2025年11月30日の世界情勢:戦争とエネルギー危機、気候災害、減速する中国経済
まず押さえておきたい「きょうの世界の5本柱」
- ウクライナによる無人艇攻撃で、カスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)の黒海ターミナルが停止し、世界の原油の1%超が一時途絶
- 東南アジアとスリランカを襲った暴風雨・サイクロンで死者は計800人超、被災者は数百万人規模に拡大
- 中国の11月製造業PMIは8カ月連続で「50割れ」と景気の弱さが続き、サービス業も約3年ぶりに縮小へ
- イスラエルのネタニヤフ首相が汚職裁判で異例の恩赦要請、ローマ教皇レオは空爆が続くレバノンへ和平メッセージを携えて訪問
- エアバスA320系で不具合が見つかり、約6000機がソフト改修の対象に。世界各地で欠航・遅延が発生
この記事は、
- 投資家・企業の海外事業担当・経営企画
- エネルギー・食品・物流など実務にかかわるビジネスパーソン
- 国際政治・安全保障・気候変動を学ぶ学生や研究者
- 生活への影響を知りたい一般の方
などが、「今日は何が起き、家計や仕事、社会にどう響きうるのか」を俯瞰できるように構成していますね。
1. エネルギーと戦争の交差点:CPC攻撃・OPEC+・米ウクライナ会談
黒海の原油輸出がストップ
ロシアとカザフスタンの原油を黒海から世界に送り出す「カスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)」は、世界の原油輸送量の1%超を担う重要ルートです。
そのCPCの黒海ターミナルが、ウクライナの無人艇による攻撃で係留施設に大きな被害を受け、操業停止に追い込まれました。カザフスタンの原油輸出の約8割がCPC経由であり、同国は急きょ代替ルートへの迂回を決定しています。
経済的な影響
- 一時的とはいえ、
- 世界の供給の1%超が止まる
- 黒海ルートの安全リスクが再確認される
ことから、原油価格に「地政学リスク・プレミアム」が上乗せされる可能性があります。
- カザフスタンにとっては輸出のボトルネックが発生し、国家財政や外貨収入への圧力に。
- 海運保険・輸送コストの上昇は、最終的にガソリン価格や航空燃料、輸送コストを通じて各国の物価へ波及しやすくなります。
攻撃の標的となったのは、ロシアの戦争経済を支える原油輸出インフラでもあり、ウクライナは「ロシアの収入源を断つ」戦略を続けているとみられます。
OPEC+は増産見送りの公算
同じタイミングで、OPEC加盟国とロシアなどで構成するOPEC+は、会合で大きな生産方針の変更を行わず、現行の減産水準を維持する見通しと報じられています。
- OPEC+は2025年4月以降、段階的に供給を増やしてきたものの、
- 2026年1〜3月は増産を一時停止し、なお世界需要の約3%にあたる減産を続けています。
ブレント原油は年初来で約15%下落し、60ドル台前半まで下げていましたが、
- CPC停止
- ロシア・ウクライナ和平交渉の行方
など複数の不確実要因が絡み、相場は「弱い需要」と「地政学リスク」に引き裂かれている状態です。
米・ウクライナのフロリダ会談と戦争の出口
一方で、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアとの紛争終結に向けた和平案の協議を続けるため、ウメロフ国家安全保障・国防会議書記が率いる代表団を米国へ派遣したと明らかにしました。代表団はフロリダで米側と会談する予定です。
- 交渉が進めば、将来的に
- ロシア産原油への制裁緩和
- ロシア産エネルギーの市場復帰
というシナリオも議論されます。
- 逆に、和平が頓挫すれば、今回のCPC攻撃のようなインフラ攻撃が続き、供給不安と価格変動が長期化しうる、という見方もあります。
私たちへの波及
- ガソリン・電気料金・航空券などの価格に中期的な「上振れ要因」が再び乗り始めている状況です。
- とくに輸入エネルギー依存度の高い日本や欧州では、物価・為替・金利を通じて家計に影響が及ぶ可能性があります。
- 企業では、エネルギー価格のヘッジや、調達ルートの分散がより重要な経営課題になっていきますね。
2. 「水の災害」が同時多発:東南アジアとスリランカの豪雨・サイクロン
東南アジア3カ国で死者600人超、被災者400万人
