teacher asking a question to the class
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【授業レポート】システム開発入門 第31週目 〜学期の総まとめと2年生領域イントロダクション〜

第31週目は、これまでの学びを振り返りポートフォリオを整理するとともに、来学期に学ぶ**システム設計(2年生領域)**のイントロダクションを行いました。1年生としての学期の総まとめと、次のステップへの橋渡しがテーマの一日です。


■ 先生の導入:「振り返りは次の学びを生む」

田中先生:「今日は『見せられる形』で成果をまとめることと、設計の世界へ心の準備をする日です。コードだけでなく、考え方や改善の記録も大切にしましょう。」

先生は最初に、これまでのプロジェクトでの学び(設計→実装→テスト→改善→運用)を簡潔に振り返り、ポートフォリオ作成のポイントを提示しました。


■ 実習①:ポートフォリオ整理ワーク(成果物のまとめ)

各自、自分のアプリ/プロジェクトを以下の観点でまとめ、提出用ポートフォリオを作成しました。

ポートフォリオに含める項目例

  • プロジェクト名と概要(目的・ターゲット)
  • 実装した機能一覧(特徴的なアルゴリズム・工夫点)
  • 役割分担(チームの場合)と自分が担当した部分
  • 技術スタック(言語・ライブラリ・外部API等)
  • テスト結果(簡易KPI、ログ解析での改善結果)
  • 問題点とその対処(バグ→修正、ユーザーフィードバック→改善)
  • 学びの振り返り(できたこと・もっと伸ばしたいこと)
  • 実行手順(動かし方)とデモのスクリーンショットやソース配置ガイド

生徒A:「作っただけじゃなく、何を学んだかを言語化するのが意外と難しい」
生徒B:「ポートフォリオにテスト結果を載せたら説得力が出る気がする」


■ 実習②:デモ準備とピアレビュー

ポートフォリオをベースに**短いデモ(2分)**をクラスメイト向けに準備。ペアで発表リハを行い、以下の観点で互いにフィードバックしました。

  • 目的は明確か?(誰のためのアプリか)
  • 操作の流れは分かりやすいか?(デモの順序)
  • 技術的な工夫は簡潔に伝わるか?
  • 改善点や今後の課題は示されているか?

生徒C:「デモで ‘なぜ作ったか’ を先に言うと注目してもらいやすい」
生徒D:「レジュメに『想定外の入力例』を入れておくと説明がスムーズだった」


■ 実習③:2年生の学び(システム設計)イントロダクション

後半は来学期の学習テーマであるシステム設計について田中先生が概説しました。内容は次のような項目を想定して紹介されました。

2年で扱う主なトピック(イントロ)

  • 要求定義(要件整理):ユーザー要件と機能要件の違い、非機能要件の考え方。
  • UML・設計図の書き方:クラス図、シーケンス図、ユースケース図の役割。
  • データベース設計(ER図):テーブル設計・正規化の基礎。
  • 簡易アーキテクチャ設計:フロント/バックエンドの分離、API設計の観点。
  • 設計レビューとドキュメンテーション:設計書の書き方とレビューの進め方。
  • チーム開発の基礎:役割分担、バージョン管理、CIの基礎概念(概論レベル)。

田中先生:「設計は“作る前の会話”。コードを書く前に、誰と何をどう作るかを相談できる力が求められます。」


■ ディスカッション:設計で重要だと思うこと

生徒たちを小グループに分け、以下の問いで短いディスカッションを行いました。

  • 「良い設計とはどんなものか?」
  • 「チームで作るときに起きやすい問題は何か?」
  • 「設計をするときに一番大切にしたいことは?」

各班からは、「分かりやすさ」「拡張しやすさ」「誰が見ても再現できること」といった意見が出ました。


■ 先生のまとめのひとこと

「1年で学んだ ‘作る力’ と ‘直す力’ は土台です。2年では ‘どう作るか(設計)’ がテーマになります。今日まとめたポートフォリオは、設計を学ぶときの基礎資料にもなるので、大切にしてください。」


■ 宿題(学期の締めと準備)

  1. ポートフォリオ(PDFまたはMarkdown)を提出(必須項目を満たすこと)。
  2. 来学期に向けて学びたいトピックを3つ挙げ、その理由を20〜60字で書く。
  3. チーム開発でやってみたい役割(設計・実装・テスト・運用 等)を選んでおく。

■ 来週の予告:学期まとめ(提出物チェック&進路相談の時間)

次週は提出物の最終確認と、希望者対象の進路相談/ポートフォリオ添削タイムを設けます。大学やIT系の進路相談、部活や個人学習の進め方についての相談も歓迎とのことです。


ポートフォリオを整え、設計への期待を膨らませた31週目。1年生たちは「作るだけでなく伝える力」「次を見据えた設計感覚」を少しずつ育てており、来期の学びに向けて良い準備ができました。

投稿者 greeden

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