ざっくり結論から
-
個人情報
→ 「特定の人を直接または間接的に特定できる情報」
(例:名前・住所・電話番号・メールアドレス・顔写真・マイナンバーなど) -
携帯の端末情報
→ 「スマホという“機械”に関する情報」
(例:機種名・OSバージョン・端末ID・通信会社・アプリ一覧など)
ただしポイントは、
端末情報そのものは「人」ではなく「機械」の情報ですが、
持ち主が誰かと結びついた瞬間に、
個人情報と同じくらいセンシティブなデータになり得る
という点です。
ここから、もう少し丁寧に違いと具体例をお話しますね。
1. 「個人情報」と「端末情報」の基本的な違い
個人情報とは?
一般的に「個人情報」と言うときは、
- その情報だけで特定の人にたどりつける
- もしくは他の情報と組み合わせることで、その人だと分かる
ような情報を指します。
具体例
- 名前、住所、電話番号、メールアドレス
- 顔写真、動画、声
- 会員ID・契約ID・社員番号
- 生年月日+性別+郵便番号など、組み合わせるとその人と分かるもの
端末情報とは?
一方で 端末情報 は、
人そのものではなく、スマホやタブレットという「モノ」に関する情報 です。
- 「どんな機種か?」
- 「どんな設定か?」
- 「どんな通信環境か?」
- 「どんなアプリやブラウザでアクセスしているか?」
といった内容ですね。
2. 携帯の「端末情報」には何がある?
代表的なものを、分かりやすく分類してみます。
2-1. 端末を識別する情報
- 端末固有ID
- IMEI / MEID などの 端末識別番号
- 端末のシリアル番号
- SIMカード関連
- SIMカード番号(ICCID)
- 加入している通信会社の情報
- ネットワーク系ID
- Wi-Fi機器のMACアドレス
- BluetoothのMACアドレス
これらは「このスマホ(端末)はこれです」という“ラベル”のようなものです。
2-2. 端末のスペック・設定情報
- 機種名・モデル名(例:iPhone 15、Pixel 9 など)
- OSの種類・バージョン
- iOS 18 / Android 15 など
- 画面サイズ・解像度
- 使用言語(日本語・英語など)
- タイムゾーン(日本/東京 など)
- バッテリー残量・充電状態
- ストレージの空き容量 など
アプリやWebサイトが
「この端末に最適な表示に切り替える」ためなどに使われます。
2-3. 通信環境に関する情報
- IPアドレス
- 接続中のネットワーク種別
- 4G / 5G / Wi-Fi など
- ネットワークの強度・回線品質
- 利用中のキャリア(docomo / au / SoftBank / 楽天モバイルなど)
たとえば、
動画アプリが 通信が遅いときだけ画質を落とす のも、
こういった情報を見ているからです。
2-4. 利用状況・ログに関する情報
- インストールされているアプリの一覧
- アプリの起動履歴・使用時間
- クラッシュログ、エラーログ
- ブラウザのUser-Agent(どの端末・どのブラウザか)
- Cookie・ローカルストレージ
- GPSなどによる位置情報ログ
- 広告用ID(Advertising ID / IDFA / AAID など)
特に 広告用IDやCookie+行動履歴 は、
行動ターゲティング広告などに使われます。
3. 端末情報は「個人情報」ではないの?
ここが少しややこしいところです。
原則:端末情報は「モノ」の情報
- 端末情報はもともと「スマホという機械をどう扱うか」に使うための情報
- 単体では人を直接特定できないものも多い です
(機種名・OSバージョンだけで誰かまでは分からないですよね)
この意味では、
“純粋な端末情報”は個人情報とは別物 と考えられます。
ただし:人と結びつくと個人情報に近い扱いに
ところが、実際のサービスでは
- 「この端末を使っているのはAさんだ」とサービス側が把握している
- 端末情報+会員ID+行動履歴を長期間セットで持っている
- 広告IDなどを使って、
「この人はこんなアプリ・サイトをよく見る」とプロファイルされている
といったケースが多くなります。
このように、
「端末情報」+「その他の情報」
= 特定の個人を識別できる情報
となった時点で、
実質的には個人情報として扱うべきデータ になります。
たとえば、
- キャリア(通信会社)は、
端末識別番号・電話番号・契約者情報(名前・住所)をセットで持っています - 会員制アプリは、
端末ID・広告ID・ログインID・購買履歴をセットで持っていることがあります
この状態では、端末情報は
「人にくっついた情報」として、
個人情報に非常に近い扱いが必要になります。
4. ユーザー側として気をつけたいポイント
少しだけ、実生活で意識しておくと安心なポイントもまとめておきますね。
4-1. アプリの権限(パーミッション)
- 位置情報
- 連絡先
- 写真・ストレージ
- マイク・カメラ
などを求められたとき、
- 「このアプリが、その権限を本当に必要とする理由があるか?」
- 「許可しなくても使える範囲で利用できないか?」
を一度考えてから許可すると安心です。
4-2. 広告IDやトラッキングの設定
- iPhone:「Appのトラッキングの透明性」の設定
- Android:広告IDのリセット/パーソナライズド広告の設定
などで、
広告IDをリセットしたり、追跡を制限したり できます。
広告の「出方」が変わるだけでなく、
自分に紐づいた行動プロファイルを
ある程度リセットするイメージですね。
4-3. 公共Wi-Fiでの利用
- フリーWi-Fiなどで重要なサービス(銀行・クレカなど)を利用する場合は、
できるだけVPNを使う or モバイル回線を使う - 怪しいアクセスポイントには接続しない
なども、端末情報や通信内容を守るうえで大切です。
5. まとめ
最後に、改めて違いを整理すると…
-
個人情報
- 名前・住所・電話番号・メールアドレス・顔写真など
- 「特定の個人そのもの」に関する情報
-
携帯の端末情報
- 端末識別番号・機種名・OS・IPアドレス・アプリ一覧・広告IDなど
- 「スマホという機械」に関する情報
ただし、
端末情報が、
「この人のもの」とはっきり結びついた瞬間、
それは実質的に“個人にひもづく情報”になります。
なので、
- どんな端末情報が集められ得るのかを知っておくこと
- アプリの権限や設定を自分でコントロールすること
が大切になってきます。