インドネシア、タイ、マレーシアでは、マラッカ海峡で発生した稀な熱帯低気圧が1週間にわたり豪雨と強風をもたらし、洪水や土砂崩れによる死者が計600人超に達しました。
- インドネシア:死者435人、主にスマトラ島西部で壊滅的な被害
- 南部タイ:死者170人、ソンクラー県の大都市ハジャイでは1日335mmという300年で最高の降雨量を記録
- マレーシア:死者は少ないものの、広範囲での洪水と避難が発生
被災者は3カ国合計で400万人以上にのぼり、道路や橋が多数破壊され、通信インフラも大きなダメージを受けています。
スリランカのサイクロン「ディトワ」被災
さらに、ベンガル湾側ではスリランカを大型サイクロン「ディトワ」が直撃。
死者は212人、行方不明218人、約100万人が影響を受け、約20万人が避難所での生活を余儀なくされています。
- ダムの決壊で数千人が緊急避難
- コロンボ近郊の町では、家屋が浸水し多くの人が屋上で救助を待つ状況に
- 電力・水道・通信の復旧にも数日を要すると見込まれています
経済への打撃:農業・観光・インフラ
これらの水害は、単なる「自然災害」にとどまらず、アジア経済にも長く尾を引きそうです。
-
農業・食料価格
- スマトラ島やタイ南部は、
- パーム油
- ゴム
- コメ
などの一大生産地であり、畑や農地の冠水・流失により、収穫量の減少が懸念されます。
- これが国際市場の穀物・油脂価格を押し上げると、世界的な食料インフレを再燃させる可能性も。
- スマトラ島やタイ南部は、
-
観光業と地域経済
- タイ南部やインドネシア西部の観光地では、道路や宿泊施設の損壊が発生。復旧に時間がかかれば、
- 年末年始の観光需要減
- 地元中小企業の資金繰り悪化
といった二次被害が拡がりえます。
- タイ南部やインドネシア西部の観光地では、道路や宿泊施設の損壊が発生。復旧に時間がかかれば、
-
インフラ復旧と財政負担
- 橋の崩落、道路の寸断、ダムや上下水道設備の破損は、大規模な再建投資を必要とします。
- 途上国では財政余力が限られるため、
- 国際機関からの支援
- 災害債(グリーンボンドや気候ボンド)
の活用がより重要なテーマになっていきそうです。
社会への影響と今後
- 避難生活が長期化すると、教育の中断や感染症の拡大、生活再建の遅れなど、被災者の生活に深刻な影響が残ります。
- 「気候変動による極端な降雨」の議論も強まり、ASEAN地域での防災インフラ投資や早期警報システムの整備に、国際的な資金と技術をどう呼び込むかが、今後の大きな課題になりそうですね。
3. 減速が続く中国:製造業PMI8カ月連続マイナス圏
景気指標が示す「長引く息切れ」
中国国家統計局が発表した11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.2。
前月(49.0)からわずかに改善したものの、景気の拡大・縮小を分ける50を8カ月連続で下回りました。
- 新規受注・輸出新規受注はいずれも50未満
- 生産の指数はかろうじて50と横ばい
- サービス業などを含む非製造業PMIも、約3年ぶりに縮小に転じています
背景として、
- 新型コロナ後の回復の鈍さ
- 米中貿易摩擦の長期化
- 不動産不況と地方政府の債務問題
が重なっており、従来のような「大型インフラ投資で一気に景気を押し上げる」政策が取りにくい状況が続いています。
世界経済への波及
-
サプライチェーン
- 工場稼働の鈍化は、電子部品や機械、日用品など多岐にわたる製品の供給に影響します。
- ただし、需要側も弱まっているため「モノが足りない」というよりも、「価格競争が激しくなり、デフレ圧力を世界に輸出する」形になる可能性も。
-
資源価格・新興国経済
- 中国の建設・インフラ需要が伸びなければ、鉄鉱石・銅・エネルギーなどの需要も抑制され、資源国の輸出と財政に影響します。
- 一方で、資源価格が落ち着けば、輸入国にとってはインフレ圧力の軽減につながり、金利引き下げ余地が生まれる面もあります。
-
日本企業・アジア企業への影響
- 中国向け輸出や現地販売に依存する企業にとっては、売上の下振れリスクが継続。
- 同時に、中国以外のASEANやインドなどへの生産移管・市場多角化の流れは、さらに加速するかもしれません。
「中国の減速」は、世界経済にとってリスクであると同時に、
各国が産業構造を見直し、依存度を下げていくきっかけにもなりつつありますね。
4. 政治と安全保障:中東、朝鮮半島、ベネズエラ
