光軸を近づけた2枚を用意するのがコツです。
基本ステップ(サンプル)
- グループを撮る→次に自分が入ったカットを同じ位置で撮影。
- Google Photosで「Add Me」を選択→合成候補を確認→保存。
Zoom Enhance:撮影後でも“寄れる”
どんなときに効く?
- カンファレンスの遠いスライド、子どもの演技の表情など、撮り直せない距離。
実力のポイント
- ピクセル間の“あいだ”を推定して細部を補うため、文字や規則柄はチェックが必要。重要用途は等倍→2倍→全体の順で確認しましょう。
- 展開:Pixel 9 Pro/Pro XL/Pro Foldで提供、Pixel 8 Proへも展開。
基本ステップ(サンプル)
- Google Photosで写真を開く→編集→Zoom Enhance。
- 拡大率を調整→被写体の輪郭・文字のエッジを確認→保存。
Night Sight Video+Video Boost:暗所動画を“作品”に
どんなときに効く?
- レストランや夜景、ライブ会場など、明かりが足りない現場。
実力のポイント
- Night Sight Videoは暗所のノイズや色を改善。
- Video BoostはクラウドのAI処理で色・明るさ・手ブレをさらに補正し、高品位な出力を狙えます。対応端末はPixel 8 Pro/9 Pro/9 Pro XL/9 Pro Fold/10 Pro系。Foldは8K/60fps非対応の注記あり。
- 公式の解説記事でも“低照度での高精細動画”をコンセプトとしており、夜イベントの記録に強いです。
基本ステップ(サンプル)
- カメラ設定でVideo Boostをオン→夜間に通常通り録画。
- 録画後、Google Photosへバックアップ送信→自動処理→仕上がりを確認。
Super Res Zoom Video:遠景でも“揺れない寄り”
- 望遠レンズ+動画処理の組み合わせで、〜20xの高品位ズーム動画。運動会やステージの“顔の表情”の可視化に効果。
Macro Focus(静止画/動画):小さな世界をディテールで
- 超広角のAFを活かし、料理の湯気やアクセサリーの質感まで近接で描写。9 Proでは低照度の改善も謳われます。
- Macro Focus Videoにも対応(Pro Fold仕様で明記)。プロダクトの“回し撮り”に◎。
Audio Magic Eraser:音の“邪魔もの”を減らす
- 風切り音・街ノイズを減らし、声やBGMを聴きやすく。屋外のVlog撮影や現場メモの録画で効果的です。
Magic Editor/Reimagine:AIで“構図まで作り直す”
- 切り抜き・拡張・移動・消去などを半自動で。空を足す、被写体を移動する、といった大胆な構図変更も。
- なおMagic Eraserなど一部機能はGoogle One加入で他社端末でも利用可能になっており、Pixel“ならでは”は新機能の先行性にシフト。UIの場所が変わることもあるので、最新ヘルプを併せて確認しましょう。
会話編集(Help me edit):編集の“指示書”いらず
- Google Photosの編集画面で**「こうして」と話す/打つだけ。“良くして”のような曖昧指示にも提案**で返すのが特徴。Pixel 10で初出→対応拡大中です。
Real Tone/Guided Frame:全員に“フェアな1枚”を
- Real Toneは肌の階調・色みの再現に注力。動画でも自然さを目指す方針が製品ページに明記。
- Guided Frameは音声案内と振動で自撮りの構図合わせを支援。アクセシビリティの観点で大切な基盤機能です。
端末別の“最短ルート”:どれを選べばいい?
Pixel 9(無印)
- 得意:Add Me/Magic Editor/Night Sight(静止画)、日常撮影の機動力。
- 狙い所:会話編集+AIフォトを軽快に回す“日常の主役”として。
Pixel 9 Pro / 9 Pro XL
- 得意:トリプルカメラ+5x望遠、Super Res Zoom Video(〜20x)、Night Sight Video/Video Boost。
- 狙い所:暗所動画や遠景を“仕事で使える”品質に。
Pixel 9 Pro Fold
- 得意:トリプル構成+マクロ、Dual Screenプレビューやテーブルトップ撮影など“折りたたみ”ならではの撮影自由度。動画はVideo Boost/Night Sight Video/Audio Magic Eraser対応。
- 注意:8K/60fpsは非対応。長時間撮影は放熱面も配慮。
Pixel 9a
- 得意:HDR+/Night Sight/Real Toneの基礎力をしっかり確保。日常の色と階調が安定。
- 狙い所:価格を抑えつつ**“Pixelの見え方”**を手に入れたい人に。
参考:Night Sight Video/Video Boostの対応は上位機中心。導入前に対応端末と制約(Foldの8K/60fps非対応など)を確認しましょう。
シーン別レシピ(実践サンプル)
1|暗いレストランで“雰囲気ごと残す”短編Vlog
- Pixel 9 Proで動画→Video Boostオン。
- 撮影後は自動でGoogle Photosにバックアップ→クラウド処理。
- 仕上げにAudio Magic Eraserで環境ノイズを軽減。
- 書き出しは縦長(SNS用)・横長(YouTube)を両方。
2|卒園式の後方座席から“泣き顔”まで寄る
- Super Res Zoom Video(〜20x)を意識して固定&ゆっくりパン。
- 明るさが厳しければNight Sight Videoを併用。
- 書き出し後、Zoom Enhanceで静止画の決定瞬間だけ切り出し。
3|ECの小物撮影:質感が命の“マクロ動画”
