Revolut と Wise を徹底比較:手数料・為替・使い勝手の違いから、「どっち向きか/両方持つべきか」まで完全ガイド
要点サマリー
- 為替レート:Wise は常時「ミッドマーケットレート(実勢の中値)」+明示的な手数料。Revolut は平日はプラン内上限まで追加手数料なし、週末や上限超過時・一部ケースで所定のパーセンテージ手数料。
- ATM:日本の Revolut 標準プランは月 25,000 円相当まで手数料無料、超過は 2%。Wise カードは月 2 回・合計 100USD 相当まで無料(超過は定率+定額)。
- 国内/海外送金:Revolut(日本)は国内振込 1 回/月無料(以降 220 円)・海外送金はアプリ上で提示手数料(経由銀行手数料は別途あり)。Wise は常時ミッドレート+明示手数料で国際送金の総コスト表示に強み。
- 誰に向く?:旅行・少額の海外現地支払い中心なら Revolut、送金・両替額が大きい/恒常的なら Wise が有利になりやすい。組み合わせ運用でコスト最適化が可能。
- 結論ざっくり:海外送金や定期的な多通貨管理が主目的→Wise/旅行や日々の外貨決済・ATMも欲しい→Revolut/両方使い分け→ベストな場面が多い。
このガイドは誰のため?読むとどう役立つ?
海外旅行が多い個人、外資系勤務や外貨収入のあるフリーランス、留学・赴任・ワーキングホリデー予定者、越境 EC を扱う個人事業主・中小企業の経理担当、そして家族間で海外送金をする方が対象です。本記事は、為替と手数料の仕組みを誤解なく理解し、自分の行動パターンに沿って最安に近い支払い手段を選ぶことを目的に書いています。とくに「たまの旅行で数万円だけ両替したい」「毎月数十万円を海外に送る」「海外のサブスクをなるべく安く払い続けたい」など、具体的な利用シーンに合わせてどちらが得かをすぐ判断できるよう、料金実態と使い分けの要点を整理しました。加えて、**日本居住者向けの注意点(ATM、国内振込、週末レートなど)**も最新情報に基づいて網羅します。
まずは「為替レートと手数料」の根本的な違い
Wiseは、送金・両替ともミッドマーケットレート(実勢の中値)をそのまま適用し、外付けで明示的な手数料を加算します。レートの不透明な上乗せ(マークアップ)がないため、総コストが読みやすいのが特徴です。市場が開いている時間帯はレートがリアルタイム更新され、週末は金曜の最終レートを据え置く運用です。
Revolutは、日本の標準(無料)プランでも平日(市場時間)であればプランの範囲内で両替手数料は 0%、ただし週末(市場外時間)には追加 1%、また高頻度の大口交換では0.5%など所定の手数料がかかります(プレミアム各プランは週末上乗せが軽減・免除される地域/プランあり)。日本の標準プランに関する正式な料率・条件は下記の料金ページに明記されています。
ポイント
- 見積もり比較は「受取額」や「総コスト」で見ましょう(レート上乗せがあると手数料ゼロでも割高になるため)。Wise は総コスト可視化を前提に設計。Revolut もアプリで実際の適用レートと手数料が提示されます。
日本で使うときの「現金(ATM)」と「国内振込」
ATM 引き出し(日本)
- Revolut(標準):月 25,000 円相当まで無料、超過分は2%。ATM 側の**設置手数料(サーチャージ)**は別途かかる可能性があります。
- Wise カード:月 2 回・合計 100USD 相当まで無料、超過は定率 2%+定額等の体系(地域により表示通貨は異なるが、仕組みは同様)。日本の ATM の使い方や注意点記事も公開されています。
国内振込(日本円)
- Revolut(日本):国内振込は 1 回/月無料、以降1 件 220 円。海外送金手数料は都度提示されますが、中継銀行等の外部手数料は別途発生しうるため、**「受取額保証(Pay All Fees)」**のオプションもあります。
国際送金(対外)
- Wise:ミッドレート+明示手数料で総コストを比較可能。日本→米国/米国→日本など主要ルートで具体例が公開され、他社との受取額比較を定期的に掲示しています。
プランと月額:無料でどこまで?有料で何が変わる?