ネタニヤフ首相の「異例の恩赦要請」
イスラエルのネタニヤフ首相は、2019年から続く汚職裁判について、まだ有罪判決が出ていない段階で大統領に恩赦を正式要請しました。
- 罪を認めないままの恩赦申請は極めて異例
- 野党側は「有罪認定と政界引退が条件でなければ認めるべきでない」と強く反発
- 大統領府も「重大な含意を伴う」として慎重姿勢を示しています
社会・経済への影響
- イスラエルはガザ戦争やレバノンでの戦闘で深刻な分断と疲弊に直面しており、「政治的安定」への信頼が大きく揺れています。
- もし政局が大きく揺らげば、
- シェケル安
- 国債利回りの上昇
- スタートアップ投資への慎重化
など、イスラエル経済にも影を落とす可能性があります。
教皇レオのレバノン訪問:宗教指導者からの和平メッセージ
ローマ教皇レオ(初の米国出身の教皇)は、トルコ訪問に続きレバノンに到着し、イスラエルの空爆が続く同国で平和を訴える予定です。
- イスラエルとヒズボラの戦闘に巻き込まれ、多数の難民と経済危機を抱えるレバノンにとって、教皇の訪問は「希望の象徴」として受け止められています。
- 宗教指導者のメッセージが直接停戦につながるわけではありませんが、
- 国際世論の関心を再びレバノンに向ける
- 国内の宗派間対立を和らげる
効果が期待されています。
北朝鮮:空軍の「核戦争抑止力」を強調
北朝鮮の金正恩総書記は空軍の記念式典に娘と出席し、「核戦争の抑止力行使における空軍の役割」を強調しました。式典では、ドローンや移動式ミサイル発射装置、空中早期警戒機とみられる装備も披露されたと報じられています。
- 北朝鮮は短距離FPVドローンや中距離攻撃ドローンの大量生産を始めたとされ、非対称戦力を強化しています。
- 「空軍に新たな戦略資産を付与する」とも述べていますが、具体的な内容は公表されていません。
東アジアへの含意
- 日本・韓国・米軍にとっては、ミサイルだけでなく、ドローン・早期警戒機・航空戦力が複雑に絡んだ新たな脅威像への対応が求められます。
- 迎撃ミサイルやドローン防衛システムへの投資が一段と加速すれば、
- 防衛関連株への資金流入
- 財政負担増
といった形で、経済にも影響してきます。
トランプ大統領の「ベネズエラ上空全面閉鎖」発言
米国のトランプ大統領はSNS上で、「ベネズエラ上空と周辺空域は全面的に閉鎖されたと見なすべきだ」と投稿しました。米当局は軍事作戦が進行中との認識はないとしつつも、発言の真意は不透明なままです。
- ベネズエラ政府は「敵対的で恣意的な行為であり、国際法に反する」と強く反発。
- 米連邦航空局(FAA)は既にベネズエラ上空を飛行する航空会社に対し、「治安情勢悪化と軍事活動の活発化」による危険性を警告しています。
リスクと影響
- 実際に航空会社がルート変更を余儀なくされれば、
- 飛行時間・燃料費の増加
- 航空券価格の上昇
につながる可能性があります。
- また、ベネズエラ沖はコカインなどの違法薬物の密輸ルートにもなっており、「麻薬取締り」を名目とした軍事プレゼンスの強化が、地域の緊張を高める懸念があります。
5. 産業・ビジネス:エアバスA320の不具合で世界の空に乱れ
欧州の航空機メーカー、エアバスの主力機「A320」シリーズで不具合が見つかり、世界で約6000機がソフトウェア改修の対象となりました。運航中のA320の半数超にあたる規模です。
- 各国の航空当局は、運航再開前にソフトのバージョンを元に戻すなどの措置をとるよう指示。
- アメリカン航空、エア・インディア、デルタ航空などは、29日時点で改修が完了、もしくはほぼ完了したと発表しています。
- 旧型機ではハードウェアの交換も必要な場合があり、当初エアバスは1000機程度と見積もっていたものの、実際にはもう少し少ない見通しとされています。
経済的影響
-
航空会社の収益圧迫
- 欠航・遅延に伴う払い戻しや振り替え費用、乗務員シフトの組み直しなど、短期的なコストが発生。
- 感謝祭明けで需要が急増する米国市場では、収益へのインパクトがより大きくなりかねません。
-
供給ひっ迫による運賃上昇リスク
- 一部路線で運航可能な機材が限られることで、座席供給が減り、運賃が上昇する可能性があります。
- 旅行需要の回復が続く中でのトラブルだけに、利用者の不満や航空会社への信頼にも影響しそうです。
-
サプライチェーンへの波及
- 予防的な交換部品の需要増で、
- 部品メーカー
- 整備会社