- Macro Focus Videoで光の方向を一定に。
- 背景はMagic Editorで後処理(色面を整える)。
- 仕上げに音声の風切りを抑えて商品説明の明瞭さを確保。
4|“撮影者が写らない問題”をAdd Meで解決
- 三脚なしでも、構図を変えずに2枚(グループのみ/自分入り)を連続撮影。
- Google PhotosでAdd Me→合成候補を確認→影や光の方向をチェック。
設定と操作:はじめてでも迷わない手順
Night Sight Video/Video Boost
- 設定:カメラ→動画→Video Boostオン。
- 注意:処理はクラウド前提、Google Photosのバックアップを有効に。Foldは8K/60fps対象外。
Zoom Enhance
- 場所:Google Photos→編集→Zoom Enhance。
- コツ:被写体の髪・文字・格子で**不自然な“縁”**が出ないかを確認。
Add Me
- 場所:Google Photos→AI写真編集→Add Me。
- コツ:似た構図の2枚を用意、服のシワやネックレスなど細部の整合をチェック。
Guided Frame(視覚支援の自撮り)
- 設定:設定→アクセシビリティ→TalkBack→カメラでGuided Frame。
- 操作:音声/振動の案内に従って顔を中央へ→自動カウントダウンで撮影。
Magic Editor/Reimagine
- 場所:Google Photos→編集→Magic Editor。
- コツ:拡張(アウトペイント)後は縁のつながりを拡大確認。被写体の影が自然かを見ます。
会話編集(Help me edit)
- 場所:Google Photos編集画面→Help me edit→「古い写真を直して」など自然文で指示。
- 注意:初出はPixel 10、現在は対応端末が拡大。国や機能が段階提供のため、最新の案内を確認。
“だれでも撮れる設計”の現在地
- Real Toneで肌の階調を丁寧に再現。Selfies for everyoneの理念とともに、Guided Frameが音と振動で構図決めを支えます。低視力の方でも“中央に入ったら自動で撮れる”体験は、写真の権利をひらく重要な一歩です。
よくある疑問(FAQ)
Q. Pixel 9aでも“新AI編集”は使えますか?
A. HDR+/Night Sight/Real Toneなど基礎画質の柱は9aで堅実です。Add Me/Zoom Enhanceなどの“新しめの合成/超解像系”は、上位機の明示を優先し、個別機能の対応は購入前に確認を。
Q. 動画の夜景、どの機種なら“仕事で使える”レベル?
A. Night Sight Video/Video Boostが使えるPixel 9 Pro系(および8 Pro/10 Pro)を推奨。クラウド処理が前提なので、アップロード環境も確保してください。
Q. 生成的編集(Magic Editor/Reimagine)は“本物らしさ”が心配…
A. 影・反射・輪郭の物理的整合を最後に確認するのがコツ。説明責任が要る文脈(広告/広報)では、加工の明示を。
Q. 会話編集(Help me edit)はどこまで使える?
A. ざっくり指示でも提案を返せるのが強み。精密なレタッチは従来ツールと併用がおすすめ。対応端末の拡大は続いています。
まとめ:Pixelの“新しさ”は、撮影から編集、その先の共有まで
- Add Meで“撮影者もその場にいる”集合写真に。Zoom Enhanceで撮り直せない距離を救い、Night Sight Video+Video Boostで暗所動画の実用域を押し広げました。
- Pro系は望遠×動画処理(〜20x)やマクロ動画、音の後処理まで揃い、“作品に仕上げる”総合力が強み。日常派は無印9、価格重視は9aでPixel流の見え方を。
- そして会話編集(Help me edit)やMagic Editorは、**“編集スキルの壁”**を低くしてくれます。撮る→すぐ仕上げる→届くまで、Pixelは連続した体験に育ちました。
参考資料(一次情報と公式中心)
- Google Store|Pixel 9(Add Me/Magic Editor/Night Sight/Real Tone/Guided Frame)。
- Google Store|Pixel 9 Pro / Pro XL(Super Res Zoom Video/望遠・マクロ・8K強化処理の記述)。
- Google Store|Pixel 9 Pro Fold スペック(Add Me/Zoom Enhance/Video Boost/Night Sight Video/Audio Magic Eraser/Macro Focus Video 等)。
- Google サポート|Video Boostの対応端末・注記(Fold 8K/60fps非対応を含む)。
- Google 公式記事|Night Sight Videoの考え方(低照度動画の品質向上)。
- The Verge|Google Photosの会話編集“Help me edit”(Pixel 10初出→対応拡大)。
- Android Central|Guided Frame(視覚支援の自撮りガイド)。
- Google Store|Pixel 9a(HDR+/Night Sight/Real Toneの基礎)。
- Android Central|Magic Eraserの一般提供(Google One経由、UI変更の注意)。
画像クレジット
- アイキャッチ:「Google Pixel 8 Pro, shown in Shibuya Stream 2.jpg」CC0(商用利用可・クレジット不要)/撮影:Syced(Wikimedia Commons)。