Revolut(日本)には、Standard(無料)/Premium(月額 980 円)/Metal(月額 1,980 円)などがあり、平日の両替手数料や週末上乗せの取り扱い、優遇枠などがプラン別に異なります。標準プランでも日常利用は十分ですが、週末の両替頻度が多い方や旅行シーズンに ATM 引き出し上限を広げたい方は有料プランの検討余地があります(詳細は各プラン条件を確認)。
Wiseは月額無料で、使う機能にのみ手数料がかかる従量課金の設計です。多通貨口座(マルチカレンシー)での受取・保有・両替・送金、デビットカードでの支払い・ATM などを必要分だけ支払う、という哲学が徹底されています。開示も**「常にミッドレート+手数料」**の一本化なので、費用予測がしやすいのが利点です。
ビジネス利用・多通貨管理:口座明細と受取の柔軟性
Wise の多通貨口座は、50 通貨超の残高に対応し、そのうち一部通貨は現地口座形式の受取情報(例:IBAN やソーティングコードなど)を取得できます。複数通貨での入金受取→任意通貨に変換→送金/カード決済まで一気通貫で運用可能。API ドキュメントにも対応通貨数や現地口座の提供が明確に示され、外貨売上の受け皿として中小企業・フリーランスに向きます。2024 年には日本の全銀ネット(Zengin)への直接接続も発表され、国内決済のコスト・時間短縮が進みました。
Revolut(日本)も国内・海外への送金に対応し、国内 1 回無料/以降 220 円など実務的な費用設計です。多通貨の保有やアプリ内両替のしやすさ、**旅行志向の機能(予算管理、カードのセキュリティ設定、バーチャルカード等)**が強み。日本の標準プランにおける ATM・両替・振込の条件は上記の通り明文化されています。
具体シナリオで比較:どちらが「実質」安い?
ここでは方針の立て方をサンプルで示します(実際の費用は、アプリに表示されるその時点のレートと手数料で必ず確認してください)。
サンプル 1:週末の空港で、円→ユーロをサクッと両替しカード決済したい
- Revolut:**週末は追加 1%**の両替手数料がかかる設計(日本の標準プラン)。平日にアプリで事前両替しておくと、この上乗せを避けやすく、旅行時の決済がスムーズ。
- Wise:常時ミッドレート+明示手数料。週末は金曜の最終レート据え置きで新レートは出さない(変動リスクは低減するが、急変は月曜反映)。
傾向:週末の突発両替は Wise が読みやすく、事前準備ができるなら Revolut もコスト競争力。
サンプル 2:日本で月 3〜5 万円を何度か ATM 引き出し
- Revolut(標準):月 25,000 円相当まで無料、以降は2%。上限を超えやすい月は費用が増える。
- Wise:月 2 回・合計 100USD 相当まで無料、超過は定率+定額。少額を 2 回だけなら無償枠内に収まりやすい。
傾向:少回数・少額の ATM は Wise、まとまった引き出しやキャッシュレス併用なら Revolut。
サンプル 3:日本から海外フリーランサーへ毎月 20〜30 万円送金
- Wise:総コスト(手数料+ミッドレート)を表示し、受取額の予測が正確。大口は段階的に割引が効く月もある。
- Revolut(日本):アプリで送金ルートと見積もり手数料が提示される。**受取額保証(Pay All Fees)**を選ぶと、中継銀行手数料差引の不確実性を軽減。
傾向:受取額の確実性重視→Wise/総額でアプリ提示に納得でき、既に Revolut を主カードにしている→Revolut。
セキュリティ・使い勝手:日常運用の安心感
両サービスともアプリからカードのロック/解除、オンライン決済のオンオフ、バーチャルカードなど、現代的なカードセキュリティが実装されています。Wise はコストの見通しの良さ、Revolut は旅行者向けの体験の滑らかさ(即時両替、予算・分析、サブカード)が強みです。週末や市場時間外の扱い、ATM 上限/手数料など運用上のルールを把握しておけば、不意のコスト増を避けやすくなります。とくに日本の ATMは海外発行カードの設置手数料や**DCC(現地通貨以外での決済)**に注意。現地通貨(JPY)での精算を選ぶのが原則です。
「どちらを選ぶ?」タイプ別の最適解
旅行好き・年に数回の海外出張がある人
- Revolut:平日事前両替+旅行中の少額 ATMの組み合わせが強い。週末は上乗せ回避のため事前両替を習慣化。
- Wise:送金と両替の総コストが常に見通せるため、旅行以外の国際支払い(留学費用の支払い、海外の家賃など)ではとくに安心。
海外送金・外貨収入が恒常的な人(フリーランス、クリエイター、輸出入)
- Wise:現地口座的な受取情報を活用し、売上の外貨受取→必要時に円転で為替タイミングを選べる。API 連携やバッチ処理も可能で業務に組み込みやすい。
- Revolut:送金・両替・カード決済を一つのアプリで完結させたいなら有力。国内 1 回無料振込も日常で便利。
留学・ワーホリ・長期滞在
- Revolutは日々の支払い・割り勘・カードの即時制御が快適。Wiseは学費や家賃など高額送金でコストが安定しやすい。併用がもっとも失敗しにくい選択です。
「両方持つ意味」は?—賢い使い分けレシピ
両方持つ最大のメリットは、自分の支払い行動を「得意なほう」に自動仕分けできることです。