には短期的な追い風となる一方、他機種の整備や新造機の納入に遅れが生じるリスクもあります。
- 予防的な交換部品の需要増で、
エアバスのCEOは「航空会社と乗客に心からおわびする」と謝罪。グローバルに利用される機材だけに、「安全文化」と「説明責任」が、企業価値を大きく左右する時代であることを改めて示す出来事ですね。
6. 環境と食の安全保障:豪州の気候デモとスペインの豚熱
豪州ニューカッスル港での気候デモ
オーストラリア東海岸の石炭輸出の一大拠点、ニューカッスル港では、気候変動への抗議デモが2日連続で行われ、石炭船だけでなくアルミ精錬所向けの貨物船などの運航が一時的に中断しました。
- 環境団体「Rising Tide」の呼びかけで、数百人の活動家がカヤックで航路に入り、立ち入り禁止区域に違反。
- 逮捕者は100人超との報道もあり、警察発表では少なくとも21人が「海上関連の違反」で起訴されています。
- 港湾運営会社は、月曜日には通常運航を再開するとしています。
経済・社会的な意味
- ニューカッスル港は、石炭を中心としたバルク貨物の主要港であり、デモによる遅延は短期的には
- 石炭輸出企業の売上の遅れ
- 発電所や製鉄所への供給タイミングのずれ
をもたらします。
- 一方で、
- 「化石燃料に依存する経済からどう脱却するか」
- 「地域コミュニティがどこまでリスクを許容するか」
といった長期的な社会的対話を促す契機にもなっています。
気候行動が経済活動を直接止める「実力行使」のフェーズに入りつつあり、企業にとっては
- 投資家からのESG要求
- 地域社会からの「社会的許諾(ソーシャルライセンス)」
をより真剣に考える必要性が高まっていますね。
スペインでアフリカ豚熱(ASF)拡大の懸念
スペインでは、バルセロナ近郊で野生イノシシ8頭がアフリカ豚熱(ASF)の疑いで見つかり、確認済み2例と合わせて最大14頭に達する可能性があると報じられました。
- スペインはEU最大の豚肉輸出国で、豚肉輸出額は年間約88億ユーロ。
- ASFは人間には感染しませんが、致死率が高く豚やイノシシの間で急速に広がるため、各国は輸入規制で対応しています。
すでに
- 台湾:スペインからの豚肉・生体豚の全面輸入禁止
- 中国:バルセロナ州産の豚肉輸入停止
- 英国・メキシコ:スペイン産豚肉あるいはカタルーニャ地方からの輸入一時停止
スペイン農相によれば、104カ国向け約400件の輸出証明のうち3分の1が凍結されているとのことです。
世界の食料市場への影響
- スペイン産豚肉は、
- 加工食品
- ハムやソーセージ
として世界中に輸出されており、輸出制限が長引けば、 - EU域内の豚肉価格上昇
- 代替供給国(米国、ブラジルなど)への需要集中
といった動きが想定されます。
- 食肉価格が上昇すれば、低所得層ほど家計への負担が重くなり、
- 生活防衛のための節約
- 外食需要の落ち込み
にもつながりかねません。
畜産業の感染症は、健康リスクだけでなく「食の安全保障」と「輸出産業」の両面を揺るがす問題であり、各国は
- バイオセキュリティ対策
- 野生動物管理
- トレーサビリティ強化
を一段と進めていく必要がありますね。
7. きょうの世界が示した3つの大きな流れ(まとめ)
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戦争とエネルギーが依然として世界経済の「急所」
- CPC攻撃やOPEC+の政策、米ウクライナ和平協議は、
「原油価格という一本のレバーで、世界の物価と金利が揺さぶられ続けている」
現実を改めて浮き彫りにしました。
- CPC攻撃やOPEC+の政策、米ウクライナ和平協議は、
-
気候危機と防災が「今そこにある経済問題」に
- 東南アジア・スリランカの大規模水害、豪州の気候デモは、
- 気候変動が自然災害として生活と経済を直撃し
- その対策を巡って社会の分断や価値観の対立も生んでいる
という二重の課題を示しました。
- 東南アジア・スリランカの大規模水害、豪州の気候デモは、
-
地政学リスクと経済リスクの「多極化」
- 中東(イスラエル・レバノン)、朝鮮半島、ベネズエラ、中国経済の減速、欧州のASF…。
- リスクは一地域に集中せず、世界各地で同時多発的に起きており、
「どこか一つが片付けば安心」という段階ではなくなっています。
こうした中で、個人や企業としては、
- 一つの国・一つのサプライチェーンに依存しすぎない
- エネルギーや食料のリスクを分散する
- 情報を継続的にウォッチし、小さなサインの段階で動く
といった姿勢がますます大切になっていきそうです。
8. この解説が役立つ人と、明日からの「使い方」
最後に、この日の世界ニュースをどう活かせるかを、もう少し具体的に整理しておきますね。
❶ 投資家・資産運用をしている方
- 原油・エネルギー関連銘柄
- CPC停止やOPEC+の動向から、短期的な原油価格の上下要因を見極めるヒントになります。
- 防衛・インフラ関連銘柄
- 北朝鮮の軍拡、中東情勢、災害復旧需要などは、防衛産業や建設・インフラ企業の中長期需要を考える材料になります。
- 食品・農業関連
- ASFや洪水被害は、食肉・穀物価格に影響しうるため、食品企業や農業関連ETFなどを見るうえで重要なファクターになります。
❷ 企業の経営企画・海外事業担当の方
- エネルギーや原材料の調達を見直すきっかけに
- 黒海や中東のリスクを踏まえ、複数の調達ルートや長期契約の条件を検討する材料になります。
- 事業継続計画(BCP)のアップデートに
- 豪雨災害やサイクロンの頻度増加を踏まえ、現地拠点の防災対策やサプライチェーンの代替ルートを再検討するきっかけになります。
❸ 公務員・政策担当、NGO・NPOの方
- 気候変動適応策(防災インフラ、早期警戒システム、保険制度)の設計に、東南アジアやスリランカの事例は重要な教訓を与えてくれます。
- ASFや感染症リスクは、「一次産業+貿易+保健政策」が一体となった対策が必要であることを示し、国際協力のあり方を考える材料になります。
❹ 学生・研究者・ニュース解説に関心のある方
- それぞれのニュースを、
- エネルギー安全保障
- 気候危機
- 国際政治
- サプライチェーン
などのテーマ別に整理してみると、レポート作成や研究テーマの具体化にもつながります。
- 1日のニュースを「縦割り」ではなく、複数のテーマがどうつながっているかという視点で見る練習にもなりますね。
❺ 一般の生活者として
- すぐに行動を変える必要はなくても、
- 「ガソリンが上がった背景には何があるのか」
- 「肉や加工食品の値段が変わるかもしれない理由は何か」
を知っておくことで、値上げのニュースにも落ち着いて対応しやすくなります。
- 防災やエネルギー節約、食のリスク分散(いろいろな食材をバランスよく選ぶこと)など、身近なところから少しずつ備えていくヒントにもなります。
参考情報(主な出典)
- ロイター日本語版「CPCが原油輸出停止、ウクライナ無人艇攻撃で黒海施設に被害」
- ロイター「Kazakhstan tells Ukraine to stop attacking CPC terminal after oil exports halted」
- ロイター「OPEC+ set to hold oil output policy steady, sources say」
- ロイター「Tropical storm deaths top 600 in Southeast Asia, over 4 million affected」
- ロイター「Death toll hits 212 as Sri Lanka struggles with Cyclone Ditwah impact」
- ロイター「China’s factory activity shrinks again in November, services cool」
- ロイター日本語版「ネタニヤフ首相、恩赦を正式要請」
- ロイター「Pope Leo takes peace message to Lebanon, target of Israeli strikes」
- ロイター日本語版「北朝鮮の金総書記、空軍の核戦争抑止力を強調 式典で演説」
- ロイター日本語版「トランプ氏、ベネズエラ周辺空域『全面閉鎖』と警告」
- ロイター日本語版「エアバス機不具合、CEOが謝罪 世界の航空会社に影響」
- ロイター「Operations at Australia coal port to resume on Monday after climate protest disruption」
- ロイター「Eight more suspected swine fever cases as Spain struggles to limit export damage」