- Revolutで:平日事前両替→旅行中のカード決済/ATM 引き出しをメインに。国内 1 回無料振込も日常で活躍。
- Wiseで:国際送金・受取・大口の両替を担い、総コストの可視化と受取金額の確実性を重視。定例支払い(フリーランスへの報酬、学費、海外家賃)をテンプレ化。
簡易フローチャート(文字版)
- 送金か?日々の決済か? → 送金=Wise/日々の決済=Revolut
- 両替タイミングは週末中心? → はい=Wise 優先/いいえ(平日準備可)=Revolut の事前両替
- ATM を月に何回・いくら? → 少回数・少額=Wise/まとまった引き出し+カード決済併用=Revolut
- 受取額を確定したい? → はい=Wise(総コスト表示+受取額重視)
日本在住者の実務メモ:ここは押さえたい(保存版)
- 週末の扱い:Revolut は週末 1% 上乗せ(日本の標準プラン)、Wise は金曜最終レート据え置き。週末に大量両替が必要なら Wise、平日に計画的に準備できるなら Revolut。
- ATM の無料枠:Revolut(標準)25,000 円/月・超過2%、Wise は月 2 回・合計 100USD 相当まで無料。月内の引き出し設計で節約。
- 国内振込:Revolut(日本)は1 回/月無料→以降 220 円。ちょい振込が時々ある人には地味に便利。
- 受取インフラ:Wise は多通貨の現地口座情報や日本の全銀ネット直接接続で受取・国内決済の効率性が高い。
- DCC 回避:現地(日本)でのカード決済はJPY を選択。ATM/端末の**「自国通貨で請求」**は避ける。
料金の「見え方」を読み解く:比較のコツ
- 総コストで比較:レート+手数料の合計で受取額を並べる。Wise は比較ページや見積もりが豊富。
- レートソース:Wise は独立ソースに基づくミッドレート。Revolut は自社提示レート+プラン条件の手数料。表示の根拠をアプリで確認。
- 時間軸:市場時間(平日)か週末かで条件が変わる(Revolut)。為替の急変時は Wise も保証レートの扱いに注意。
- 引き出し設計:ATM の無料枠・回数・定率を把握し、**「まとめて引き出す」or「少額を複数回」**のどちらが得かを決める。
それでも迷う人へ:意思決定テンプレ(サンプル回答文つき)
Q1. 年 1〜2 回の旅行で、現地はほぼキャッシュレス。どれ?
→ Revolutの無料プランで平日事前両替→現地はカード決済がシンプル。少額現金は無料枠内で ATM。文句なしの体験。
Q2. 毎月 10〜30 万円を海外へ支払う/受け取る。どれ?
→ Wise。受取額の確度と総コストの見通しが最優先。多通貨受取や割引の月次適用も活かしやすい。
Q3. 海外赴任で給与の一部を現地通貨、日本の家族に円送金も必要。どう運用?
→ Wiseで送金・受取のハブ、Revolutで日々の支払い。両持ちで最適化。
よくある落とし穴と回避術
- 週末にまとめて両替してしまう(Revolut):平日に予約・自動両替で回避。急な必要はWise で総コスト確認。
- ATM の無料枠を超過:月初に計画し、**少額×2 回(Wise)かまとめて 25,000 円以内(Revolut)**に収める。
- DCC で割高請求:レジや ATM で**JPY(現地通貨)を選ぶ。画面の「自国通貨で請求」**は避ける。
まとめ:最短の結論と実践ステップ
- 送金・外貨受取が主目的なら Wise。****ミッドレート+明示手数料で、受取額の確度と透明性が高い。
- 旅行・デイリー決済に強いのは Revolut。****平日事前両替+カード決済/ATMで軽快に使える(日本の標準プランは**週末 1%**に注意)。
- 両方持ちは**「旅行=Revolut」「送金=Wise」の二刀流**で失敗が少ない。
今日からできる 3 ステップ
- 両アプリを入れて本人確認(5〜10 分)。
- 直近 3 か月の使い道(旅行・送金・ATM)をメモ→どの無料枠/週末条件に引っかかるかを見積もる。
- Revolut で平日事前両替のルーチン+Wise で送金テンプレ(相手先登録)を作り、総コストを毎回アプリで確認。
Revolutの紹介コードでお得に利用
参考リンク(一次情報中心)
- Revolut 日本:個人(Standard)料金・条件
- Revolut(トラベル向け)日本円の案内と DCC 回避の注意
- Wise:価格と手数料(総合)
- Wise:カードの ATM 手数料・無料枠
- Wise:週末のレート(保証レートの扱い)
- Wise:多通貨口座(API/対応通貨の概観)
- Wise:受取可能通貨の例(ヘルプ)
- Wise:日本向け ATM・カード利用ガイド(ブログ)
- Wise:日本→海外/海外→日本の比較ページ(例) / Japan へ送金の比較ページ
- Wise:日本の全銀ネット直接接続(報道)
商用可画像(例)
- モバイル決済:Unsplash(決済イメージ)
- 旅支度/搭乗券:Unsplash(搭乗券・パスポート)
- ATM:Pexels(ATM 利用)
- 非接触決済:Unsplash(支払いイメージ)
※手数料・条件は居住国・プラン・通貨・金額・時間帯で変わります。最終的には各アプリ上の見積もりをご確認ください。本記事の数値は公式公開情報に基づく一般条件の整理です(2025 年 10 月時点)。